映画「夢見る頃を過ぎても」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
夢見る頃を過ぎてもの紹介：2002年アメリカ映画。平凡な主婦が歌と勇気で人生を切り拓いていくロマンス・コメディ。中年の専業主婦グレースは、スター歌手ビクターを熱烈に応援しつつ、堅実な夫マックスと２人で暮らしていた。ところがある日、マックスから突然離婚を切り出されてしまう。ショックを受けた彼女は、更にビクターが何者かに殺害されたことで絶望のどん底に突き落とされた。悲しみに暮れるグレースは地味な生活をかなぐり捨て、ビクターの故郷イギリスに単身乗り込む。そこでビクターの恋人だったという男性ダークと知り合い、意気投合した２人は犯人を突き止めようと奮闘するのだった。ジュリー・アンドリュースとバリー・マニロウが本人役で出演している。
監督：P・J・ホーガン 出演者：キャシー・ベイツ（グレース）、ルパート・エヴェレット（ダーク）、メレディス・イートン（モーディ）、ピーター・サースガード（ウィンドウ）、リン・レッドグレーヴ（ノラ）ほか
この解説記事には映画「夢見る頃を過ぎても」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
舞台は2002年のアメリカ、シカゴ。マンションで夫マックスと暮らす専業主婦のグレースは、イギリスのスター歌手ビクターの熱烈なファンでした。彼が出演するテレビ番組の招待券に当選し、朝から大はしゃぎしています。
ところがその直後、マックスから突然離婚を切り出されてしまいました。彼は代わり映えのしないグレースとの生活に「死」を感じたので、別れて生きている実感を取り戻したいと話します。グレースは強いショックを受けますが、それでも気を取り直してテレビ番組の収録に向かいました。
ところがその番組にビクターは現れませんでした。彼は最近シカゴで起きている、ボーガン連続殺人事件の被害者になってしまったのです。打ちのめされたグレースは、ビクターの追悼のために彼の故郷イギリスへ行くことを突然決意。息子の妻モーディが止めるのも聞かず、その夜の内にイギリス行きの飛行機に飛び乗りました。
ビクターの家に行ってみると、荒れた庭に彼の死を悼む花束がいくつも供えられていました。家から出て来たのは、ビクターの使用人だったという男性ダークです。近所からの評判が頗る悪い彼は、非常に無愛想で口の悪い男性でした。
ビクターから家も土地も譲り受けたと主張するダークと口論になるグレース。追い払われ渋々敷地内から出ると、様子を窺っていたビクターの妹ノラ達に話しかけられました。家をビクターの記念館にしたがっているノラ達にとって、居座るダークは邪魔者です。しかも彼は、10年以上ビクターと恋人同士だったと主張していました。
憧れのスターがゲイだったことに驚きを隠せないグレース。ノラ達はグレースをレコード会社の重役と勘違いして接待しますが、専業主婦だと知ると軽蔑したように追い払いました。グレースはノラ達が強硬手段に出る用意をしていると聞き、ダークに警告しに行きます。
翌日から、グレースは驚異的な行動力でダークの懐柔に乗り出しました。部屋を掃除し、食事を用意し、荒れた庭の芝刈りを勝手に行います。ダークは反発しますが、グレースの明るい包容力と優しさに触れ次第に心を開いていきました。
ダークは家の中を案内しながら、ビクターとのことを語ります。ビクターは幼い頃から女装趣味があり、16歳の時母親にゲイであることを告白して病院に入れられました。ダークとの出会いは10年前。作曲家だったダークはビクターに曲を聞いて貰いますが、酷評されてしまいました。しかし互いに惹かれ合い、表向きは使用人として同棲していたそうです。
ビクターは家と土地をダークに譲ることを内々に決め、近くゲイであることをカミングアウトする予定でした。しかしその前に命を奪われてしまったのです。ダークはビクターについて、浮気ばかりする不実な男性だったと話しました。それでもダークはビクターを今も深く愛しており、彼の死に打ちのめされています。
グレースは家に引きこもるダークを強引に外に連れ出し、彼の笑顔を引き出すことに成功しました。グレースの勇気に感化されたダークは、ビクター殺害の犯人に復讐すべくシカゴに行きたいと言い出します。
専業主婦と使用人。世間から軽視されがちな２人は、犯人逮捕に燃えてシカゴの地を踏みました。グレースがダークを連れて自宅へ戻るとマックスは既に引っ越したようで、家財道具の一切が持ち出されています。グレースとダークは空っぽの部屋で身を寄せ合って眠りに就きました。
翌朝、訪ねて来たモーディはグレースに新しい恋人が出来たと喜びます。誤解を訂正したグレースは、詳しい事情を説明しました。銃が必要だと聞いたモーディはバッグから得意げに銃を取り出し、捜査に協力すると言い出します。かくして専業主婦のグレース、ゲイのダーク、小人症のモーディは夜の聞き込み調査に向かいました。
ホームレス達から話を聞くと、被害者はよくビクターの歌を歌っていたそうです。その後３人は警察に職務質問され、銃の不法所持がばれて警察に連行されてしまいます。しかしこの刺激的な一件をきっかけに、マックスはグレースを見直しよりを戻したいと言って来ました。喜んで受け入れたグレースは、かつて憧れた歌手の夢にもう一度挑戦したいと伝えます。ところがマックスは、そこまで劇的な変化は望んでいない様子でした。
一方、ダークはボーガン連続殺人事件の被害者達の共通点に気付きます。それはビクターの歌を歌っていたことでした。彼は犯人を誘き出すため、ラジカセで音楽を流しながら外を歩き回ります。同じく共通点に気付いたグレースとモーディが合流すると、そこにボーガンを持った犯人が現れました。
彼の正体は窓の清掃員で、ビクターの歌を聞くと母親を思い出して悲しくなるため、歌っている人々を襲っていたのです。グレース達は歌で犯人の油断を誘い、ピンチをチームワークでくぐり抜け、何とか犯人を撃退することに成功しました。
グレースは再び夢を追いかける決意をして、マックスとは離婚しました。後日、グレースとダーク、そしてモーディは、ボーガン連続殺人事件を解決したヒーローとしてテレビ番組に出演します。観覧席にはノラやマックスの姿もありました。
ダークは自分がビクターの恋人だったことを暴露し、いつもノラ達が支えてくれたと大嘘を吐きます。そして彼女達の厚意で、ビクターの家も土地も譲って貰ったと言い出しました。賞賛の拍手を浴びるノラは否定することも出来ません。
するとマックスが立ち上がり、グレースの歌を聞きたいとリクエストしました。シークレットゲストとして、歌手のバリー・マニロウが登場します。グレースは感激しながらバリーと歌い出し、ダークとモーディもそれに続きました。
観客はグレースの歌声に魅了され、拍手喝采が沸き起こります。熱気溢れる会場の中に、亡きビクターの姿がありました。彼が背中を向けて去っていく中、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「夢見る頃を過ぎても」のあらすじと結末でした。
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