アオラレの紹介:2020年アメリカ,イギリス映画。離婚、仕事や子育てに翻弄され、生活も苦しい美容師レイチェル。たまたまクラクションを鳴らしたトラックの男につけ狙われ、家族や友人などが次々と襲われていく。理不尽な恐怖に怯えるレイチェルだが、愛する息子カイルを守るために逆襲を決意する。日本のみならず世界中で大問題になっている、あおり運転を軸に、恐怖と興奮のノンストップ・スリラー。
監督:デリック・ボルテ 出演:ラッセル・クロウ(男)、カレン・ピストリアス(レイチェル)、ガブリエル・ベイトマン(カイル)、ジミ・シンプソン(アンディ)、オースティン・P・マッケンジー(フレッド)、ジュリエン・ジョイナー(メアリー)ほか
映画「アオラレ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アオラレ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アオラレの予告編 動画
映画「アオラレ」解説
この解説記事には映画「アオラレ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アオラレのネタバレあらすじ:起
夜の住宅街。停車していたトラックから男(ラッセル・クロウ)が降りました。ある家に侵入すると、住人を襲った上にガソリンを撒いて、火を放ちました。男は平然と立ち去りました…。
最近離婚したばかりの美容師レイチェル(カレン・ピストリアス)。15歳の息子カイル(ガブリエル・ベイトマン)のほか、弟フレッド(オースティン・P・マッケンジー)と彼女のメアリー(ジュリエン・ジョイナー)との共同生活は苦しく、元夫に家まで取られそうな状態でした。
今日もいつものように寝坊して飛び起き、仕事の前にカイルを学校へ送るため、オンボロのボルボに乗り込みました。
しかし、フリーウェイの大渋滞に巻き込まれてしまい、カイルの始業時間どころか、そのあとの仕事にまで遅れてしまいます。そこへクライアントから連絡がきて、レイチェルはあっさりクビにされました。
アオラレのネタバレあらすじ:承
最悪な気分で下道に降りて信号を待っていると、前のピックアップトラックが青になっても動きません。イラついたレイチェルは長いクラクションを何度も鳴らし、トラックを追い越しました。
するとトラックは後を追ってきて隣につけ、運転席の男が窓越しに話しかけてきました。男は「考え事をしていた」と謝り、レイチェルにも無礼なクラクションの謝罪を要求してきました。レイチェルが拒絶すると、男は無謀な運転でレイチェルを執拗に追い回してきました。
男を振り切ったレイチェルはカイルを学校に送り届け、ガソリンスタンドに寄りました。ところが店内で支払いを済ませると、停めたボルボの後ろにさっきのトラックがつけていました。怯えるレイチェルを見て、近くにいた男性客がトラックを追い払ってくれることに。
ところが、トラックは男性に向かって発進し、そのまま轢き殺してしまいました。
アオラレのネタバレあらすじ:転
驚愕するレイチェルは急いでボルボを発進させ、猛スピードで走り出しました。男も後を追います。慌ててスマホを取り出そうとしましたが、車内にあったはずがいくら探してもありません。男はレイチェルがガソリンスタンドに入った隙に自分の携帯電話と取り替えていたのでした。そして電話が鳴ります。
レイチェルが着信を取ると、彼女が離婚のために雇っていた弁護士アンディ(ジミ・シンプソン)が出ました。しかもトラックの男も一緒でした。スマホのメールや連絡先からアンディの居場所を知ったのでした。
男は電話を取り上げるとレイチェルと話しながら、アンディを冷酷に殺しました。さらには「スマホに登録している人間から殺してほしい人を選べ。選べないなら家族を殺す」とレイチェルに強要してきました。
レイチェルは自分をクビにしたクライアント、バルバラの名前を告げました。そして電話を切ると、すぐさま警察へ通報しバルバラの自宅へ駆けつけるよう伝えました。ところがこれは罠でした。
男はレイチェルの自宅にいました。
