タッチの紹介:2005年日本映画。あだち充の高校野球を題材にした名作人気漫画の実写版映画です。「三人で描いた夢 届けたい、この想い。」と、ヒロイン・浅倉南を長澤まさみが、双子の兄弟・上杉達也と和也を斉藤祥太と斉藤慶太が好演しています。監督は『眉山-びざん-』、『のぼうの城』などの犬童一心、撮影は『HERO』などの蔦井孝洋です。
監督:犬童一心 出演:長澤まさみ(浅倉南)、斉藤祥太(上杉達也)、斉藤慶太(上杉和也)、RIKIYA(原田正平)、平塚真介(松平孝太郎)、上原風馬(黒木武)、安藤希(日向小百合)、福士誠治(新田明男)、風吹ジュン(上杉晴子)、若槻千夏(矢部ソノコ)、小日向文世(上杉信悟)、宅麻伸(浅倉俊夫)、ほか
映画「タッチ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「タッチ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
タッチの予告編 動画
映画「タッチ」解説
この解説記事には映画「タッチ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
タッチのネタバレあらすじ:起・3人の夢
浅倉南と隣に住む兄弟・上杉達也と和也の3人は、生まれた時から仲良く一緒に育った幼馴染でした。双子でそっくりな容姿の達也と和也でしたが、勉強もスポーツも優秀で真面目な弟・和也に対し、兄・達也はちゃらんぽらんで何をしても長続きせず、あらゆる面で弟に劣っていました。そんな3人の幼い頃からの夢は、野球で甲子園に行くことでした。そして、幼くして母を失くした南を甲子園へ連れて行った方が南と結婚できると約束していました。しかし、達也はいつの間にか野球を辞めてしまい、高校ではボクシング部に入ります。今や甲子園に行く夢は、野球部で頑張る和也と南・2人だけのものとなっていました。
タッチのネタバレあらすじ:承・突然の悲劇
周囲の者たちは優秀な弟・和也ばかりをもてはやしますが、南だけは落ちこぼれの兄・達也をいつも気に掛けていました。南は和也の想いに気付きつつも、達也に好意を寄せていたのでした。「どうせ勝負するなら賭けてみない?俺たちの一番欲しいもの、どっちが手に入れられるか」そんな南の想いに和也は気づき、兄・達也にライバル意識を燃やします。和也にとって甲子園を目指す一番の理由は、南との約束を果たすためだからです。しかし、そんな和也の想いに南は応えようとしませんでした。
和也をエースに迎えた明青学園野球部は順当に予選を勝ち進み、名門・須見工業との決勝戦を迎えていました。「連れってやれよ。それがお前の役目なんだよ。お前だって見たいだろ?南の笑った顔…」弟・和也の南への真っ直ぐな想いを知る兄・達也は、和也を励まします。
そして迎えた試合当日、いくら待ってもエースの和也は現れず、ライバルである4番の新田に逆転ホームランを打たれ、負けてしまいます。実はその朝、和也は子供を庇って交通事故に遭い、命を落としてしまったのでした。「嘘みたいだろ?死んでるんだぜ。それで…」南は泣き崩れます。
タッチのネタバレあらすじ:転・すれ違う想い
数日後、達也のもとにエース・和也を失った野球部のキャプテン・黒木武が賭けを持ち掛けてきました。賭けに勝ったら野球部に入部してほしいと言います。迷いながらも達也は、わざと賭けに負けて、野球部に入ります。
「どういうつもり?何がしたの?たっちゃんの気まぐれで皆がどれだけ動揺すると思うの?」心配する南は達也に問い質しますが、達也はどこ吹く風です。「あんたはね。和也じゃないだから…。和也の人生、背負う必要ないのよ」「わかってるよ。俺がやりたいからやるんだ」反対する両親の言葉にも達也は耳を傾けようとしません。野球部のチームメイトたちからもよそよそしくされますが、達也は練習に励みます。
しかし、達也が野球をするのは小学生以来です。元々、才能があるとは言うものの、エースを務めた和也レベルの力を身につけるのは簡単ではありません。秋季大会では和也のライバルだった新田が見守る中、達也はピッチャーとして出場するも、惨敗してしまいます。「和也…。俺はお前にはなれない…」自らの実力を思い知った達也は落ち込み、野球から離れてしまいます。「俺は和也じゃない。俺たちはもう昔みたいな3人には戻れないんだよ」そんな達也の姿を見ていられず、南もついに野球部のマネージャーを辞めてしまいます。
タッチの結末:夢に向かって
「思い出せないだよ…南の笑った顔…」野球から離れ、うだうだと悩む達也を立ち直らせたのは親友の原田正平でした。「どうしようもなえアホだな、オメエは。浅倉がよ、和也の事故以来、一度もベンチに入ってねえの、お前気づいてねえだろ。怖いんだよ。思い出すのが。そういう傷抱えながら、あいつは必死でやってきたんだ」「和也に会いてえんだ」「なら、和也と同じリングにあがれ」原田は達也に言います。「おれは甲子園に行く。待ってろ。南」決意した達也は野球部に戻り、練習を再開します。チームメイトたちはそんな達也を温かく迎え入れます。
高校2年の夏、明青学園は予選大会決勝まで勝ち進みました。相手は今年も須見工業です。弟・和也の遺志を継ぎ、達也はマウンドに立ちました。達也は好投し、それにチームも応えます。試合は一進一退の攻防を繰り広げ、1点差で追い上げられた最終回となりました。ツーアウト2・3塁で、打者は強打者4番の新田です。1打出ればサヨナラです。かつての和也のライバルです。津川監督からは敬遠の指示が出ますが、チームは勝負を選びます。マウンドから達也は南の姿を見つけます。「そうか、和也…。お前はいつもこんな風に…」達也は投げました。その球筋に誰もが驚きました。それは和也が得意とした球威のあるスライダーでした。土壇場で達也はその力を進化させていました。そして、達也は力を振り絞り、最後の1球を投げ込みました。新田のバットは空を切り、球は真っ直ぐにキャッチャーミットに吸い込まれました。達也は見事、新田を封じ、甲子園へのキップを手に入れました。
「上杉達也は浅倉南を愛しています。世界中の誰よりも…」達也は南を甲子園へ連れていくという夢を叶えました。「ありがとう」そんな達也に南は呟きました。
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