ヤングガンの紹介:1988年アメリカ映画。実在したアウトロー、ビリー・ザ・キッドの伝説の一つであるリンカーン郡戦争を描いた西部劇。対立する牧場主に恩人を殺されたビリーは、その仇を討つ為に仲間達と戦う。出演者に若き日のキーファ・サザーランド、そしてビリー役のエミリオ・エステベスとディック役のチャーリー・シーンの兄弟共演が行われている。
監督:クリストファー・ケイン 出演者:エミリオ・エステベス(ビリー)、チャーリー・シーン(ディック)、キーファ・サザーランド(ドク)、ルー・ダイヤモンド・フィリップス(チャベス)、ケイシー・シーマツコ(チャーリー)、ダーモット・マローニー(スティーブ)、テレンス・スタンプ(ダンストール)、ジャック・パランス(マーフィ)、テリー・オクィン(アレックス・マクスウィーン)、ほか
映画「ヤングガン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヤングガン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ヤングガンの予告編 動画
映画「ヤングガン」解説
この解説記事には映画「ヤングガン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヤングガンのネタバレあらすじ:起
リンカーン郡の牧場主ダンストールは、若い牧頭の一人スカーロックことドクを連れて町へ買い出しに来て居ました。用事も済ませ、一杯引っ掛けようとすると銃声が聞こえて来て若者が逃げて行きます。町の有力者マーフィと揉めたらしいその彼をダンストールは助け、牧場に連れ帰って行きました。
牧場には、若者ビリーと同年代の若者が雇われて居ました。一癖も二癖もある彼等は警備団でもありましたが、ダンストールは道に迷った若者を拾っては教養を授け、育てているようでした。
ある日牧場に不穏な集団が訪れます。それは保安官に連れられて来たマーフィとその配下の者達でした。保安官は、荷馬車が襲われたとマーフィから訴えがあったと言ってきます。その言い掛かりに警備団の面々は殺気立ちます。町の裏と表を全て牛耳っているマーフィは牧場を狙って嫌がらせを繰り返していましたが、気骨あるダンストールはそれら全てを跳ね除けていました。
暫く経ち、ダンストールの屋敷にマクロスキーという男がやって来ます。彼はマーフィの手下でしたが彼を侮辱したとかでクビになり、職を求め牧場にやって来ました。
新しい仲間も入り牧場での月日は流れ、大晦日がやって来ます。
ダンストールは、弁護士のアレックスとマーフィの対策を協議しますが、マーフィは既に知事すら味方に付けていました。ダンストールは牧場とそこに集う若者達の為に誇らしく戦い抜く決意を固めます。
祭りの賑わいの中、ドクはマーフィが不当な手段で囲っている中国人女性イェンと出会い、一目惚れします。またビリーは、保安官として名高いパット・ギャレットと出会い、彼を目標とします。マーフィの手下が難癖をつけて来たりもしましたが、祭りは何事も無く終わりました。
翌朝、彼等は揃って牧場に帰ります。まだ浮かれている警備団の面々は、野鳥を見掛け、こぞって狩りに向かいました。そして一人になったダンストールの背後に、武装した男達が姿を現します。それはマーフィの手下で彼等は一斉に銃を抜き、ダンストールを蜂の巣にしました。
ダンストールの葬儀が行われます。アレックスは犯人達に何の裁きもない事を判事に訴えます。判事は保安官もマーフィに抱き込まれていると諦念を口にします。ならば臨時に保安官を任命しろとアレックスは訴えますが、なり手が居ないと判事は反論します。その判事に警備団の面々が鋭い眼差しで無言の内に訴えます。
判事は警備団を臨時保安官に任命し、彼等は亡き恩人の為に立ち上がりました。
ヤングガンのネタバレあらすじ:承
ディックをリーダーとして警備団はダンストール殺害犯達を追い始めます。
ディックは保安官らしく犯人達に法の裁きを与える為逮捕しようとしますが、ビリーは恩人の仇を討つ為片っ端から彼等を射殺して回りました。
新聞はリーダーをビリーとし、彼にザ・キッドという二つ名を付け一連の騒動を書き立てます。町はマーフィの手下が警備団を始末しようと徘徊を続ける不穏な空気が漂い始めました。その中でもディックは保安官としての職務を遂行しようと、逮捕の努力します。しかしそれをビリーがぶち壊し、マクロスキーが怪しい行動を取ったと処刑し、マーフィ一味を殺しまくり、いつしか彼等は逆に追われる立場になってしまいました。それでも新聞は、ビリーを50フィート先を狙える左利きの名手、早抜きの達人等と誇張して煽りたてます。
彼等は逃亡を続けましたが、単身追って来た凄腕の賞金稼ぎロバーツに襲われます。彼等は激しい銃撃戦を行い、その最中にディックが死亡しました。
ディックを失い、ビリーが警備団のリーダーに収まります。
ドクがディックが死んだ事を彼の母親に伝えると別行動を取ると、警備団の一人チャベスは西へ向かおうと言い出します。
ビリーは仇の居る方向とは逆だと彼をなじります。チャベスは自分の部族を皆殺しにした騎兵隊を手引きをしたマーフィに、真に立ち向かう方法をくれた恩人はダンストールだと激昂しますが、部族の最後の生き残りとして死ぬ訳には行かないと団から離れようとします。
