夜霧よ今夜も有難うの紹介:1967年日本映画。結婚式を挙げるはずの教会に来ないまま行方の分からなくなった秋子が、相良の目の前に外国人の男と一緒に現れたのは4年後でした。4年間の事を何も話さない秋子に冷たくあたる相良でしたが、夫で政治活動家のクエンが命を狙われていると知り、秋子の為に外国へ逃がす手配をし始めましたという内容の、石原裕次郎と浅丘ルリ子主演の作品です。アメリカ映画の『カサブランカ』を翻訳して作られた映画で、同名タイトルの石原裕次郎の曲「夜霧よ今夜もありがとう」も大ヒットしました。
監督:江崎実生 出演者:石原裕次郎(相良徹)、浅丘ルリ子(北沢秋子)、二谷英明(クエン)、高品格(仙吉)、郷えい治(ビル)、梶芽衣子(ヒロミ)、佐野浅夫(宮武刑事)、鈴木瑞穂(チャン)、内田稔(鬼頭)ほか
映画「夜霧よ今夜も有難う」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「夜霧よ今夜も有難う」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
夜霧よ今夜も有難うの予告編 動画
映画「夜霧よ今夜も有難う」解説
この解説記事には映画「夜霧よ今夜も有難う」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
夜霧よ今夜も有難うのネタバレあらすじ:起
外国航路船に乗る相良徹(石原裕次郎)は神戸に寄港すると、恋人の秋子(浅丘ルリ子)に電話して、教会で待ち合わせました。秋子にプロポーズし、結婚式を挙げようと言うのです。喜んだ秋子は急いで着替え、タクシーに乗り込みました。そして「花屋さんに寄っていく」とタクシーを降りて走り出した時、車に撥ねられてしまいました。指輪を用意して教会で待つ相良は、来ない秋子を待ち続け、航海の合間にも探し続けました。
そして4年後、相良はクラブ スカーレットでマスターをやっていました。この店には外国航路船で一緒だった調理師の仙吉(高品格)もいました。地元暴力団の港南会が頻繁にやってきて、いわれのない会費を徴収しようとしますが、いつも相良が追い払っていました。
その相良は仙吉と組んで、海外への逃がし屋を裏でやっていました。この日も港南会から抜け出したいヤクザと妻がやってきました。金のない妻は、代わりに体を相良に差し出しますが相良は断りました。
ある夜、スカーレットにクエン(二谷英明)と秋子がやって来ました。ピアノの弾き語りをしていた相良が呼ばれると、秋子の顔を見て愕然としました。クエンは東南アジアの政治活動家で秋子を妻だと紹介しました。
夜霧よ今夜も有難うのネタバレあらすじ:承
クエンはシンガポール経由で自国へ帰りたいと相良に頼みますが、相良は断りました。一旦ホテルに帰った二人でしたが、閉店になると秋子が一人で会いに来ました。気を紛らすため、ウイスキーを浴びるように飲む相良は、秋子に空白の4年間の事を聞きました。
秋子は4年間の事をしゃべらず、クエンが自国のクーデターに必要とされる重要人物だということを教えました。すると相良は秋子の父が死んだことを話しました。知らなかった秋子は動揺しました。そして相良は秋子をホテルに帰しました。
そのころ、港南会の事務所に鬼頭(内田稔)という男がやって来て、クエンが潜伏しているので探し出してくれと、大金を見せて頼んでいました。そして危険思想を持つクエンを、国に帰る前にここで始末するとも話しました。港南会は依頼を受け、自分たちが支配する荷役人たちに写真を渡しました。
そのころ相良は、偶然見つかった外国船にヤクザと妻を乗せる手配をしていましたが、港南会の組員に見られ、二人は拉致されました。一方、秋子は、クエンに自分と相良の関係を話しました。すると相良は今回は諦めると言いました。しかし親友のチャン(鈴木瑞穂)がやって来て、祖国が大変なことになっていると聞かされると、秋子は単身、相良に会いに行きました。
夜霧よ今夜も有難うのネタバレあらすじ:転
スカーレットに行くと、仙吉しかいませんでした。仙吉は4年間秋子を探しまわっていた相良の話をしました。その後、相良が出勤してきますが、相良は秋子を閉店まで無視しました。
港南会に呼ばれた相良は、事務所でクエンを差し出せと言われますが、知らないと言いました。しかし自分が手配した夫婦の夫が殺され、妻が拉致されているのを見ました。怒った相良は組員達に暴力を振るい暴れますが、最後は取り押さえられ、手の甲をナイフで刺されました。
相良はクエンと秋子を守るため、ホテルに行きました。そしてチャンも加わり4人で逃げました。すぐに港南会が追ってきて銃撃戦になり、チャンは殺されました。3人で教会に隠れた時、クエンから空白の4年間の話を聞きました。
4年前、秋子を撥ねたクエンは、病院に行くと身元がバレる為、自分たちで手当てをして秋子は回復しました。しかし事故により秋子は妊娠できない体になっていました。秋子は相良と結婚したら、子供を男の子と女の子の5人作ろうと話していましたが、それが無理になった為、相良を諦めたと言いました。やがてクエンが秋子を愛し始め、二人はクエンの祖国で結婚しました。相良は警察に通報し、警官たちでごった返す中、二人をスカーレットの2階へ匿いました。
夜霧よ今夜も有難うの結末
秋子は閉店後のスカーレットで相良と話しました。そして二人はキスをして昔を思い出しました。部屋に3人が集まると、クエンが相良に「私は一人で帰るから秋子のことを頼む」と言いました。しかし相良は返事しませんでした。
シンガポール行きの船を探していた時、偶然病人が出た船が港に立ち寄ることを知りました。相良はコネを通じて乗り込めるよう手配し、二人とビル(郷えい治)を連れ、港へ向かいました。しかし港周辺は港南会が見張っていました。これに気づいた仙吉が、組員たちの注意を自分に向ける為、派手に暴れました。これに乗じてモーターボートの近くまで来たものの、仙吉は鬼頭に殺されました。そして港南会の会長と鬼頭らが待ち伏せする中、相良とクエンは協力して、会長と鬼頭を射殺しました。
ビルの運転するモーターボートに、クエンと秋子を乗せた相良は、何も言いませんでした。秋子を行かせたくない相良、相良に呼んでもらいたい秋子、秋子を返してもいいクエン、それぞれの思いは言葉に出ず、モーターボートは外国船に向かって走り出しました。遠く離れたモーターボートを見つめながら相良は、4年前に渡すはずだった指輪を海に落としました。
以上、映画「夜霧よ今夜も有難う」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する