チャーリーとチョコレート工場の紹介:2005年アメリカ,イギリス映画。ジョニー・デップ主演によるブラック・ファンタジー、チャーリーとチョコレート工場。貧しい少年チャーリーが、チョコレート工場見学と特別なプレゼントがもらえる夢のチケットを手にいれ、幸せをつかむストーリー。話自体は、子供向けの内容ですが、ブラックな要素が満載なのは、ティム・バートンならでは。
監督:ティム・バートン
出演者:ジョニー・デップ(ウィリー・ウォンカ)、フレディ・ハイモア(チャーリー・バケット)、アナソフィア・ロブ(バイオレット)、ジュリア・ウィンター(ベルーカ)、ジョーダン・フライ(マイク)、フィリップ・ウィーグラッツ(オーガスタス)ほか
映画「チャーリーとチョコレート工場」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「チャーリーとチョコレート工場」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
チャーリーとチョコレート工場の予告編 動画
映画「チャーリーとチョコレート工場」解説
この解説記事には映画「チャーリーとチョコレート工場」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
チャーリーとチョコレート工場のネタバレあらすじ:夢のようなチケット
世界中で大人気のお菓子メーカーのウィリー・ウォンカが、これまで公開されたことのなかったお菓子工場の見学に、子供達を招待するというキャンペーンを実施することになりました。製造するチョコレートの中に、5枚だけあるという金色のチケットを手に入れた子供が、工場へと招待されることとなります。チケットをあてた子供には、工場見学だけではなく、素晴らしいプレゼントも一緒にもらうことができます。全世界の子供達がチケットを欲しがる中、5人の幸運な子供達がチケットを引き当てたのでした。
チャーリーとチョコレート工場のネタバレあらすじ:幸運を引き当てたチャーリー
5人の幸運な子供の中には、貧しい家に生まれた少年、チャーリーも含まれていました。工場見学には、子供だけではなく、家族を一人同伴することができます。チャーリーは、大好きなおじいちゃんと一緒に工場見学をすることにしました。おじいちゃんは、昔、ウォンカの工場で働いていて、工場見学を熱望していたのでした。工場の案内人であるウィリー・ウォンカに連れられて、待ちに待った工場見学が始まりました。
チャーリーとチョコレート工場のネタバレあらすじ:素晴らしいプレゼント
工場で働いているのは、小人たちや、リスなどの奇妙な生き物たち。子供達が何かするたびに、工場の中から、1人ずつ子供達がいなくなっていきます。ついに、残された子供はチャーリー1人となってしまいました。実は、最後に残った子供が素晴らしいプレゼントをもらえることができるというルールだったのです。そのプレゼントとはチョコレート工場のことでした。ところが、プレゼントをもらうためには、家族を捨てなければならないという条件がありました。
チャーリーとチョコレート工場の結末:幸せを手にしたチャーリー
家族を失ってまで、チョコレート工場を欲しいと思わなかったチャーリーは、工場の後継者になるという素晴らしいプレゼントをもらうことを辞退します。それを聞いたウォンカはびっくり仰天。まさか辞退されるとは、夢にも思っていなかったのです。チャーリーの家族を思う気持ちに、心を打たれたウォンカは、無条件でチャーリーに工場をプレゼントすることにします。貧乏だったチャーリーは、チョコレート工場を手に入れ、家族と幸せに暮らしました。
以上、映画チャーリーとチョコレート工場のあらすじと結末でした。
チャーリーとチョコレート工場のキャストと声優(テレビ版)
ウィリー・ウォンカ(ジョニー・デップ:宮野真守)
ウィリーの父:ウィルバー・ウォンカ(クリストファー・リー:久米明)
チャーリー・バケット(フレディ・ハイモア:冨澤風斗)
ジョーおじいちゃん(デイビット・ケリー:大木民夫)
バケット夫人(ヘレナ・ボナム=カーター:渡辺美佐)
バケット氏(ノア・テイラー:家中宏)
ジョージーナおばあちゃん(リズ・スミス:翠準子)
ジョゼフィーンおばあちゃん(アイリーン・エッセル:竹口安芸子)
