トータル・リコールの紹介:2012年アメリカ映画。フィリップ・K・ディックのSF小説『追憶売ります』を原作とし、1990年にアーノルド・シュワルツェネッガー主演で映画化されたSF作品を原作により忠実にリメイクした作品です。戦争で世界が荒廃、富裕層が住む世界と貧困層が住む世界に二分された近未来を舞台に、記憶を売買できる企業のサービスを受けた貧しい労働者が世界を取り巻く壮大な陰謀に巻き込まれていき、そして自らの塗り替えられた過去を知ることになります。
監督:レン・ワイズマン 出演者:コリン・ファレル(ダグラス・クエイド/カール・ハウザー)、ケイト・ベッキンセイル(ローリー)、ジェシカ・ビール(メリーナ)、ブライアン・クランストン(ヴァイロス・コーヘイゲン)、ボキーム・ウッドバイン(ハリー)、ジョン・チョー(ボブ・マクレーン)、ウィル・ユン・リー(マレック)、ビル・ナイ(マサイアス)ほか
映画「トータル・リコール(2012年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「トータル・リコール(2012年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
トータルリコールの予告編 動画
映画「トータル・リコール(2012年)」解説
この解説記事には映画「トータル・リコール(2012年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
トータルリコールのネタバレあらすじ:起
2084年。21世紀末に勃発した世界大戦により、地球の大部分が居住不可能となった近未来。富裕層はイギリスを中心とする“ブリテン連邦(The United Federation of Britain、通称“UFB” )に、貧困層は反対側のオーストラリアを中心とする“コロニー”に分かれて暮らしていました。UFBとコロニーを結ぶ唯一の交通手段は超巨大なエレベーター“フォール”であり、コロニーの住民はUFBの労働力として毎日のように地球の裏側まで移動し、富裕層のための労働を強いられていました。
コロニーの労働者ダグラス・クエイド(コリン・ファレル)は妻のローリー(ケイト・ベッキンセイル)と暮らしていましたが、ダグラスはいつからか見知らぬ女性と何者かに追われている悪夢を見るようになっていました。ローリーは結婚生活のストレスが起因ではないかと言いますが、ダグラスは「ただの夢さ」と言うのみでした。
近頃UFBでは、労働者の権利とUFBからの独立を主張するレジスタンスのリーダー、マサイアス(ビル・ナイ)によるとみられる爆破テロ事件が相次いでおり、マサイアスの右腕である元連邦警察の諜報員“カール・ハウザー”も関与しているとされて指名手配されていましたが、何の情報も掴めていませんでした。
トータルリコールのネタバレあらすじ:承
この日もダグラスは同僚のハリー(ボキーム・ウッドバイン)と共にフォールでUFBへと向かい、勤め先のロボット工場に出勤しました。この工場では、テロリストへの対抗手段としてロボット警官“シンセティック”の増産が行われていました。人間の記憶を売買するという“リコール社”の宣伝に興味を持ったダグラスはハリーにそのことを話すも、ハリーは「脳障害になるから行くな」と忠告されました。
しかし、同僚のマレック(ウィル・ユン・リー)から「リコール社で最高の体験ができた」と聞かされたダグラスは日頃の不満からリコール社に向かい、マレックから紹介されたボブ・マクレーン(ジョン・チョー)という人物に念のため脳内の記憶を調べてもらうことにしました。ところがマクレーンは突然ダグラスをスパイ呼ばわりし、その直後に二人の元に武装した警官隊が襲撃をかけ、マクレーンは射殺されました。
その時、突然ダグラスはいつの間にか武器を奪って警官隊を一掃してしまい、その場から脱出して帰宅するとローリーに事情を説明しました。ところが、今度はローリーは自分の正体が連邦警察の諜報員であり、ダグラスの記憶を操作して妻を演じていただけだと明かし、ダグラスに襲い掛かってきました。
何とかその場から逃れたダグラスは、自身の右手に透明なシート型の携帯電話が埋め込まれていることに気付きました。やがてダグラスの手の電話に“ハモンド”と名乗る人物から連絡があり、“キー”を入手するよう告げられました。ダグラスは携帯電話の情報からUFBの“ファースト・バンク”へ行き、貸金庫の中から複数のパスポートや身分照明証、そして自分自身と思われる動画データを見つけました。映像の自分自身はダグラスに、UFBにあるアパート“ハイスペリオン”に向かうよう促しました。
