ユキとニナの紹介:2009年フランス,日本映画。両親の離婚問題で、日本へ帰らなくてはいけなくなってしまったユキはオマセな友達ニナ、家出を決行。踏み入った森がユキを導いたのはどこへ?
監督 :諏訪敦彦、イポリット・ジラルド 出演:ノエ・サンピ(ユキ)、アリエル・ムーテル(ニナ)、ツユ(ジュン(ユキの母))、イポリット・ジラルド(フレデリック(ユキの父))、マリリン・カント(カミーユ(ニナの母))、森康子(老女)ほか
映画「ユキとニナ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ユキとニナ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ユキとニナ」解説
この解説記事には映画「ユキとニナ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ユキとニナのネタバレあらすじ:日本に帰るかも知れないユキ
同じアパルトマンに住むユキとニナ。学校から帰ってくるとニナの家で二人はおやつのを食べながら夏休みの計画をしていた。ニナはユキと一緒にバカンスに出かけたかった。ニナの母は、ユキのお母さんに聞いてみないと言う。ユキを迎えにきた母親に聞くと、離婚するにあたってユキを日本に帰るつもりらしい。しかしユキは見も知らぬ日本に住みたくない。帰宅したユキと母親はさっきニナの家出で話したと父親に告げた。知らない国に行くのは怖いだろうと父は言った。ニナの家で、ニナ、ユキ、ニナの母で離婚について話し、愛はいつか終わるけれど子供への愛情は変わらないと既に夫と別れているニナの母親は彼女たちを諭そうとしたが、ニナは逆にユキの両親が別れないようにしようとアイデアを出した。二人は、妖精に手紙と称して、ユキの両親にどうして離婚をするのかと質問をする手紙を書き二人でポストに投函した。引越しの準備をするユキの母親は、荷物が運ばれていないと、自宅にいる父親と何かと喧嘩になり、ユキは一人食卓に残された。
ユキとニナのネタバレあらすじ:ユキの願いは届くのか
ユキたちが書いた手紙が、両親の元に届く。その質問を読み、答えながら、母親は嗚咽し、ごめんを繰り返しながらも、ユキに一緒に日本へ来て欲しいと頼んだ。飛行機のチケットが届き、日本で暮らす準備を先に帰国した母親がしって二週間後にユキを迎えに来ると言うと、ユキは、日本へ行かないと言いだした。家出するかと思っていたのにとニナははユキに話した。そして、ユキが誘拐されたと脅迫電話をかけるなど、どうやったら離婚を止められるか考えていた。しかしそんなアイデアを出さないユキに、ニナは怒り、「日本へ行けばいい。日本の友達と遊べばいい」と言って喧嘩別れをしてしまった。
ユキの父は母を、日本に帰りたいんだろ?ここから逃げだしたいだけだろ?と詰った。
母の帰国中、喧嘩中のニナと遊べず、ただ一人遊びをしていた。夜中に音楽に目を覚ますと、居間で一人踊っている父がいた。父はユキに手紙にあった質問に答える。ユキは子供だから導く大人(母親)が必要。でも、自分は大人だから、もう必要ない。母親と離婚する事に関して、ユキは何も悪くないと語った。
ユキとニナのネタバレあらすじ:ニナとユキは二人で森の中へ
喧嘩中のニナが中庭からユキを呼んだ。母親と喧嘩したから家出するというニナは郊外にある父親のの家に行くと言い。ユキも一緒に着いて行くことに。ニナの家で遊びますと嘘のメモを残した。リヨン駅から郊外の駅へ着くも、さっそくパリに戻りたいと零すユキに、ニナは電車がないから無理と一蹴。父親の不在中の家へ上がり、二人でテントを建てて話していると、隣の人がやって来て、ニナの父親に人が入った形跡があることを伝えないとと言って出て行った。隠れた二人は家から逃げるだし森の中へ。これからどうするのかと問うユキに、ニナは森の中に行って昔行った小屋を探すしかないと言った。小屋を探しながら、森の中で遊ぶ二人。しかし迷ってしまい雲行きも怪しい中、ユキはニナと先に行かせると一人で別の道を行った。ユキとはぐれたと気づいたニナは森の中で枝で屋根を作り座り込んだ。ユキが森の出口にやってくると、そこには日本の田園風景が広がり、みちを行く子供にユキちゃんと声をかけられ、子供たちの集まるおばあちゃんの家で一緒に遊んだ。やがて子供たちに迎えがやってきて皆がいなくなると、ユキは一人でまた森の中に入った。そしてニナを探していると、ユキの父親が彼女を探していた。
ユキとニナのネタバレあらすじ:日本で暮らし始めたユキ
時が流れ、日本で暮らしているユキの所ニナ、父、ラウルからビデオメッセージが届いていた。日本でできたユキの友達は、日本にニナが来たら紹介してほしい、そして一緒に遊ぼうといった。ユキは次にフランスに行くのはいつか尋ねると、クリスマスと母親は答えた。
ユキはある日、母親とあの森を出たところにあったおばあちゃんのうちに行く。しかし空き家で、母親はこの近くで子供の頃あそんだことを思い出す。がっかりして出てくるユキを、子供の頃遊んだ川に連れてきた母親が、ここに来てよかったと尋ねると、ユキは「うん」と返した。
以上、映画ユキとニナのあらすじと結末でした。
ユキとニナのレビュー・感想:フランスと日本を繋ぐ森
話の舞台になっているのは、パリとその郊外、日本の都市部と農村部。フランスと日本の街の色合いは都市部こそ違うものの、「森」というもの通すと、その境目は曖昧になる。人の手が入っていない自然のままの場所と言うのはどこか似通うのかもしれない。現にどこから日本の森に切り替わったのかがわからないほど似ている。また、西欧の童話などに出てくる「森」はしばしば、国と国の境や異世界との境として用いられる。それを踏まえると、ユキが森を通じて日本というだけでなく、時間も違う異世界としての日本に行き着いたのも納得が行く。
全編がドキュメンタリー仕立てである分、森を通じて、フランスから日本へ行くユキが象徴的に浮かび上がる。
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