アンノウン(原題: Unknown)の紹介:2011年アメリカ, ドイツ映画。リーアム・ニーソン主演作。アンノウンは、ディディエ・ヴァン・コーヴラールの小説『Out of My Head』を映画化したサスペンス映画です。出張先で事故に遭い、自分の名前や記憶を奪われた植物学者が巨大な陰謀に巻き込まれ、そして自らの正体に気付くことになります。アンノウンは日本公開時の題名が当初は『身元不明』と決まっていましたが、東日本大震災が起きたため、アンノウンに変えたという経緯があります。
監督:ジャウム・コレット=セラ 出演者:リーアム・ニーソン(マーティン・ハリス)、ダイアン・クルーガー(ジーナ)、ジャニュアリー・ジョーンズ(エリザベス・ハリス)、エイダン・クイン(もう1人のマーティン・ハリス)、ブルーノ・ガンツ(エルンスト・ユルゲン)ほか
映画「アンノウン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アンノウン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アンノウンの予告編 動画
映画「アンノウン」解説
この解説記事には映画「アンノウン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アンノウンのネタバレあらすじ:起
アメリカの植物学者マーティン・ハリス(リーアム・ニーソン)は、バイオテクノロジーの国際学会へ出席するために妻のエリザベス(ジャニュアリー・ジョーンズ)と共にドイツ・ベルリンに降り立ちました。ホテルに着いたマーティンは荷物のひとつを空港に置き忘れたことに気付き、すぐさまタクシーを手配して空港に向かいますが、タクシーは渋滞による多重事故に巻き込まれて川に転落、タクシーの運転手ジーナ(ダイアン・クルーガー)に助けられて病院に搬送されるも4日間の昏睡状態に陥り、目覚めた時には事故前後の記憶が曖昧な状態になっていました。わずかな記憶の断片を手掛かりにマーティンはホテルに戻りますが、なぜかエリザベスはマーティンを「知らない人」と言い放ち、その隣には“マーティン・ハリス”と名乗る別の男(エイダン・クイン)がいたのです。
アンノウンのネタバレあらすじ:承
パスポートも携帯電話も紛失し、自分の身元を証明する手段のないマーティンはアメリカに居る友人の学者ロドニー・コール(フランク・ランジェラ)に連絡しますが、アメリカはちょうど感謝祭であり、休暇中のため電話には出られませんでした。混乱したマーティンは看護師の助けを借りて元・旧東ドイツの秘密警察に勤めていた過去を持つ探偵のエルンスト・ユルゲン(ブルーノ・ガンツ)を雇い、事故の後タクシー会社を解雇されていたジーナの協力を得ながら自分自身を取り戻すための調査を始めました。数少ない手掛かりは父から贈られたらしい一冊の本で、最後のページにはまるで暗号のように数字の羅列が記されていました。マーティンはジーナの家に身を寄せることにしましたが、何者かが家に現れてジーナの同僚を殺してマーティンの命をも狙ったことから、マーティンはジーナを連れて逃走しました。
アンノウンのネタバレあらすじ:転
ユルゲンは数字の羅列から本のページと行、語数を読み取って暗号の解読に成功、その結果は「ユリ」と「月桂樹」を現していたことがわかりました。ユルゲンはマーティンの名を騙る人物が学会に出席予定のアラビア某国のシャーダ王子(ミド・ハマダ)の命を狙っている可能性を示唆しました。王子は世界の飢餓に危機感を抱き、バイオテクノロジー研究を支援したうえでその研究成果を世間一般に公表しようとしているのです。しかし、ユルゲンの元にアメリカからコールが現れ、ユルゲンは「“セクション15”に会えるとは思わなかった」と謎めいた言葉を残して服毒自殺を遂げました。その頃、マーティンは空港に向かい、忘れ物のスーツケースを取り戻しましたが、現れたコールにスタンガンで気絶させられ拉致されました。
アンノウンの結末
移動中の車内でマーティンは全ての記憶を取り戻しました。実は“マーティン・ハリス”とは偽名であり、マーティンの正体は秘密結社“セクション15”に所属する凄腕の殺し屋であり、王子と学会に出席するブレスラー教授(セバスチャン・コッホ)暗殺指令を受けて相棒のエリザベスと共に夫婦を装っていたのです。マーティンは駆け付けたジーナに助けられ、コールを殺害して学会が行われる予定の会場へ急ぎました。その頃、エリザベスはブレスラー教授のパソコンのパスワードであった暗号「ユリ」と「月桂樹」を使って研究データを盗もうとし、会場に時限爆弾を仕掛けました。会場に着いたマーティンは人々を避難させて王子とブレスラー教授を救い、セクション15が差し向けた殺し屋であるもう一人のマーティンを格闘の末に殺害、作戦が失敗したエリザベスは逃げきれずに爆死しました。無事研究データは公開され、セクション15と決別したマーティンはジーナと共にドイツから逃亡していきました。
以上、映画アンノウンのあらすじと結末でした。
映画アンノウンのレビュー・感想
