ウエスト・サイド物語の紹介:1961年アメリカ映画。人種差別や貧困が蔓延る1950年代後半のニューヨークの町、ウェスト・サイド。ここで巻き起こる不良少年グループの縄張り争いを軸に「愛」や「死」という人間の普遍なテーマを描いた傑作。有名な戯曲「ロミオとジュリエット」を元にした同名ミュージカルを映画化した本作品は、公開されるや否や、瞬く間に世界中でヒットを記録した。
監督:ロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンズ 出演者:ナタリー・ウッド(マリア)、リチャード・ベイマー(トニー)、ジョージ・チャキリス(ベルナルド)、リタ・モレノ(アニタ)、ラス・タンブリン(リフ) ほか
映画「ウエスト・サイド物語」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ウエスト・サイド物語」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ウエスト・サイド物語の予告編 動画
映画「ウエスト・サイド物語」解説
この解説記事には映画「ウエスト・サイド物語」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ウエスト・サイド物語のネタバレあらすじ:起
欧州系アメリカ人の非行グループ「ジェット団」は、新参者のプエルトリコ系アメリカ人のグループ「シャーク団」と、元唯一の広場を巡って争っていました。ある日、体育館のダンスホールに両団が集まります。しかしここは中立地帯のため、この場所で争いを起こすことは禁じられています。そこへ、プエルトリコからやって来て間もないマリアが現れます。生まれて初めてのダンス・パーティーに心躍らせるマリア。彼女はシャーク団のリーダーであるベルナルドの妹でした。元ジェット団のトニーは白いドレスを着たマリアを見て一瞬で恋に落ちます。マリアも、誠実な性格のトニーに惹かれますが、兄のベルナルドに今日はもう帰るように言われ、仕方なくその場を立ち去ります。その夜、マリアのことが頭から離れないトニーは、彼女の名前を呼びながらマリアを探します。出会った二人はお互いの愛を確かめ合います。
ウエスト・サイド物語のネタバレあらすじ:承
翌日、トニーはジェット団とシャーク団が決闘すると聞き、やめさせるためにハイウェイへ向かいます。しかし、着いた頃にはすでに決闘が始まっており、ベルナルドとジェット団のリーダーであるリフがナイフを持って争っていました。トニーは、このままでは親友のリフと愛するマリアの兄が傷ついてしまうと、二人の間に入って何とか止めようとします。親友の登場に驚くリフが一瞬の隙を見せたその瞬間、勢い余ってベルナルドがリフを刺し殺してしまいます。目の前で親友の死を目の当たりにしたトニーは逆上し、ベルナルドを殺します。
ウエスト・サイド物語のネタバレあらすじ:転
後に、事の顛末を知ったマリアは自室にこもり、処女マリア像に祈りを捧げていました。そこへトニーが現れます。「人殺し!人殺し!」とトニーを責めるマリアに、トニーは自分のしたことを深く反省し、警察へ自首することにします。しかし、それを聞いたマリアはどこか遠くに逃げて、二人で暮らそうと提案し、二人は改めてお互いの愛を誓いあいます。その後、トニーはジェット団の仲間の元へ匿われますが、そこへベルナルドの恋人であるアニタが現れます。アニタはマリアからトニーへのことづけを頼まれ、危険を承知でトニーを訪ねたのです。しかし、そうとは知らないジェット団の面々から辱めを受けてしまったアニタは「マリアは死んだ!」とトニーに噓の情報を伝えます。トニーは最愛の人を失ったと思い込み、自暴自棄になります。
ウエスト・サイド物語の結末
「僕もマリアのように殺してくれ!」と叫びまわるトニーの元へ、マリアが現れます。マリアの元へ駆け寄るトニーでしたが、そこで一発の銃声が轟き、トニーは倒れてしまいます。マリアの腕の中で息を引き取ったトニーを見て、悲しみに打ちひしがれたマリアはそこに現れた両団の面々や大人たちに銃口を向けます。「トニーを殺したのはあなたたちだ!」と怒りに震えるマリアでしたが、遂に銃の引き金を引くことは出来ませんでした。ジェット団のメンバーがトニーの遺体を運び、その後を静かに追うマリア。シャーク団も悲しみに暮れてその場を立ち去り、現場には何も出来ない大人たちが立ち尽くしていました。
以上、映画「ウエスト・サイド物語」のあらすじと結末でした。
「ウエスト・サイド物語」感想・レビュー
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白人とプエルトリコ人の抗争のお話。「ロミオとジュリエット」を基調に描いています。普段の何気ない動きやしゃべりをダンスや歌に自然に取り入れているのが特徴です。ダンスパーティシーンでのサンバ!は思わず踊りたくなる一曲。ミュージカル映画としてだけではなく、喧嘩シーンが多いので、アクション映画としても楽しめます。男性にもおすすめのミュージカルえいがです。
この映画を見たときは、衝撃でした。ニューヨークの下町でのギャング団の無意味な争いから生じる悲劇の物語。シェークスピアの「ロミオとジュリエット」が下敷きになっていますが、それを凌駕していると思いました。斬新なダンスと音楽に圧倒されました。人種偏見や、若者の行き場のない虚無感なども描かれていて、社会性も十分の映画です。ただ、この作品を見るときは、できるだき本来の大画面でみることをオススメします。衝撃が全く違いますので。