ヴィタールの紹介:2004年日本映画。交通事故で意識不明から回復した医大性の博史の記憶は無くなっていました。やがて遺体解剖実習で割り当てられた遺体は若い女性でした。解剖をしながら博史は、この女性がかつての自分の恋人の涼子であることがわかりました・・という内容の現実と幻覚の世界を描いた問題作です。
監督:塚本晋也 出演者:浅野忠信(高木博史)、柄本奈美(大山涼子)、KIKI(吉本郁美)、串田和美(高木隆生)、りりィ(高木慎子)、岸部一徳(柏淵教授)、國村隼(大山三郎)、利重剛(中井教諭)ほか
映画「ヴィタール」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヴィタール」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ヴィタールの予告編 動画
映画「ヴィタール」解説
この解説記事には映画「ヴィタール」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヴィタールのネタバレあらすじ:起
高木博史は両親の見守る中ベッドで目覚めました。博史は記憶が全くなくなっていて、両親すらわからない状態でした。父の隆生が博史に、居眠り運転のトラックに衝突された事を話しました。それでも全く表情を変えない博史に、両親は医者になると頑張っていたのにと嘆きました。
自宅に帰り、解剖学の本を見た博史は何かを思い出したように読み始めました。すでに医大に入学が決まっていた博史は、汚い部屋に一人住まいして大学に進学しました。大学では博史を見つめる郁美がいました。郁美には中井教諭という愛人がいました。郁美が博史に声をかけても博史は無反応でした。そんな博史に夢中になった郁美は、中井教諭に別れを告げました。すると中井教諭は自殺してしまいました。
ヴィタールのネタバレあらすじ:承
人体解剖の授業が始まりました。各6人ほどの班に分けられ、解剖用の遺体が割り当てられました。博史は郁美と同じ班で、遺体は若い女性で左腕にタトゥーがありました。柏淵教授の説明が始まると、早速博史は遺体にメスを入れました。博史はどんどん解剖し、人体の皮を剥ぎはじめました。凝視できない郁美は気分が悪くなり、ずっと下をむいていました。博史は人体の細部までデッサンし、解剖に夢中になりました。郁美は遂に耐えられなくなり廊下に出ました。
授業の終わった博史は郁美を自分の部屋に連れて行きました。このまま二人は一緒に暮らすようになりました。二人は当然のように愛し合いました。その時、博史の脳裏にかつての恋人の涼子との楽しい日々が浮かびました。そして左腕のタトゥーも思い出しました。郁美と愛し合った後、博史は解剖室に走って行き、遺体のタトゥーを調べました。自分の解剖している遺体はかつての恋人涼子でした。
ヴィタールのネタバレあらすじ:転
記憶の断片を取り戻した博史は、父の隆生に話を聞きました。あの日、博史は涼子を助手席に乗せ車を走らせて事故に遭いました。そして博史がこん睡状態の時、涼子は死んだと聞きました。博史は涼子の家に行きました。涼子の遺影に手を合わせますが、涼子の父親の三郎は怒りが収まらない状態でした。母親は放心状態のままでした。そんな三郎に博史は、自分の記憶がない事と、涼子を解剖している話をしました。三郎は訴えると言って博史を追い出しました。
このころから博史はもう一つの世界で死んだ涼子と会えるようになりました。涼子は海辺でいつも踊っていました。現実の世界より、涼子との世界を優先する博史に対し、郁美が怒り、暴れ出しました。そして博史はもう一つの世界にいる涼子の話を三郎に報告し始めました。三郎はその話を聞き喜びました。やがて涼子の母も後を追うように死んでしまいました。
ヴィタールの結末
隆生は涼子の解剖を止めろと博史に言いますが無駄でした。そして隆生は柏淵教授に会い、涼子の死体を処分してくれと頼みました。交通事故で死んだ涼子は、事故後かすかな意識で父の三郎に、自分の遺体を検体に回してくれと頼みました。それも医大の検体でした。この話を聞いた隆生は仲のいい柏淵に解剖に使ってくれと頼みました。そして遺体を生徒に割り当てたのが柏淵でした。結局遺体は処分できず、解剖が続きました。
やがて、向こうの世界にずっといると涼子に言った博史でしたが、涼子はいなくなりました。これ以来博史は向こうの世界に行けなくなりました。やがて解剖実習は終わり、遺体は棺に納められ火葬されました。そして博史はこのまま医学の勉強を続けると言って大学に残りました。
以上、映画「ヴィタール」のあらすじと結末でした。
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