遅咲きのアクションスター、リーアム・ニーソンが「96時間」に続きおじさまパワー全開で体を張ったアクションを展開する映画アンノウン。さすがにエクスペンダブルズに出るようなアクションスター達のようには動けないので若干カット割りでごまかしている部分はあるが、元々身長が高くてガタイがいいのでアクションシーンは非常に映えます。自分が誰だかわからない状態から、徐々に真相に辿りついていく部分にミステリー要素があり、途中アクションありと、先が読めない展開が次から次へと起こり、しかりテンポよく話が進んでいくのでどんどんとのめりこんでいってしまう。よくある、主人公が陰謀に巻き込まれて云々ってオチだろ?とか思って見たら思わぬドンデン返しを食らってしまった。若干展開に粗い部分はあるが、本当に脚本がよく出来ている。当初アンノウンの邦題は「身元不明」だったがその呼称はこの時期(東日本大震災)まずいだろってことで変更された本作だが、中身は非常によくできたアクション映画である(サスペンス要素も強い)。上映館数はあまり多くないけど大人の楽しめる骨太な映画、アンノウンです。
「アンノウン」感想・レビュー
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サスペンス?うーん、サスペンスなんだけど、オチに感情移入できない。僕はシリアスなギャグ映画と感じました。殺し屋結社目線だと、主人公が記憶喪失になったお陰で、殺しの作戦をめちゃくちゃにされるわけで、『お前が考えた作戦を、お前が無茶苦茶にすんのか!』とツッコミたくなる(笑)
殺し屋結社側からしたら、裏切り者は主人公なわけで…。じゃあ、一般人目線で見たら、主人公が記憶喪失になったせいで、巻き添えを食らった人達がどれだけ大勢いるのかと!最後に暗殺を食い止めたからって、主人公が一流の暗殺者なことには変わりないわけで、元極悪人だしなー。
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黒幕はヨーロッパを拠点とする暗殺集団”セクション15”
どこにも属さず実態不明、金さえ出せば依頼人は問わず、「完全無欠の計画性」と「効率の良さ」を持つ恐ろしい組織…のはずなのだが構成員がどいつもお粗末計画の実行犯である主人公は事故って記憶をなくした挙げ句に自分の計画をぶち壊そうと奔走するし、
元上司は突っ込んできた車を避けようと自分の車内に避難したところをそのままカマ掘られて転落死、
相棒の女性は仕掛けた爆弾の解除に向かい、解除しきれずにそのまま爆死するというとてもシュールかつ珍しいものだった
爆弾を仕掛けたのは主人公なので相棒役が解除に苦戦するのはわからなくもないのだが、肝心の描写が「う~ん、この配線に手が届けば解除できるんだけどな」って所で時間切れ→爆死となるので笑ってしまう「完全無欠の計画性」と「効率の良さ」はどこに行ったのか、大丈夫かこの組織?
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サスペンス?
リーアム・ニーソンにはミステリアスで影のある役が適役だからこの映画にはピッタリ。
殺し屋としてトウモロコシの研究家暗殺を企てスイートホテルの部屋に爆弾をしかけたまではいいけど、実行犯になんでもう1人のマーティンが必要なの?
最初からリーアムのマーティンがしかければいいのに。それか、リーアムのマーティンはアメリカから来ないでもう1人のマーティンがベルリン入りして仕掛ければいいのに。んんん?
たまたま事故で記憶を無くして周りを巻き込んでいき。記憶が蘇り自分も暗殺集団セクション15の一員であることを知る。
そして暗殺を防ぎ、最後はめでたしめでたしなのですが、どこか釈然としないかな… -
まぁなんのことはないリーアム・ニーソン版「ボーン・アイデンティティー」。本家は身元が実は「CIAの秘密工作員」だったがこちらはただの「殺し屋」。つまり記憶をなくす前は、本家にあった「国家の大義」も「拷問による強制的な洗脳」も一切ない「ただの悪党」。なんせ暗殺(対象も善意の王族と科学者)の計画も自分で(なんなら嬉々として)立ててたりする。本作がモヤモヤするのはまさにここ。ショックで記憶を失い、徐々にそれを取り戻していくのはこの手の話のお約束だがその過程で主役が「善」に目覚める描写が無い。記憶を失うだけで善になれるのか?記憶を取り戻したら元の悪い性質もよみがえるんじゃないのか?本作はそれを「リーアム・ニーソンの困り顔」だけで押し通すw まぁ短い出番ながらブルーノ・ガンツがいい味出してるし、ヒロインのダイアン・クルーガーも好みなのでそんなに嫌いではないけれど主人公の行動の裏付けはちゃんとやらないと「たま~に見直したくなる佳作」にすらならないなぁ。
暗殺者が、殺人というミッション遂行のために架空の植物学者になりすましていた・・・。
が、交通事故の衝撃により、暗殺者自身の記憶が喪失し、代わりに、架空の植物学者を演じるために暗記していた「仮想の記憶」が何故か暗殺者の頭脳を全面占拠する。
で、暗殺者は「仮想の記憶」がリアルだと思い込むという「荒唐無稽ストーリー」なのだ。
おまけに、交通事故の衝撃により、暗殺者の人格も仮想植物学者の人格へとチェンジする。
だから、暗殺者としての記憶がよみがえった後も、逆に暗殺を阻止する側に回るという展開に・・・。
暗殺者という悪玉が、あくまで「仮想」でしかない植物学者=善玉という「仮想の人格」へと、人間性までなぜか変容してしまう、実に「ハチャメチャ・無理筋なストーリー」なのだ。
この映画はSFか?
もっとも、思考能力が停止中の人にとっては、楽しめる映画かも?