座頭市の歌が聞えるの紹介:1966年日本映画。勝新太郎の代表作の『座頭市』シリーズの13作目です。上州一宮宿や雷太鼓の祭りを見に立ち寄った市が、この地域を支配するヤクザの『板鼻の権蔵』を倒すため奮闘するという作品です。毎シリーズおなじみの、市の居合抜きが見どころです。
監督:田中徳三 出演者:勝新太郎(座頭市)、天知茂(黒部玄八郎)、小川真由美(お蝶)、佐藤慶(板鼻の権蔵)、浜村純(琵琶法師)、吉川満子(おかん)、小村雪子(お露)ほか
映画「座頭市の歌が聞える」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「座頭市の歌が聞える」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「座頭市の歌が聞える」解説
この解説記事には映画「座頭市の歌が聞える」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「座頭市の歌が聞える」のネタバレあらすじ:起
座頭の市が山道を歩いていると、為吉という男が追いはぎに逢っていました。市は居合抜きで追いはぎ7人を切り殺しました。その時、黒部と言う浪人が見ていました。市は為吉を見に行くと、『太一』という言葉を残し死んでしまいました。そして為吉の握りしめた3両の入った財布を手に取り、旅を続けました。途中で市が昼食をとり、金を払おうとしたら為吉の財布からサイコロが落ちました。そのサイコロはイカサマサイコロで、為吉は賭場でイカサマが見つかり襲われていたのでした。途中の木陰で琵琶法師と出会い、話した市は、今夜行われるといわれる近くの上州一宮宿の雷太鼓の祭りを見に行くことにしました。そして店に立ち寄った市は為吉の息子の太一と為吉の母に出会いました。
「座頭市の歌が聞える」のネタバレあらすじ:承
上州一宮宿はかつては、平和なところでしたが、今では板鼻の権蔵というヤクザの親分が仕切り、町の商人から金を巻き上げるようになったと言いました。その夜、市と太一は雷太鼓の見物に行きました。すると権蔵に手下らに絡まれました。そこで市は居合抜きで手下らを脅すと手下らは逃げ帰りました。その後、市は女郎屋『ふじの屋』に呼ばれ、お蝶という女のあんまをしました。お蝶も商人と同じように権蔵に金を巻き上げられていました。そして市は、宿を求めて『上州屋』に寄りました。上州屋の親父は市の刀を見てヤクザと勘違いして、宿泊を断りました。そこに太一がやって来て、ヤクザから助けてくれた人だと言い、市は『上州屋』で泊まることになりました。『上州屋』には琵琶法師も泊まっていました。
「座頭市の歌が聞える」のネタバレあらすじ:転
やがて『上州屋』に権蔵の手下らがやって来て、市は暴行を受けました。我慢していた市でしたが、怒りが爆発し、権蔵の手下どもを叩き切りました。『上州屋』に浪人の黒部が『ふじの屋』の場所を聞きにやって来ました。市が道を教えると黒部は『ふじの屋』に向かいお蝶に会いました。お蝶は黒部の妻でした。黒部のふがいなさに、落ちぶれて女郎になっていました。お蝶を連れ帰る為に黒部は借銭を返そうと考え、金貸しの所に行きました。すると金利が増え、しめて50両になっていました。黒部は権蔵を訪ね仕事をくれと頼むと、権蔵は市を殺してくれたら50両払うと言いました。しかし一向に殺しに行かない黒部にしびれを切らし、権蔵が手下を連れ『上州屋』に乗り込みました。
「座頭市の歌が聞える」の結末
しかし権蔵の手下らは市の敵ではなく、十数人が切殺され、権蔵は逃げて帰りました。そして市の耳を塞ぐための秘策として、太鼓の音で攪乱する作戦に出ました。それでも市は強く手下を切り殺しました。そこに黒部が現れました。二人は河原で剣を交えますが、黒部は市に殺されました。そして市は権蔵の家に乗り込み、権蔵を叩き切りました。権蔵の金を奪いとった市は、その金を権蔵の脅し取られた町の商人たちに返し、最後に3両を為吉の母に帰しました。そして為吉は死んだことを母に告げ、市は再び街道を歩き始めました。
この「座頭市の歌が聞える」は、勝新太郎主演のシリーズ13作目の作品だ。
盲目で、居合の達人、座頭市のアキレス腱は、耳だ。
普段は、耳が眼の役割を果たしているが、この耳を封じさえすれば、もう両手両足をもぎ取ったようなものだと、ヤクザの親分(佐藤慶)は、悪知恵を働かせる。
こうして、祭り名物のかみなり太鼓を、八方から乱打されて、耳の勘を狂わせられた座頭市は、絶体絶命の危機に陥るという見どころがある。
宿場女郎(小川真由美)をめぐる浪人(天知茂)と座頭市の剣と恋の鞘当てが、もう一つの見どころだ。
この宿場女郎は、実は浪人の恋女房で、座頭市が女郎から貰ったかんざしを、そっと浪人に返して立ち去って行くあたりも、さすらいのヒーロー座頭市ならではの、泣かせる演出だ。