ニュースの真相の紹介:2015年オーストラリア,アメリカ映画。2004年のアメリカ大統領選を前に突如浮上してきたジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)の軍歴詐称疑惑。本作品はその疑惑を大々的に報じたテレビ局のプロデューサーと人気キャスターの視点から「21世紀最大のメディア不祥事」とまで言われた実際の事件の一部始終を克明に描いた社会派ドラマです。
監督:ジェームズ・ヴァンダービルト 出演者:ケイト・ブランシェット(メアリー・メイプス)、ロバート・レッドフォード(ダン・ラザー)、エリザベス・モス(ルーシー・スコット)、トファー・グレイス(マイク・スミス)、デニス・クエイド(ロジャー・チャールズ)ほか
映画「ニュースの真相」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ニュースの真相」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ニュースの真相の予告編 動画
映画「ニュースの真相」解説
この解説記事には映画「ニュースの真相」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ニュースの真相のネタバレあらすじ:起
2004年、アメリカ合衆国大統領選挙は二期目を目指す現職ジョージ・W・ブッシュと民主党のジョン・ケリー候補の一騎打ちとなっていました。双方の支持率はほぼ拮抗するなか、アメリカCBSニュースの報道番組「60ミニッツII」のスタッフ陣は、ブッシュ大統領に関する重要疑惑の検証を検証していました。
その疑惑とは、ベトナム戦争時代にブッシュが父ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領のコネでベトナム行きを免れていたこと、謎の離隊、そして任期満了せずの除隊など…軍歴詐称と捉えられてもおかしくない疑惑の証拠となる当時のキリアン中佐が記した「キリアン文書」のコピーが元中佐のビル・バーケット(ステイシー・キーチ)から匿名を条件に提供されました。
ニュースの真相のネタバレあらすじ:承
「60ミニッツII」のプロデューサー、メアリー・メイプス(ケイト・ブランシェット)は伝説のジャーナリストにして盟友であるメインキャスターのダン・ラザー(ロバート・レッドフォード)、デスク担当のルーシー・スコット(エリザベス・モス)、フリージャーナリストのマイク・スミス(トファー・グレイス)、ルーシー・スコット(モス)、軍事専門家のロジャー・チャールズ(デニス・クエイド)らと共に検証チームを編成、疑惑の解明に乗り出しました。
ブッシュ大統領の疑惑は大統領選の行方を左右しかねないものであり、実はメイプスのチームは4年前にも同様の疑惑を追っていたのですが、確たる証拠がないことから報道を断念していたのです。番組の放映まであと5日というわずかな期間、「キリアン文書」のコピーを文章鑑定専門家に鑑定を依頼したり、当時のブッシュ大統領の上官だった元将軍に電話で取材したりするなどして、裏付け作業を進めていきました。
ニュースの真相のネタバレあらすじ:転
2004年9月8日、「60ミニッツII」内でラザーは「キリアン文書」を“新証拠”としてブッシュ大統領の軍歴詐称疑惑を報じ、瞬く間に全米で一大センセーショナルを巻き起こしました。メイプスのチームは自信を持って確たる証拠として報道に踏み切り、自分たちの行動に誇りを抱いていました。
ところが放送直後、保守系のブロガーが「キリアン文章」は捏造されたものだとして反論を開始、他の報道機関もこぞってCBSの批判を展開、保守層からは極左呼ばわりされて非難されるなど、メイプスらは一転して窮地に追いやられていきました。
もはやマスコミや世間の関心は軍歴詐称疑惑ではなく、「キリアン文章」の真偽やCBSの報道姿勢を問うものにすり替わっていき、追い詰められたメイプスは酒と精神安定剤に頼るようになっていきました。
ニュースの真相の結末
事態の収拾を図るため、CBS上層部は内部調査委員会の設置を決定しました。しかし、委員会のメンバーにはブッシュ政権に近い有力者も交じっており、メイプスやラザーのチームは圧倒的不利な状況に追い詰められました。
弁護士団からは報道に政治的な偏りがあるのではないかと言われ、CBS上層部からは証拠が本物であることを証明するよう圧力をかけられながらも、メイプスらはジャーナリストとしての誇りをかけて全面的に争いました。
しかし、早期の火消しを図るCBS上層部は全ての責任をメイプスのチームに押し付けて、疑惑追及を強制的に打ち切り、結局疑惑の真相は何も明かされないままメイプスはCBSを解雇され、上司数名も責任を問われて辞職に追いやられました。ラザーは処分こそ受けなかったものの番組から降板することを決め、最後の放送に臨みました…。
以上、映画「ニュースの真相」のあらすじと結末でした。
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