ジョージおじいちゃん(ディビット・モリス:大竹宏)
バイオレット・ボーレガード(アナソフィア・ロブ:かないみか)
ボーレガード夫人(ミッシー・パイル:篠原恵美)
ベルーカ・ソルト(ジュリア・ウィンター:三輪勝恵)
ソルト氏(ジェームズ・フォックス:内田直哉)
マイク・ティービー(ジョーダン・フライ:山口勝平)
ティービー氏(アダム・ゴドリー:中村秀利)
オーガスタス・グループ(フィリップ・ウィーグラッツ:日高のり子)
グループ夫人(フランツィスカ・トローグナー:堀越真己)
チャーリーとチョコレート工場の原作について
チャーリーとチョコレート工場の原作は、古くからの本好きの子供には「チョコレート工場の秘密」という題名で知られている、子供向けファンタジー小説。今回の2度目の映画化では原題通りの「チャーリーとチョコレート工場」で公開された。この原作は、ロアルド・ダールという人が書いたもので、ミステリ幻想文学や「チョコレート工場」を代表するちょっとブラックな児童文学を数多く手掛けている。この「チョコレート工場」の続編の「ガラスの大エレベーター」とか、映画になったものでは「ジャイアント・ピーチ」「マチルダ」なんていうのもある。 また、映画脚本も手がけており、「007は二度死ぬ」や「チキチキバンバン」は、ダールの手によるものである。 ロアルド・ダールが目指した現代の童話(1964年作)に、さらに21世紀の味付けを加えたティム・バートンはさすがと言えるであろう。それにしても、ジョニー・デップと言う俳優は器用である。 このすべすべした青白い紳士然とした奇妙な青年実業家が、あのキャプテン・ジャック・スパローと同じ人間だとは思えない。
チャーリーとチョコレート工場の感想
チャーリーとチョコレート工場は、謎に包まれた巨大チョコレート工場に五人の子供(+保護者)が招待され、その内の一人は特別賞をもらえるよ、って話で、やってることはボケと突っ込みとダジャレである。ワンカボケる、子供突っ込む、子供ボケる、ワンカ煽る、親呆れる、罠発動、子供消える、中年小人踊る、親も消える、という感じで物語が進行していくんだけど、時々ワンカがボケても誰も突っ込まないのが凄い。というか、細かいところは突っ込むのに存在自体ボケているところに誰も突っ込まない。なんだその服は、なんだその髪型は、なんだそのカンニングペーパーは、って誰も言わない。お前なんでそんなに顔色悪いんだよとか思う。
ワンカは世界に名だたる大企業の社長なのだが、実像はアーティストとマッドサイエンティストを足して二で割ったような人だ。資本家はもっと利潤重視で物事を考えると思うんだけど、ワンカは考えない。彼は完全に妄想を具現化する才能だけで生きている。ワープ装置を発明しておきながらそれをチョコレートのためだけに使うのが最高だ。 「あんたバカか?何やったか分かってんのか?人間を送れるんだぞ!(ガキに諭されている)」 「人間送ったって美味しくないもん(真顔)」 それに経営者と言っても、人間不信から職員を全員不当解雇したり、代わりの中年小人で人体実験を繰り返したり、労働基準法をダイレクトに無視しているので、どっちにしてもまともじゃないが、何でそうなったかの理由もちゃんとあって、それがプロットの(一応)肝になっている。
でも、チャーリーとチョコレート工場は単なる狂った映画ではなくてきちんと救いもある。罠にはまったいけすかない坊ちゃん嬢ちゃんとその親をちゃんと家に返してあげる。一部畸形になってしまった子供もいるが、この辺、とっても愛に溢れている。優しい人が創ったお話なんだな、としんみりした気分になる。本作チャーリーとチョコレート工場はリメイクで、初めて映画化されたのは1971年、名コメディアンのジーン・ワイルダーが出演している「夢のチョコレート工場」こっちは子供の頃見たので中年小人がヤバイことしか記憶に残っていない。中年小人は歌って踊るんだけど、そのメロディというか音階というか、何もかもやばい。ウンパ、ルンパ、歌と言うより呪詛なので見る人は頭が狂わないように注意が必要だ。
チャーリーとチョコレート工場のリメイク
