あいつの声の紹介:2007年韓国映画。国民的人気キャスターのハン・ギョンベの息子サンウが誘拐されます。犯人は1億ウォンの身代金を要求し、金を用意したギョンベは刑事を車のトランクに隠れさせ、犯人との接触を図りますが、周到な犯人にことごとく見透かされ交渉は行き詰まりました…という実際に1991年に起きた、会社経営者の息子のイ・ヒョンホ少年誘拐事件を題材にしています。作品のエンディングでは、実際の脅迫電話と犯人の似顔絵を流し、イ・ヒョンホ君への追悼も映し出されます。
監督:パク・チョンピョ 出演者:ソル・ギョング(ハン・ギョンベ )、キム・ナムジュ(オ・ジソン)、カン・ドンウォン(犯人)、イ・ヒョンチョル(サンウ)、キム・ヨンチョル(キム刑事)ほか
映画「あいつの声」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「あいつの声」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
あいつの声の予告編 動画
映画「あいつの声」解説
この解説記事には映画「あいつの声」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
あいつの声のネタバレあらすじ:起
DBCニュースの人気キャスターであるハン・ギョンベは、今日も絶好調でした。盧泰愚(ノ・テウ)大統領を、「犯罪が増えている中、初めて大統領らしい姿を見た」などと本音でズバッと解説し、番組を終えました。
ギョンベは高級マンションで妻のジソンと、一人息子で9歳のサンウと暮らしています。肥満気味のサンウをダイエットさせようと、ジソンはダイエットメニューを作って実行させています。そんなサンウは、駐車場の倉庫に秘密基地を作ってお菓子を隠れて食べていました。サンウにはめっぽう甘いギョンベは「食べたいものは何でも食べろ」と甘やかしています。
ある日、夜になってもサンウが帰って来ません。心配するジソンに対し、ギョンベは「安心しろ、帰ってくる」と言っていました。時計が深夜12時を回った時、電話が鳴ります。電話に出たギョンベは「サンウを誘拐した、明日までに1億ウォン用意しろ、警察に通報したら息子を殺す。そして電話は3回以内に出ろ」と言われました。
ギョンベはジソンに「俺にまかせろ、警察には言うな」と言って、翌朝、局に向かい代理キャスターを頼み、銀行に融資を申し込みます。自動車電話にかかってくる犯人の指示通り動きました。周到な犯人は、自宅のジソンにも電話を入れていました。車のドアを全部開けて乗り捨てて待っているものの、犯人は現れませんでした。
しばらくして犯人から「奥さんが電話に出なかったから場所を代える」と言います。犯人はジソンに電話をかけ、指定場所をジソンからギョンベに伝えさせます。指示された店に着くと、その前には不審人物がいました。犯人と思ったギョンベが掴みかかると、それはキム刑事でした。
あいつの声のネタバレあらすじ:承
ジソンが警察に通報したことで、犯人は「あなたを監視しています」という言葉を最後に、状況は進展しなくなります。
刑事たちが自宅にやって来ます。捜査の説明をすすめながら、刑事たちはギョンベにサインをしてもらいます。国民的人気キャスターの息子が誘拐されたとあって、警察は必死でした。そこでキム刑事をギョンベの車のトランクに隠れさせ、犯人と接触する作戦に出ます。
4日経過後、犯人は「警察に通報したから息子を殺す」と脅すと、ギョンベは「金は構えている」と言って、犯人にすがります。駐車場の車の中で待機するギョンベでしたが、キムは空腹をうったえ、しきりに外に出て中華料理などを食べていました。
数度のやり取りの後、犯人は「夫婦で南山に向かえ、車を乗り捨てたら頂上に向かえ、頂上で息子に会える」と言います。そして指示通り、車のドアを開けて、ケーブルカーに乗って山を登っていると、犯人が車に乗り込み走り去りました。ジソンは犯人を見て「止めて!」と訴えますが、ギョンベは「トランクには刑事がいる、山頂でサンウに会える」となだめます。しかし、山頂にはサンウは居ませんでした。
