映画「極道VSまむし」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
極道VSまむしの紹介：1974年日本映画。若山富三郎の「極道」シリーズと菅原文太・川地民夫の「まむしの兄弟」シリーズが合体。釜ヶ崎の島村組元組長島村清吉が神戸へ。頭は悪いが独立自尊の地元ヤクザである政と美しい保母をめぐってライバルに。若山と、かつて「極道」シリーズで子分でしたが今や若山をしのぐスターとなった菅原文太との間のバランスを取ることに監督が苦心した作品ですが、笑いあり、アクションあり、涙もありで楽しめます。
監督：中島貞夫 出演者：若山富三郎（島村清吉）、 菅原文太（ゴロ政）, 川地民夫（不死身の勝）、瞳順子（西宮恭子）、清川虹子（島村みね子）、志賀勝（カメ）ほか
この解説記事には映画「極道VSまむし」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
獄中で組解散を宣言し堅気になった島村組元組長の島村清吉が出所する。だが、南海電車の中で隣に立っている美女にいいところを見せようとスリをつかまえると、元子分・カメでびっくり。結局カメは逃げ、島村はスリ団の親玉とみなされて早くも逮捕され、西成警察署で拷問にあう。幸い隣に立っていた美女が証言してくれてスリと無関係であることがわかって釈放される。ストリップ劇場でカメをつかまえて叱る。
島村の妻みね子は、自分の店を手伝うように夫に言うが、島村は神戸にいることがわかった元子分・角三にカメを連れて会いに行く。ところが神戸では角三の葬式が行われていた。角三の母は、警察によると角三は酒を飲んで海に落ちたと言う。
だが角三は一滴も酒は飲まない。角三が下請けとして働いていた北斗海運は暴力団北斗会傘下の会社だ。島村は角三の仇を取るために神戸に留まることにし、北斗会系のノミ屋や不動産屋を締め上げて元手を作ってホルモン焼きの会社を作り、角三の母やカメ、さらにだまして従業員にしたチンピラたちを使ってホルモン焼き店を営む。
一方、3年ぶりに刑務所から出たばかりのゴロ政と、不死身の勝のまむしの兄弟は、孤児院日の丸学園の子供たちの面倒を見る保母の恭子と偶然知り合う。恭子に夢中で彼女以外頭にない兄貴分を心配した勝が腹ごしらえのために政を連れていったのは島村のホルモン焼き店。
無銭飲食をして島村にノックアウトされる。北斗会幹部に島村を痛めつけてくれと頼まれたこともあり、政と勝は店を襲撃するが、島村は二人を気に入り意気投合しかける。でも会社の重役にしてやるという島村の申し出を、堅気もお偉方も嫌いな政は断る。
ホルモン焼き店で働くチンピラのサブが、移動販売の自動車を手に入れると言って島村から金をもらいながら店に帰ってこない。サブはその自動車を使って仲間と北斗会の倉庫に押し入って泥棒をはたらいのだ。
翌日、サブの持ち物から日の丸学園を知った島村たちは、日の丸学園でサブたちを見つけ、彼らの自動車や泥棒で得た金を取りあげようとするが、島村は電車で隣に立っていた、彼を警察から救ってくれた女性が日の丸学園の恭子先生その人であり、サブたちは日の丸学園のOBであることを知る。
火事で焼けて今はプレハブの学園の新しい建物を作るためにサブたちは泥棒をしたのだった。自動車や金は学園への寄付になってしまった。だが島村は、学園の土地を欲しい北斗会と結んだ学園理事長が学園を閉鎖しようとしていることを知る。それを避けるためには2000万円の金が必要だった。
レストランで島村が恭子に2000万円作ってみせますと話しているところに政と勝が現れる。政と勝も学園の苦境を知り、二人と島村はどちらが2000万円を作ることができるか争う立場に。だが彼らは、恭子が死んだ角三の婚約者であったとは知らなかった。
島村は北斗会の倉庫にあったサルのおもちゃに覚醒剤が隠されていたのを見つける。覚醒剤の売人を捕まえて北斗会に乗り込み日の丸学園から手を引かせようという算段をする。一方、神戸に島村の妻みね子がやってきて恭子が角三の彼女であったことを教える。
政と勝はというと、2000万円で島村を殺す話を北斗会にもちかける。だが、二人による島村襲撃は失敗し、その時に初めて日の丸学園に圧力をかけているのが北斗会であることを知る。そして襲撃のせいで島村はせっかく見つけた売人に逃げられてしまった。
政と勝は、北斗会が密輸した時計を運搬する自動車を襲うという、日の丸学園OBたちの計画に乗って2000万円を稼ごうとする。密輸品強奪は成功しかけたが、オートバイに乗った一人が転倒して病院送りになって終わる。恭子は彼らが泥棒で金を得てきたことを知って、汚い金は受け取れないと言う。政は恭子にきれいごとを言うなと批判するが、恭子は自分も孤児院育ちでトルコ嬢をしていたことを告白し、病院から逃げ出す。
恭子を追いかけたのは島村だった。恭子は角三が覚醒剤を運ばされていることに苦しんでいたことを島村に話す。二人はタクシーで港に行き、角三と同じ船に乗っていた男に会う。男の船の中に覚せい剤が見つかり、ついに運び屋が見つかったと思われたが、甲板へ出たとたんに、待ち受けていた北斗会の男たちによって運び屋と恭子が撃たれて死んでしまった。
恭子の遺体を前にして、島村も責任を感じた政も覚悟を決める。政と勝はダンプカーで北斗会のビルに突っ込み、大勢を相手にドスを振り回す。島村はみね子の用意した島村組の法被を着て、拳銃を両手に一人北斗会会長の部屋を目指す。最後は島村に撃たれた会長の背中を政が刺してとどめを刺した。
政と島村はどちらが自首するかでまたも言い争いになるが、結局、勝が二人の後頭部を叩いて気絶させて自首する。
以上、映画「極道VSまむし」のあらすじと結末でした。
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