若さま侍捕物帖 呪いの人形師の紹介:1951年日本映画。江戸南町奉行の嫡男でありながら侍の暮らしを捨てて船宿・喜仙の二階座敷に寝転んで酒を呑んで暮らす「若さま」が活躍する連作の一本。等身大の人形たちと暮らす元南町奉行に大泥棒の呪いがふりかかる。若さまが名推理で事件に挑む。
監督:中川信夫 出演者:黒川弥太郎(「若さま」堀田左馬介)、田崎潤(佐々島俊蔵)、鳥羽陽之助(遠州屋小吉)、江川宇礼雄(前田丹波守)、香川京子(おいと)ほか
映画「若さま侍捕物帖 呪いの人形師」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「若さま侍捕物帖 呪いの人形師」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「若さま侍捕物帖 呪いの人形師」解説
この解説記事には映画「若さま侍捕物帖 呪いの人形師」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
若さま侍捕物帖 呪いの人形師のネタバレあらすじ:起・まぼろしの呪い
若さまと喜仙の女主人の娘おいとは夜歩きをしていて「人形の呪い。今に人形が歩き出すぞ…」と話す妙な男に出会い、彼を奉行所の番所に連れて行く。男は人形師長次で、かつての南町奉行前田丹波守の屋敷に住んでいる。与力の佐々島が長次を丹波守の屋敷に送り届けると、屋敷に忍び込んでいた一人の曲者が屋敷から出るところだったが、佐々島は取り逃がす。曲者は15年前につかまった大泥棒まぼろし新三そっくりだったと丹波守は言う。丹波守は趣味で等身大の人形を集めて土蔵に集めている。その中のまぼろし新三の人形を作ったのは長次で、作った直後に発狂していた。長次とその娘つやを丹波守が引き取ったが、つやは父の発狂の責任はまぼろし新三とその妻を処刑させた丹波守にあると考えて屋敷を去っていた。丹波守自身も、泥棒しかしていないまぼろし新三夫婦を厳罰主義で処刑してしまったことを後悔していた。そしてその夜、丹波守、まぼろし新三を逮捕した、当時の南町奉行所与力で今は丹波守用人の木村甚内と奉行所御用聞越後屋弥助の三人の殺害を予告する文が番所や丹波守の屋敷にもたらされる。
若さま侍捕物帖 呪いの人形師のネタバレあらすじ:承・相次ぐ殺人事件
まず弥助が刺殺され、凶器ののみは丹波守のコレクションの人形の手に握られて発見される。若さまは事件の探索を開始する。丹波守の屋敷では娘の楓に話を聞く。楓は養女だった。さらに、御用聞の遠州屋小吉を連れて向島で湯女をしている長次の娘つやに会いに行く。弥助に続いて木村甚内が丹波守との碁の最中に毒殺される。毒薬の包みはまぼろしの妻の人形の前におちていた。
若さま侍捕物帖 呪いの人形師のネタバレあらすじ:転・楓の兄の行方
奉行所の若い同心、原勝馬のアイデアで、丹波守を奉行所に移し勝馬が丹波守の身代わりになって敵を迎えることにする。一方、丹波守は楓に、本当の父親がまぼろし新三であること、一連の事件の犯人は行方不明の楓の兄に違いないことを告げる。丹波守は全財産を楓に継がせるつもりだった。 若さまは再びつやを訪れる。丹波守が憎いあまりに、まぼろし新三の息子に頼まれてまぼろし新三の姿で屋敷に現れたことをつやは白状する。そしてつやは楓に本当の父親を教えて弥助を殺したのみを人形の手にもたせるように指示したのだった。
若さま侍捕物帖 呪いの人形師の結末:「まぼろしの呪い」の正体
奉行所の手の者が屋敷を取り囲んでいたにもかかわらず勝馬は殺害される。ところが亡骸は犯人とともに消えてしまった。天井裏に猫の死骸が残されただけだった。しかし、若さまに既に犯人の見当がついていた。若さまはおつやを丹波守の屋敷に呼ぶ。長次が「まぼろしの呪い」と呼ぶ新作人形がまぼろし新三の息子にそっくりであることが確認された。屋敷の土蔵のまぼろし新三の人形が歩き出す。人形は丹波守の寝所に忍び込み、布団の上から刀を突き刺す。若さまは丹波守の代わりに長次の作った人形を入れたはずだったが、なんと布団の中にいたのは楓だった。妹を刺してしまった犯人は死んだはずの原勝馬だった。後味の悪い事件のせいで若さまは喜仙でつやの膝枕の上で酔いつぶれる。しかし、間違ってつやでなく、おいとに歌ってくれと頼む若さま。花見に行く約束を今年の春はすっぽかされてしまったおいとだが、襖の向こうでそれを聞いて若さまを許すことにしたようだった。
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