善魔の紹介:1951年日本映画。岸田國士の長編小説を巨匠木下恵介が映画化。日本では珍しい観念的な恋愛映画に仕上げた。主役の一人である純真な新聞記者役で三國連太郎が映画デビューし、この時の役名をそのまま芸名にしている。
監督:木下恵介 出演:森雅之(中沼茂生)、三國連太郎(三國連太郎)、淡島千景(北浦伊都子)、桂木洋子(鳥羽三香子)、笠智衆(鳥羽了遠)、千田是也(北浦剛)、小林トシ子(小藤鈴江)、楠田薫(浅見てつ)、竜岡晋(編集局長)、宮口精二(編集次長)、北龍二(弁護士)、ほか
映画「善魔」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「善魔」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「善魔」解説
この解説記事には映画「善魔」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
善魔のネタバレあらすじ:起
「中央官庁の総務部長北浦剛の妻が家出した」というタレコミの電話がある新聞社にかかってきます。
早速、政治部部長の中沼は部下の三國に取材させますが、北浦本人は「プライベートなことだ」と詳細を語ってくれません。中沼に命じられ、三國は家出した妻伊都子の行方も追跡。
実は十年前新聞社に入る直前まで中沼と伊都子は親しい友人でした。中沼は彼女との結婚を望んでいたのですが、伊都子は北浦を選び、それ以来中沼とは音信不通になっていました。
善魔のネタバレあらすじ:承
三國は伊都子の父鳥羽了遠が軽井沢で隠遁生活を送っていると聞き、わざわざ山中まで足を運びます。そこには了遠と一緒に伊都子の妹である三香子も暮していました。
彼女は肺が悪く、静養も兼ねて父親の世話をしているのです。三國は三香子から伊都子の女学校以来の親友浅見の住所を聞き出し、静岡の日本平へ向かいます。
姉に会いたいという三香子も一緒です。車中で話をするうち、三國は三香子の純粋さにすっかり心を奪われます。三香子の方も新聞記者らしからぬ誠実な三國が好きになります。
善魔のネタバレあらすじ:転
日本平の浅見の家にはやはり伊都子がいました。三國が新聞記者と知って彼女は彼を連れてきた三香子に腹を立てますが、三國の誠実な説得に応じて家出の事情を話します。
特にきっかけとなる出来事はなかったのですが、徐々に酷くなってくる北浦の俗物根性に我慢ができなくなったというのがその理由でした。
三國は帰社してその事情を報告するものの、中沼は伊都子への同情心が起ってその事を記事にするのをやめます。しかしそのせいで他社にスクープを奪われ、社内での立場が悪くなります。
善魔の結末
まもなく三香子の結核が重篤化し、余命もわずかとなります。三國は彼女が死ぬ前に結婚式を上げる決心をし、中沼に立会人を頼みます。中沼は上司に辞表を提出して三國に同行。
一緒に三香子のいる山小屋に到着するとすでに彼女は他界していました。それでも三國は死んだ三香子と結婚式を行ないます。
中沼もやってきた伊都子と改めて付き合おうとするのですが、三國は中沼がそれまでの恋人小藤鈴江を冷酷に捨てた事実を知り、彼を非難。中沼は結局伊都子と結ばれないと悟り、山小屋を後にします。
以上、映画「善魔」のあらすじと結末でした。
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