ゾンビの中心で、愛をさけぶの紹介:2018年デンマーク,スウェーデン映画。ゾンビがはびこる北欧のとある国を舞台に、倦怠期で離婚間近の夫婦がまさかのサバイバル生活を余儀なくされ、その最中に愛を取り戻していく過程を描いた異色のホラー・コメディ作品です。監督・脚本・音楽・編集・製作総指揮を手掛けたのは、前作『LFO』がブリュッセル国際ファンタスティック映画祭で優秀作品賞を受賞したスウェーデンの新鋭アントニオ・トゥーブレンです。
監督:アントニオ・トゥーブレン 出演者:ゾーイ・タッパー(カレン)、エド・スペリーアス(ジョン)、アントニア・キャンベル=ヒューズ(エミリー)、ヤン・ベイヴート(レオ)、ルーカス・ラフラン(マーティン)ほか
映画「ゾンビの中心で、愛をさけぶ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ゾンビの中心で、愛をさけぶ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ゾンビの中心で、愛をさけぶの予告編 動画
映画「ゾンビの中心で、愛をさけぶ」解説
この解説記事には映画「ゾンビの中心で、愛をさけぶ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ゾンビの中心で、愛をさけぶのネタバレあらすじ:起
ここはとある北欧の国。タワーマンションの最上階に住む大学講師のジョン(エド・スペリーアス)とカレン(ゾーイ・タッパー)夫妻は倦怠期の真っ只中でした。カレンはかねてから仕事熱心のあまり家庭を顧みないジョンに不満を抱いており、いつ離婚を切り出そうかとタイミングを見計らっていましたが、そもそも夫婦は会話する機会すらほとんどなく、なかなか切り出せずにいました。
ある日の朝。突然夫婦の住む部屋の天井にぽっかりと穴が開きました。カレンは意を決して離婚を切り出しますが、ジョンにとってはそれどころではありませんでした。ジョンの目の前では別のマンションに飛行機が衝突しており、ラジオのニュースでは世界中で謎のウイルスが流行しており、感染者が激増していることが取りざたされていました。しかし、ウイルスは製薬会社の陰謀だと決めつけていたジョンは何の備えもしておらず、部屋にはわずかな缶の食糧しか残っていませんでした。
ジョンから今後について相談を受けたカレンは、留守にしている隣家から物を盗んでくればいいと提案しました。そこでジョンとカレンは隣家から食糧のみならず大画面テレビまで運び出し、とりあえず気長に救助隊の到着を待つことにしました。
ゾンビの中心で、愛をさけぶのネタバレあらすじ:承
世界中で蔓延しているウイルスは、感染した者をゾンビに変えるというものでした。やがてジョン夫妻の住むマンションにもゾンビの姿がちらほらと目撃されるようになり、ゾンビは次々と人々を襲っていきました。大人しく屋内で待機するようニュースで促されたジョンとカレンは大人しく部屋に閉じこもることにしました。
まさかの事態のなか、これまで溜まっていたカレンの不満が爆発しました。カレンはかつてジョンとの子を身籠っていたのですが死産してしまい、二度と子供を産めない身体になってしまっていたのです。しかし、ジョンはカレンに向き合おうとはせず仕事に没頭する毎日を送り、カレンはそのことをずっと不満に感じていたのです。
カレンの真意を知ったジョンは彼女を励まし、ゾンビの襲来に備えて備えることにしました。ジョンとカレンは必至で体力づくりに励みますが、ゾンビの数は日増しに増えていきました。とうとう何もすることがなくなったジョンとカレンは煙草を吸おうとしましたが、カレンは何と隣家から大麻やコカイン、LSD、覚醒剤、更には拳銃まで盗んでいました。
ゾンビの中心で、愛をさけぶのネタバレあらすじ:転
ジョンとカレンはいつか救助が来ることを信じて待ち続けていると、そこに何と留守にしていた隣家のレオ(ヤン・ベイヴート)とエミリー(アントニア・キャンベル=ヒューズ)夫妻が助けを求めにきました。ジョンとカレンは仕方なくレオとエミリーに食糧だけは恵んでやりますが、内心ではこの夫婦には早く出て行ってもらいたいと願っていました。その気持ちを知ってか知らずか、レオとエミリーはどうか自分たちを匿ってほしいと頼み込み、部屋の掃除や整理整頓を買って出ました。
何とかレオとエミリーを追い出したいカレンは、二人に覚醒剤を混ぜたクッキーを食べさせました。しかし、このクッキーを食べたレオとエミリーは薬物過剰摂取により死亡してしまい、やがて二人の遺体はゾンビ化していきました。カレンはゾンビ化したレオとエミリーに銃弾を撃ち込んでとどめを刺し、遺体を隣家に置きました。
この時ジョンとカレンは自分たちもウイルスに感染しているのではないかと思い込み、やがて自分たちもゾンビ化するのではないかと恐れを抱くようになっていきました。しかし、この異様なサバイバル生活は、いつしかジョンとカレンの失いかけていた愛情を再燃させていました。二人は生き残ったら養子を迎えようと提案、希望を失うことなくひたすら助けが来るのを待ち続けました。
ゾンビの中心で、愛をさけぶの結末
そんなある日、ジョンとカレンは何やら人の気配を感じ取りました。夫婦はようやく救助隊が来たものだと思い込みましたが、来たのは何と空き巣のマーティン(ルーカス・ラフラン)率いる三人組の強盗でした。マーティンたちはジョンとカレンを脅して金品を奪おうとしましたが、ジョンとカレンは反撃してマーティンら三人を殺害しました。
そうこうしているうちにジョン夫妻のマンションの外では救助隊がちょうど通りかかっており、ジョンとカレンは食糧も底を尽いたことから意を決して避難しようと試みましたが、既にマンション中はゾンビで覆いつくされており、夫婦は強行突破を試みるも結局は断念して引き上げました。しかもこの際にカレンはゾンビに足を噛まれてしまっており、ジョンは必ずワクチンもできるからそれまで生き延びようと懸命に励ましました。
夫婦はなおも救助隊を待ち続けましたが、カレンの身体は次第にゾンビ化しており、ジョンは自分の血をグラスに注いでカレンに飲ませました。その夜、ジョンとカレンはウイルスの脅威が過ぎ去り、平和になった未来を想像していました。この時までは未来に希望を繋ぎ、決して諦めなかった夫婦でしたが、カレンのゾンビ化は更に進行していき、遂には意を決して自らの身を拘束、ジョンに自分を殺してくれるよう懇願しました。
そしてある日、遂にジョンとカレンの部屋に軍隊が救助にやってきました。軍隊が目の当たりにしたのは、二人して完全にゾンビと成り果てたジョンとカレンの姿でした。二人は既に覚悟を決めたのか、互いの手をテープで結んでおり、夫婦の覚悟と愛情を感じ取った軍人は法律に則って二人を射殺しました。
以上、映画「ゾンビの中心で、愛をさけぶ」のあらすじと結末でした。
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