そしてトランクに隠れていたキム刑事は、田舎の公園にガスで眠らされ全裸で放置されていました。警察はギョンベの元親友のジェジュンを取り調べています。ジェジュンはエリートでしたが、収賄をニュースでギョンベに暴露され刑務所に行っていました。刑事は「借金が3億ウォンあるな」と言って、アリバイを聞きますが、ジェジュンは旅行に行っていたと言って印の押された旅券を見せます。
14日が経過した時、ギョンベは犯人からの電話に「サンウの声を聴かせてくれ」と頼みます。犯人はサンウの声を聞かせます。サンウは「パパ助けて!」と叫んでいました。
あいつの声のネタバレあらすじ:転
ジソンに犯人から手紙が来ます。「ギョンベは信用できないから、奥さんが赤い服を着て出て来てくれ」という内容でした。犯人は手紙に、指定場所にメモがあると残していました。赤いコートを着て指示通り動いたジソンでしたが、最後のメモは「あなたを監視している」と、結局犯人に振り回されただけでした。警察は容疑者を集め、筆跡や声紋鑑定を行っています。
23日経過後、最終的に絞ったのがジェジョンとその息子のインソクでした。ギョンベも入って来て「サンウを返してくれ」とジェジュンに頼んでいた時、他の刑事が「今、犯人から1億円の身代金の要求が入りました」と言います。サンウの10歳の誕生日を二人で祝います。
一方、科学捜査研究所のイが犯人からの脅迫電話を調べていました。その結果、サンウの「パパ助けて」の言葉は録音されたものだと判明します。報告を受けたギョンベは、サンウは生きていないと感じました。その後の犯人からの電話にギョンベは強気の対応をし、犯人の要求をのまず、自分のペースにしようとします。
その様子を見たジソンは「サンウは生きている!早く連れて帰ってきて!」と狂ったように叫びます。再び犯人からの電話を受けたギョンベは、「サンウの声を聴かせてくれ」と頼むと、受話器から聞こえた声は以前と同じ「パパ助けて」でした。ギョンベは犯人に対し自分の要求を言い始めます。
すると犯人は「今日で終わりにしよう」と言うと、ギョンベは「金は用意する、応じてくれ」と頼みます。犯人は「明日ロッテワールドのメリーゴーランドの前のボックスの上に金を置け、それで終わりにしよう」と言いました。
あいつの声の結末
ギョンベはロッテワールドに着くと、人波をかき分けてメリーゴーランドに向かいます。そしてボックスの上に金の入ったバッグを置きます。少しして帽子をかぶった犯人がバッグを取り、立ち去ります。犯人を追うギョンベは、メリーゴーランドに乗るサンウを見つけます。メリーゴーランドの台に飛び乗ると、ギョンベは倒れます。サンウに見えたのは幻覚でした。
事件発生から44日、土手でサンウの死体が発見されました。両手両足を縛られ、口をふさがれた状態でした。検死の結果、誘拐後1日目に殺されていました。
生きる気力の無くなった二人でしたが、ギョンベはジソンに『子供を作ろう』と言って抱きしめます。ジソンは呆れた顔をして「サンウじゃないとダメ」と言います。科学捜査本部は解体され、キム刑事は証拠品である犯人からの脅迫電話の録音テープを手にしていました。
ギョンベに会ったキム刑事は、ギョンベを励ました後、「これを使ってください」と言って録音テープを渡します。ギョンベがDBCニュースに帰って来ました。最初のニュースは、サンウ少年の誘拐殺人事件でした。女性キャスターのハが、この事件の始まりから終わりまでを解説し、サンウの葬儀風景などが流されます。
自宅では泣きながらジソンがテレビを見ていました。そしてギョンベに映像が移ると、ギョンベは涙をこらえ、事件の解説を始めます。話が進むと涙が止まらなくなりなりました。それでもプロデューサーは「カメラを振るな、撮りつづけろ」と指示します。
そしてギョンベは「テレビを御覧の皆さま、この声を聞いてください。サンウは殺されたけれど、犯人は近くで生き続けています。私は犯人をどこまでも追い続けます」と言って、犯人の脅迫電話の肉声が流れます。このテープは実際の事件のテープですというテロップが流れ、本物の犯人の似顔絵が映し出されました。
以上、映画「あいつの声」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する