折れた矢の紹介:2012年韓国映画。入学試験のミスを指摘した教授が、大学を解雇されてしまいます。告発した教授は裁判で破れてしまいまい、この時の裁判長に怒りをおぼえた教授が、クロスボウで襲ったのです。私は討っていないという教授に対し、ねつ造ともいえる状況証拠をつきだす検事。そして評判のよくないが、切れ者の弁護士が立ち上がります。2007年、韓国で実際に起ったクロスボウ事件を題材に描いた、法廷ドラマです。
監督:チョン・ジヨン 出演者:アン・ソンギ(キム・ギョンホ教授)、パク・ウォンサン(パク・ジュン弁護士)、ナ・ヨンヒ(キム・ギョンホの妻)、キム・ジホ(チャン・ウンソ記者)、ムン・ソングン(シン・ジョエル判事)、イ・ギョンヨン(イ・テウ判事)ほか
映画「折れた矢」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「折れた矢」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「折れた矢」解説
この解説記事には映画「折れた矢」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
折れた矢のネタバレあらすじ:起
パク・ポンジュ判事をクロスボウを持った男が襲います。揉みあいになり、折れた矢を手にしたポンジュは「証拠の矢だ持ってろ」と警備員に渡します。やがて駆けつけた警察に逮捕されたのは、キム・ギョンホでした。
労働者を専門に相手する弁護士パク・ジュンに事務所では今日も、もめごとが起っています。「料金を払え」と迫るジュンに、労働者の代表が「まだ、終わっていない」と言い争っています。そんなジュンの元へギョンホの妻が弁護の依頼してきます。
ギョンホは堅物で、法律を読み漁り、判事であろうとも間違っていたら追求します。ギョンホは大学教授の頃、数学の入試問題の出題ミスを発見します。「この問題だけ全員正解にするか、不正解にすればいい」と同僚たちが内密に収めようとします。しかしギョンホだけは「正直に発表するべきだ」と言い張ります。
あまりの頑固さに、同僚たちもあきれ果て総長に伺いを立てます。総長は表沙汰にせず内部で収めます。それでも文句を言うギョンホは解雇されたのです。告訴したギョンホでしたが、裁判ではパク・ポンジュ裁判長が大学側に有利に進め、ギョンホは負けてしまったのです。
折れた矢のネタバレあらすじ:承
これに納得がいかないギョンホがクロスボウでパク判事を討ったのでした。ギョンホから「パク・ジュン弁護士に頼めと言われた」と言う妻に、ジュンは「討った方が悪い」とあっさり言います。ギョンホの妻は「あなたはアル中という噂がある、もういいです」と言って帰って行きます。
ジュンはギョンホの妻が美人だったため、ギョンホの裁判を見に行きます。傍聴席には、知り合いのチャン・ウンソ記者がいます。証人に立ったパク・ポンジュの証言に対し、弁護士の発言を遮ってギョンホが訴えます。「法を守るのが判事だ、その判事が法を破ってどうするんだ」と責め立てます。止めようとする弁護士を解任し、「裁判を拒否する」と言って法廷を出て行きます。
見終わったジュンはウソンと酒を飲みます。その後ウソンはギョンホの妻に会い話を聞きます。ウソンは「適任者は一人しかいない。でも断ったんですね」とジュンの名を出します。
再び依頼を受けたジュンが、ギョンホに面会に行きます。ギョンホは「私からは討っていない」と言ったのです。そして一切の妥協を許さない持論を展開し、聞いたジュンは弁護を断ります。そのまま酒を飲み「事務所をたたむ」とクダをまいたジュンに、相棒が、辞表を提出します。驚いたジュンはギョンホの弁護を受けることにしたのです。
折れた矢のネタバレあらすじ:転
1回目、2回目の裁判と続き、ジュンはホンジュ判事の証言と、証人の証言の矛盾点を突きます。それを基に服に付いた血の鑑定と、ホンジュの証人としての出廷を求めます。しかしイ・テウ裁判長は「却下する」と言って閉廷しようとします。大人しくしていたギョンホは、イ・テウ裁判長に長々と司法に基づいて説法を始めます。
マスコミの報道で世論が高まり、ネットでも話題になりはじめます。そんな時、イ・テフ判事がやめてしまいます。裁判所は、司法院ヘのテロ行為だと発表したのです。
3回目の裁判より、シン・ジョエル判事が裁判長となります。ジュンがジョエル判事にあらためて「血の鑑定と、ポンジュの翔としての出廷を求めます」といますが、全て却下されます。さらにジュンとギョンホの訴えを全て却下したのです。
ギョンホは「裁判の放棄だ、告発する」と激しく迫ります。廷内が静まり返ります。ジョエル判事を論破したギョンホでしたが、ジュンは「最終的には無罪を勝ち取るんだ。こんなことで勝っても仕方がない」と言います。
独房だったギョンホが、3人部屋に移されます。そこでは大男の暴行を受け、レイプされてしまったのです。この事件ですっかり落ち込んだギョンホは、すべてに対し覇気がなくなってしまいました。
折れた矢の結末
ジュンがクロスボウの検証を始めます。すると体に当たると15cm以上突き刺さり、壁に当たると先が潰れて折れることがわかりました。実践結果からポンジュのキズがクロスボウの矢ではなく、自分でつけたものだとわかります。ギョンホのいない4回目の裁判で、クロスボウの検証動画を持ちこみますが、これも却下されてしまいます。
閉廷後、ジュンは動画をマスコミに渡します。メディ関係者は、夕方のニュースで特集すると言って帰ります。事務所に帰ったウンソが担当から外されます。夕方のニュースでもギョンホの裁判は流れません。司法当局の圧力がかかったのです。
ギョンホも出廷した5回目の裁判でギョンホがジョエル判事に申し立てをして退廷を命じられます。一人になったジュンは、100年前のフランスで起きた無実の被告人が罪をきせられた話をします。そして「この国は、独裁国家で先進国ではない」などと、権力で何でも動かせる体制を批判したのです。
ジョエル判事は、懲役10年を求刑し無理やり閉廷します。傍聴席からは生卵が幾つも投げ込まれます。4年後ギョンホは出所し、司法に対し以前と変わらず闘いを挑んでいました。
以上、映画「折れた矢」のあらすじと結末でした。
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