トータルリコールのネタバレあらすじ:転
一方、ローリーはUFBの支配者であるヴァイロス・コーヘイゲン(ブライアン・クランストン)にダグラスの記憶が元に戻りつつあると報告、ダグラスの正体を知らされたローリーは彼を見つけ次第殺害するよう部下に命じました。
UFBに潜入したダグラスはローリーの部下に追われ、夢に出てきた女性であるメリーナ(ジェシカ・ビール)に助けられました。メリーナは詳しい説明は後ですると告げ、二人は追っ手を振り切りながらアパートへ辿り着きました。部屋に入ったダグラスは自分がピアノを弾けることに気付き、鍵盤のひとつからホログラム映像を見つけました。
実はダグラスこそが指名手配中の“カール・ハウザー”本人であり、マサイアスの命でコーヘイゲンを抹殺するために送り込まれたこと、かつてメリーナと恋仲だったことを、そして一連のテロ事件の首謀者は実はマサイアスではなくコーヘイゲンであることが判明しました。コーヘイゲンの狙いは人口過密に陥ったUFBの住民をコロニー移住させるため、テロ殲滅を装って増産中のシンセティックを投入、コロニーの住民を根絶やしにすることでした。
ダグラスはホログラムのメッセージから、シンセティックを解除するコードは自分の脳内にあり、取り出せるのはマサイアスしかいないことを知りました。メリーナはダグラスに夢の中で負った手のひらの傷痕を見せ、これまで夢と思い込んでいたものは現実であったことに気付きました。
間もなく、ダグラスとメリーナは警官隊に取り囲まれ、その中にはハリーやローリーの姿がありました。ハリーはダグラスに、この世界はダグラスの妄想の世界だと告げるとメリーナを撃つよう要求しました。しかし、ダグラスがメリーナが一筋の涙を見せたことからこの世界は現実と判断、ハリーを射殺して逃亡しました。
トータルリコールの結末
シンセティックを引き連れて追ってきたローリーをかわしながらダグラスとメリーナはマサイアスが潜伏している危険地帯“ノー・ゾーン”へ向かい、マサイアスと会ったダグラスは記憶を取り出すための装置にかけられました。ところが、メリーナはそれが罠であることを見抜き、その直後に居場所を突き止めたローリー、そしてコーヘイゲンらによってマサイアスは殺害されました。
コーヘイゲンは最初からシンセティックを解除するコードなど存在しないことを告げ、捕らえたダグラスを“真の記憶”を呼び起こさせるとして装置につなぎました。辛くも脱出したダグラスは、コロニーに向けて出撃を開始したシンセティック部隊を食い止めるべくフォールに時限爆弾を仕掛け、捕らえられていたメリーナを救い出すとコロニーへと向かいました。
コーヘイゲンはダグラスを抹殺すべく動き、ローリーはシンセティックを起動させました。メリーナはヘリコプターを奪ってダグラスを援護、ダグラスは死闘の末にコーヘイゲンを倒し、そして時限爆弾が爆発してコーヘイゲンは爆死、UFBとコロニーを結ぶ唯一の移動手段が消滅しました。
爆発に巻き込まれ、意識を失っていたダグラスが目を覚ますと、そこには自分に寄り添うメリーナの姿がありました。しかし、ダグラスは彼女の手のひらに傷痕がないことからローリーが変装したことを見破り、ローリーを殺害しました。そしてダグラスは無事だった本物のメリーナと再会を果たし、抱き合いました。
以上、映画「トータルリコール」のあらすじと結末でした。
「トータル・リコール(2012年)」感想・レビュー
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シュワちゃんのトータルリコールのストーリーが頭に入ってたので、まさか地球の裏側が隔離された世界だとは、思いもよりませんでした。
コンセプトが同じでも舞台設定が変わるだけでも新鮮ですね。楽しく鑑賞させて戴きました。
レン・ワイズマン監督作という事もあり、アクション映画としても楽しめました。またコロニーとブリテン連邦をつなぐ巨大エレベーターが、これまでに観た事が無い様な造形で何度も観返しました。これにロボット警察が乗り込むシーンは最高です。レジデンスのボスがおなかの中から出てこなかったのは少し残念ですが、全体的には満足のいく仕上がりになっていると思います。