ゼイラムの紹介:1991年日本映画。ある惑星で、ゼイラムという凶暴な生命体が脱走し地球へと向かう。それを追い、捜索者イリアとボブが地球に先回りし亜空間ゾーンを組み上げ罠を張るが、そこに運悪く現れた地球人の電気工事作業員、神谷と鉄平が巻き込まれてしまう。生命体に寄生し、宿主を強化、分身を作る能力を持つ凶悪なゼイラムと、イリアに神谷と鉄平の3人が挑む、雨宮監督のSFアクション映画。
監督:雨宮慶太 出演者:森山裕子(イリア)、螢雪次郎(神谷)、井田州彦(鉄平)、半田雅和(ボブ)、吉田瑞穂(ゼイラムユニット)、ほか
映画「ゼイラム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ゼイラム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ゼイラムの予告編 動画
映画「ゼイラム」解説
この解説記事には映画「ゼイラム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ゼイラムのネタバレあらすじ:起
兵士達は必死にそれを撃ち続けました。しかし、頭部に小さな白い能面のような顔を持ったそれは、攻撃を物ともせず兵士達を蹂躙し去っていきました。マイス星系当局は、それ、ゼイラムに対し賞金を懸けます。その捕獲を請け負ったのはイリアとボブという捜索者コンビでした。
地球、東京の秋葉原を不思議な雰囲気の女が彷徨うように歩いていました。その秋葉原にある喫茶店で、神谷は万馬券を当てて絶頂に至っていました。それを友人に教え、行き付けの飲み屋で祝杯を挙げる事を約束します。その時女とすれ違い、神谷は彼女が落とした林檎を渡そうと追い掛け始めました。
その頃神谷の同僚鉄平は、電話で恋人に仕事を6時までに切り上げる事を約束、神谷を待ちます。神谷は結局林檎を渡せず鉄平と合流し、仕事に向かいます。
女は廃ビルに入ります。その一室には街の模型と異様な電子機器が並べられていました。
電子頭脳であるボブは女、イリアを日本語で出迎えます。二人とも覚えたてだが流暢な日本語で会話し、ゼイラムを誘い込む、密閉疑似空間ゾーンの設定を行います。彼らの法律では地球文明にその痕跡を残すのは極刑でした。標的は強力且つ未知数の戦闘力を保持して居る為の方策で、掛かる経費に文句言いながらもイリアは亜空間の中に三笠町を再現、構築しました。
電気工事を仕事する神谷と鉄平の予定は遅れていました。そこに会社から飛び込みの仕事舞い込みます。二人は不満を感じながらもその現場に向かいます。そこはイリア達がアジトにしているビルでした。
二人は、違法に電線を引き込んでいると通報された一室に入ります。その部屋で作戦の開始段階まで作業をしていたイリアは咄嗟に隠れました。
神谷と鉄平は見知らぬ機械を見渡し、映画のセットか何かだろうと判断します。そして機械の持ち主が不在だと考え作業を開始しようします。その時、ゼイラムがゾーンに着地した時に発生した振動が部屋を揺らし、神谷は誤ってスイッチに触れてしまい、鉄平をゾーンに転送してしまいました。消えた鉄平に慌てる神谷ですが、隠れていたイリヤが現れ、事情を知ろうと話し掛けます。イリヤは神谷を無視して転送機の操作を行い、自分もゾーンに入ろうとしますが、絡んで来た神谷を巻き込んでしまいました。
ゾーンに転送された神谷は、何が起きたか判らずイリヤに問い質します。イリアは面倒そうにセーブガンを使い、水晶に閉じ込めるようにセーブ、ゼイラム捕獲に向かいます。
ゼイラムのネタバレあらすじ:承