原作「チョコレート工場の秘密」の作者は児童文学で高名なロアルド・ダール(ちなみに原作もワンカはキレている)。彼は自分の子供が不幸に見舞われたことで、血液内科、神経学の発展を願ってロアルド基金を設立している。子供に対する想いは人一倍強いのだ。「チャーリーとチョコレート工場」は過去に制作された1971年公開「夢のチョコレート工場」のリメイクです。原題は Willy Wonka & the Chocolate Factoryでジーン・ワイルダーが出演している。だが、リメイクを担当したのは大金を与えられたティム・バートンだ。シザーハンズで手に入れた金と名声にものを言わせてマーズアタックを撮る奴なのだ。
はっきり言って虎を野に放つようなもので、ジーン・ワイルダー版「夢のチョコレート工場」ではちゃちかった工場見学がリメイク後は見事に六道輪廻ツアーと化している。逆に言えばそれくらい映像はマッドで素晴らしい。最初の子供が捕まった時なんか、人間チョコレートになってばりぼり食われちゃうんじゃないか、そんな危険な香りさえ漂っていた。「うっめこれ」「ワンカやるじゃーん」「あ、目ん球入ってた(ブッと吐き出す)」 なんて言わせるのかなと思ったが、そうはならず(ジョン・ウォーターズが撮ってればたぶんそうなった)、リメイク版は全年齢で封切れるギリギリのラインを狙っている。なんとか良心的だ。
色使いがファニーでおしゃれ、キャラクターが面白いので、女性向け映画でもある。寓話としても通用するので、よい子のみんなはお母さんと一緒に見に来てね!って売り方なんだけど、はっきり言って子供にはあんまり見せたくない。笑いがシュール過ぎるし、トラウマになる。
チャーリーとチョコレート工場の子役と俳優
チャーリーを演じる子役のフレディ・ハイモア君。映画「ネバーランド」でもクールな子供ながら、涙を誘う演技をこなしていたが、今回、チャーリーとチョコレート工場では貧しい家で暮らしながらも、純粋で家族思いの子供を演じています。「ネバーランド」で共演したジョニー・デップが絶対監督が気に入るだろうと、子役にフレディ・ハイモアを紹介してみたところチャーリー役に決まったそうです。
そして、チャーリーとチョコレート工場で忘れてはいけないウンパ・ルンパ! あのブラック感溢れる歌と、奇妙な踊りとリズムに濃い顔の俳優は、映画を観た後も頭から離れない。ウンパ・ルンパの歌に合わせて小刻みにリズムをとり、笑うウィリー・ウォンカも不気味なのだが、気持ちは分かる。子供が生意気で可愛くないから(笑)。チャーリーとチョコレート工場は原作が児童書というのもあり、こんな事したらこんな目に合うよ! こんな子供の教育はよくないよ!という教訓が散りばめられている。そして家族の大切さも教えてくれる。
俳優ジョニー・デップはやっぱり上手いですね。いつもいろんな役柄をきちんと演じわけています。カラコンや衣装、髪型、歯やメイクのお陰もあるだろうが、あれだけ自分でイメージを作り上げ、演技も変えて、別人になれてしまうデップの俳優としての演技には、やはり脱帽してしまいます。
「チャーリーとチョコレート工場」感想・レビュー
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海賊の船長役とは全く気色が異なるキャラをしているデップ様。それを取り囲む子どもたちの一人になりたい。チョコレート見学権利のとり方がやばい子どもたち。万に一つの可能性だからって、万枚のチョコレートを買い求めてライン作業で当たりを引こうとする金持ちお嬢様がいい味出している。
幸せな子供がより一層幸せになる。とても良いことですよね。チャーリーの一家は貧乏ですが、四人とも祖父母が健在であり、とても仲良く暮らしていることは素晴らしいことです。祖父母の記憶が全く無いに等しい私はまずここに心惹かれましたよ。平凡極まりない少年が、持って生まれた善良さと明るさと、天から与えられた幸運を見事に掴むという、心温まる映画でした。天は自ら助ける人を助ける、という格言をついつい引用してみたくなりますね。ウォンカ氏は出自は不幸ではありませんが、父親との心の触れ合いがなされなかったことはやはり孤独で不幸な少年時代だったのでしょう。その父親と成人してから和解出来たことも嬉しいことでした。児童文学の傑作が風味を損なうことなく映像化されたことに経緯を評したくなるのです。殺伐とした現代の世相の中で、ほのぼのとした明るさを観ている人達に与えてくれた名作です。これは永遠のテーマであり、朽ちるということはないでしょうね。