残ったチャーリーとスティーブも心が揺らぎ始めますが、ビリーはチャベスに自分の部族は心を許し合った仲間だ、お前はそれを捨てようとしていると引き止めます。
密かにリンカーンに戻ったドクは、イェンにニューヨークに逃げようと連れ出そうとします。会う度にその思いを告げれたドクにイェンは心惹かれ始めましたが、マーフィの呪縛からは逃れられず、ドクは仕方が無く団に戻ります。
ドクが戻り、ビリーは次の標的を保安官に定め、見事に仕留めました。
ヤングガンのネタバレあらすじ:転
アレックスは警備団と密会します。保安官を殺した事で判事は警備団の身分を剥奪しました。政府も敵になったと咎めるアレックスにビリーは、騒動が大きくなればマーフィとそれを取り巻く権力者達の悪行も明るみに出る、そうすれば大統領も動き出すと反論します。アレックスはそれには同調せず、自分は合法的に正面から大統領に訴えると言います。ビリーは保安官バッチを投げ捨て去って行きます。警備団の面々もビリーに習い、同じようにバッチを投げ捨てて行きました。
逃亡する警備団を、元軍人ジョン・キニーに率いられたマーフィ一味は警備団を追います。
逃走の経路が無軌道だと感じたドクは、リンカーンに近付いているとビリーに忠告します。それに対しビリーはリンカーンに戻ると宣言、復讐を果たしマーフィとの戦争に勝つと言い始めました。
多勢に無勢とチャベスは抜けると言い出します。そんな彼にビリーは、男は常にギリギリの緊張の中で自分を磨かなければならないと説教してますが、ドクはそんな狂気じみた言葉は飽き飽きだとメキシコに逃げると言い出しました。
それを聞いたビリーはそれこそ試練だと言い、ジョン・キニーが既にそのルートを見張っていると笑います。そしてそれに付き合おうと警備団はメキシコへ向かいました。
警備団はメキシコに近い村に逗留します。彼等は終わりを感じ始めたかのようで、チャベスは仲違いしていたスティーブと和解し、そしてチャーリーは突然村の娘と結婚しました。
その結婚を祝う宴の夜、ギャレットがルイジアナに戻る途中に寄ったと突然現れます。そして彼は、マーフィがアレックス夫婦を襲うと告げます。ビリーはわざと背中を見せてギャレットが味方かどうかを試します。彼は銃を抜かず去って行きました。
ビリーは警備団を召集、リンカーンに戻って行きました。
ヤングガンの結末
リンカーンの町は、嵐の前のように静まり返っていました。
警備団はアレックスを逃がそうと家に飛び込みます。それを見計らったかのようにジョン・キニーを含むマーフィ一味が家を取り囲みました。
マーフィ一味は一応降伏を勧告しますが、ビリーが挑発すると一斉に発砲し威嚇します。ビリー達警備団は、家を揺るがすような銃弾の雨に対し抵抗を繰り返し、立て篭もりを続けます。
一夜を明かし翌朝、包囲するマーフィ達に騎兵隊という援軍が到着します。ドクなどが万事休すと青褪める中、ビリーは楽しそうに笑い声を上げます。
マーフィは騎兵隊にもビリー一味の皆殺しを命じます。その時彼と同じ馬車に乗っていたイェンが突然走り出し始めました。彼女はアレックスの家に駆け込み、ドクはその再会に喜びます。怒り狂ったマーフィは、家に火を掛けろと命じました。
騎兵隊も加わり家に一斉射撃の銃弾が浴びせられ、チャーリーは残してきた新妻を思い泣き出します。ビリーは生き残る為に銃を撃てと叱咤します。そして彼等の馬が追いやられ、騎兵隊は家に火を点けました。
騎兵隊は何度目かになる投降を促します。ビリーは状況を楽しむように大統領を呼んで来いと威嚇します。投降の意志なしと騎兵隊はまた銃撃を浴びせてきます。チャーリーは恐怖を吹っ切るように叫び、ビリーの狂気が伝染したかのように銃を撃ち返します。その最中、チャベスがこっそりと姿を消していました。
火勢が増し、アレックスは妻を投降させます。ビリー達は可燃物を外に放り投げ延焼を防ぎます。その時スティーブはチャベスの逃亡に気付き、怒りを顕わにしました。
いよいよ火が家を覆い始め、チェストが外に投げられます。そして警備団は最後の博打のように一斉に外に飛び出しました。
包囲するガンマン達はそれを狙います。ですがその時、チェストからビリーが飛び出し両手の拳銃で機先を奪いました。それに続き、警備団が銃を乱射しながら家から脱出して行きます。そこにチャベスが馬を連れて戻って来ました。
ビリー達は被弾しつつも馬に駆け寄り、飛び乗ります。しかしチャーリーはジョン・キニーと撃ち合いになりその死力を尽くし相打ちに、スティーブは一度落馬したチャベスを助けますが自らは無数の銃弾に倒れ、そしてアレックスは丸腰にも関わらず、騎兵隊のガトリング銃で無残な最期を遂げました。ですがチャベス、ドクとイェン、そしてビリーは脱出に成功、馬で包囲を抜け出しました。
マーフィはそれに怒り狂い追撃を始めようとします。その時、遠くに戻って来たビリーの姿が目に映ります。馬上のビリーは拳銃を構え、その噂に違わぬ腕前でマーフィの額を撃ち抜きました。
ダンストールの農場はアレックスの妻が継ぎ、警備団は方々へ散って行きました。ニューメキシコを離れなかったビリーは、背中からギャレットに撃たれ死んだと噂が流れます。彼の墓標が建てられましたが、その墓石には何者かが後から付け加えた言葉が刻まれて居ました。その言葉は仲間、ただ一言でした。
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