明かりのない無人の街をゼイラム、そして鉄平は彷徨います。その内鉄平はゼイラムと遭遇、ゼイラムは彼を見ると問答無用で攻撃を加えました。鉄平は逃げ、ゼイラムは分身を作り鉄平を追わせます。その時、そこにイリアが現れゼイラムを挑発、罠まで誘導を開始しました。
イリアは発光弾でゾーンを昼間し、ゼイラムを罠に掛けて動きを止め、セーブしようとします。しかしゼイラムは、小さな頭部を触手のように伸ばしセーブガンを弾き阻止しました。
罠を脱したゼイラムをイリアは銃撃します。しかしその攻撃はすべて効かず、ボブはゼイラムもシールドを使っているとイリアに警告します。業を煮やしたイリアはスーツを着用、ボブが止めるの聞かず圧倒的パワーを持つゼイラムと格闘戦を始めました。しかし、やはり純粋な力の差は如何ともしがたく、罠等を駆使してもイリアは追い詰められます。ですが彼女は弾かれたセーブガンを咄嗟に拾い、無事ゼイラムを捕獲する事に成功しました。しかしその足元には、分身の種が落ちていました。
一仕事終えたイリアに鉄平が近付き話し掛けてきます。鉄平はセーブされた神谷を見付け、手をこまねいていました。イリアは神谷を開放し、現在ゾーンにいる事を二人に大まかに説明します。そしてボブにゼイラムの回収を頼みます。ボブは神谷と鉄平が転送しようとしますが、その時鉄平を追って来たゼイラムの分身が現れ襲い掛かって来ました。イリアはそれと排除しようと格闘を始めますが、神谷達の転送に割り込んでしまった為、分身とイリアが転送されてしまいました。廃ビルに戻ったイリアと分身ですが、分身が無暗に暴れた為転送機が故障してしまいました。
ゾーンでは、セーブ前にゼイラムが放った分身が活動を開始します。取り残された鉄平は、そのゼイラムを目の前にイリアが残した道具を調べながら不安げな神谷に応対します。そこに分身が現れ二人を襲いました。
神谷と鉄平は、見よう見まねでイリアの武器を使い分身を倒しますが、その流れ弾がセーブを維持していた装置を破壊し、ゼイラムを開放してしまいました。その事を廃ビルのボブが感知、転送機を修理しているイリアを急がせます。しかし修理はうまくいかず、焦るイリアの操作はゾーンを維持しているシステムを停止させしまいました。
ゾーンは徐々に消滅を開始し、神谷と鉄平がそれに巻き込まれ、自分達も厳罰に処され資格も当局から剥奪されるだろうとボブは嘆きます。イリアはボブに通信機をゾーンに送れないか聞きます。それ位なら何とか可能だと彼は答えたので、イリアはその通信機を使い二人に戦い方を教え、ゼイラムを倒して貰う事を決断しました。
ゼイラムのネタバレあらすじ:転
神谷と鉄平はゾーンの中に再現された車のエンジンを始動させ、移動手段を手に入れます。その時目の前にゼイラムが現れたので、二人は車でゼイラムを轢きますがゼイラムはそれを物ともせず、小さな頭を伸ばし神谷に噛み付きます。鉄平が手近な物を投げ付け何とか神谷を救い出し、二人は逃げ出しました。
廃ビルではボブが解析を行います。その結果、小さな頭部こそがゼイラムの本体で、ゼイラムは製造が禁止された生体兵器だという事が解りました。
神谷と鉄平は行き付けの飲み屋である建物で傷の手当をし、店を出てゾーンからの出口を探します。その時廃ビルから無線機が転送されて来て、鉄平がそれを受け取ります。無線機からはイリアの呼びかける声が聞こえてきました。
鉄平は声に従い無線を操作します。イリアは二人の無事を確認すると現在の状況説明し、ゼイラムとの対決をお願いします。その頼みに神谷は無茶だと声を上げます。ボブもイリアの方針に反対で逃げ続ける事を提案しますが、イリアは攻撃こそ最大の防御だと譲りません。神谷はイリアの願いに難色を示しましたが、イリアは誠心誠意を込めて説得します。そこに二人の前にゼイラムが現れ、無線が途切れてしまいました。