次に電話が鳴ったときには、弟フレッドは椅子に縛られ、目の前で彼女のメアリーが殺されてしまいました。フレッドが男によって書かされた手紙をレイチェルとカイルに聞かせるために、男はカイルを迎えにいくよう指示しました。
男はフレッドに火を放つと、ちょうど警察が到着。肩を撃たれつつも男は逃げていきました。
アオラレの結末
男は異様な執着心をエスカレートさせていきましたが、カイルの身に危険が生じると悟ったレイチェルは秘策に出ました。
住宅が密集し、まるで迷路のような母の家があるエリアへと向かいました。母は施設に入っているため、現在自宅は空き家です。ここで男を上手くまき、母の家に到着。カイルはクローゼットの奥に身を潜め、レイチェルは男を待ち構えました。
ボルボをみつけた男は、トラックを止めました。そこへ別の車に乗り換えたレイチェルがトラック目がけて突っ込み、ゴルフクラブで男を打撃。しかし男はしぶとくも反撃し、カイルを見つけ出すと襲いかかります。レイチェルもカイルを守りたい一心で男の顔にはさみを振り下ろし、男を倒しました。
警察が到着しました。レイチェルとカイルは助かった安堵と恐怖の入り混じる中に、警察からフレッドが一命をとりとめたことを知らされます。2人は喜び抱きしめ合いました。
帰り道、無謀な運転で横切る車にイラ立ち、クラクションを鳴らそうとするレイチェルでしたが、様々な思いがよぎり手をひっこめました。カイルは言いました。「いい選択だね」
以上、映画「アオラレ」のあらすじと結末でした。
「アオラレ」感想・レビュー
-
やたらクラクションは鳴らない方が良いですよ。
私もクラクションを鳴らしたら、追いかけて来て、バカヤロー殺すぞと
脅かされました。 -
このママさん運転マナー最悪 渋滞中路肩は走るは携帯電話しながら運転するは自分の寝坊でイライラしてあんなクラクションの鳴らし方ないでしょ
映画だからラッセルクロウが悪者だけど
まあ胸くそな映画
いつもながらに宣伝も一切見ず予習も無しのぶっつけ本番で鑑賞したので先入観に囚われることなく観れたのが良かった。差し詰めラッセル・クロウの怪演と言ったところが妥当であろう。古くは71年のスピルバーグの「激突」があるし、これに類した映画は幾つも撮られていたりする。今回この作品を観ながらずっと感じていたことは、現在の世相とシンクロ(同調)するリアルな怖さについてである。この作品のストーリーと現実のアメリカ社会がまるで合わせ鏡のようにピッタリと一致している。米国では銃器による乱射事件が後を絶たず逆恨みや無差別大量殺人が日常茶飯に起きている。銃器を規制しようがしまいが根本的な解決には至らない。問題の根っこには深刻で救いようのない闇が潜んでいるからだ。「アオラレ」は、その人間が抱える心の深奥にある闇(魔の領域)を冷酷にも剝き出しにして見せた。男と言うものが終生抱えるであろう業の深さを余すことなく描き切ってみせたのである。人間というものは多かれ少なかれ身勝手で我がままなものである。しかしその中にも一定数のパラノイア(サイコ)が存在している。病的なまでに些細な物事に拘りを見せ必要以上に相手に対して敵意を抱く者たち。取り分け男性(雄:オス)はテストテロン(男性ホルモンの一種)が過剰に分泌されると、天性の闘争本能に火が付いて攻撃性がピークに達し手に負えなくなる。まるで力士かレスラーのような屈強な大男に扮して、粗暴で自分本位なサイコパスを演じ切ったラッセル・クロウの凄さは見事であった。逆恨みから他人に危害を加える人は例外なく「妄想性パーソナリティ障害」である、重症か軽症かは別にして。細かな点にケチをつけるつもりは毛頭ないが野暮を承知で一点だけ指摘しておきたい、あれだけ壮絶で悲惨な事件に巻き込まれて心身共に傷を受けた当事者が事件の直後にハンドルを握ることはほぼ不可能である。残酷(暴力的)で悪趣味だと言う人もいるだろうし、荒唐無稽な娯楽映画(アクションスリラー)と割り切って楽しむ人もあるだろう。古来「事実は小説より奇なり」と言うように、寧ろ現実の方がフィクションを上回る(超える)ことが多いのが世の常だと思う。目を背けても無視しても現実は変わらないものである。今後も多くの映画の世界を通して現実の世界に横たわる様々な問題を再検証してゆきたい。