ボブはもう捕獲を諦め、二人も見捨てようと言い出します。イリアは拒絶し、ゾーンに戻り、二人を助けゼイラムと対決する為に装置の修理を急ぎます。
ゼイラムに襲われた神谷と鉄平は、イリアが残した武器を使い抗います。その際鉄平は神谷を見失い逃走します。鉄平はイリアと交信し神谷と逸れた事を告げ、一人で戦う決意を見せます。イリアはその決意に応え、その使用に当局の許可が必要なメティス砲をゾーンに送る事を告げます。現在、不安定になっていくゾーンに転送できる場所は廃ビルだけでした。
鉄平は原付バイクを動かし、廃ビルに向かいます。その前をゼイラムが立ち塞がり、鉄平はゼイラムの攻撃で転倒してしまいました。転倒した鉄平にゼイラムが迫ります。そこに重機を持ち出した神谷が現れました。神谷は重機でゼイラムに挑みますが、重機が故障、ゼイラムに押し倒されてしまいます。今度は二人にゼイラムが迫りますが、そこにゾーンに戻ってきたイリアが現れ重火器で攻撃、ゼイラムを仕留めました。
ゼイラムの結末
イリアはゼイラムを仕留めた事をボブに報告しますが、ボブはゼイラムがそれで倒れるとは思えないと警告してきます。その言葉通り、ゼイラムは宿主の骨格だけを分離し、再度襲い始めます。3人は転送済みのメティス砲を取りに廃ビルに向かいます。
廃ビルにたどり着いた3人ですが、メティス砲はボブの手違いで屋上に転送されていました。迫り来るゼイラムに、イリアが殿となって足止めし、その間に神谷と鉄平が屋上に向かいます。
屋上に辿り付いた鉄平と神谷は転送されていたケースを開きますが、メティス砲は分解されて納められいました。そこにゼイラムが追って来て、メティス砲の組み立て方が解らない二人は慌てます。その時、イリアが飛び込んで来てメティス砲を組み立て、ゼイラムを砲撃し木っ端微塵に吹き飛ばしました。
安心する3人ですが、まだゼイラムの本体は生きていて襲い掛かろうとします。イリアはそれを落ち着いてセーブしました。
ゾーンから神谷と鉄平が転送されます。ボブは次にゼイラムを転送しますが、ゼイラムは自力でセーブを解除し、襲い掛かります。そして最後の力で変形を遂げ、二人を捕食しようとします。
ゾーンに残されたイリアは、転送が遅れている理由をボブに確認します。しかし通信の状態が悪く通話できません。更には、ゾーンに限界がきて消滅を始めてしまいました。
廃ビルでは、醜く変形したゼイラムを鉄平と神谷が、ガラクタを使って必死に抑えます。ボブは神谷を呼び、転送機のケーブル破損を修理してくれと頼みます。神谷はゼイラムを鉄平に任せ、転送機の修理を行います。
ゾーンはどんどん消滅し、遂にイリアの足元だけを残してしまいました。鉄平はゼイラムを抑えきれず、絶体絶命に陥ります。
転送機の修理は終わり、ボブはイリアを転送しようとしますが、ゼイラムの抵抗でまたケーブルが切断されてしまいます。神谷はそのケーブルを力尽くで繋ぎ、どうにか転送機を作動させました。その甲斐があり、イリアはゾーンから戻りゼイラムを銃撃、本体に止めを刺してすべてが終わりました。
長い夜が明け、朝日が廃ビルに注がれます。3人は生還を喜びます。イリアは感謝の証に髪を一房ずつ切って二人に渡します。ボブは出会い、協力し事を成し遂げた記念に写真を撮りたい言い出し、3人は笑みを浮かべて肩を並べました。
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