かぐや姫の物語の紹介:2013年日本映画。スタジオジブリ作品。「かぐや姫」の犯した「罪」についてスポットを当てています。いわゆるおとぎ話と言われる「かぐや姫」とは違って、哲学的で映画を見た人がその答えを見つけるような作りになっています。美しく独特な画風は見ているものを夢中にさせるような不思議な世界感があります。結局のところ、ストーリーは「かぐや姫」と同様の展開となりますが、月の世界の出来事に一歩踏み込んだような神秘的な場面があるため、確認のために再度見たくなるような作品です。
監督:高畑勲 声優:朝倉あき(かぐや姫)、高良健吾(捨丸)、地井武男(翁)、宮本信子(媼)、高畑淳子(相模)、田畑智子(女童)、立川志の輔(斎部秋田)、上川隆也(石作皇子)、伊集院光(阿部右大臣)、宇崎竜童(大伴大納言)、古城環(石上中納言)、中村七之助(御門)、ほか
映画「かぐや姫の物語」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「かぐや姫の物語」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
かぐや姫の物語の予告編 動画
映画「かぐや姫の物語」解説
この解説記事には映画「かぐや姫の物語」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「かぐや姫の物語」ネタバレあらすじ 1:タケノコ
昔、山里に竹を取って暮らす翁と媼がいました。ある日、翁はタケノコの中から手のひらの大きさの美しい姫を見つけます。天からの授かりものと感じた翁は姫を大切に家へと連れて帰ります。不思議なことに、姫は瞬く間に人間サイズの赤子の姿へと変わります。姫は翁と媼によって大切に育てられます。姫の成長は早く、半年余りで少女へと成長しました。姫は、少年・捨丸をはじめとする近くに住む子どもたちから「タケノコ」と呼ばれ、自然の中で彼らと共に育ちます。子どもたちが口ずさむ童歌を、幼い頃から姫は知っていました。その歌を歌うと、姫は目に涙を浮かべてしまいますが、その理由は自分でもわかりませんでした。やがて、翁は竹から金粉を手にするようになり、それを元手に高貴な姫として育てたいという翁の考えのもと、一家は山奥での生活を捨て、都の立派な屋敷へと移り住みます。
「かぐや姫の物語」ネタバレあらすじ 2:寂しい姫
屋敷に移り住んだ姫は、最初は喜んだ様子を見せるも、これまでとは違う窮屈な暮らしにうんざりし始めます。相模から姫としての習い事を教わるもののふざけて真面目に学ぶこともありませんでした。仲良しだった捨丸や山里の子供に会えなくなり寂しさを募らせます。翁はそんな姫の気持ちには気づかずに、豪華な暮らしの中で立派な姫に育てることが一番良いと思っていました。そんな窮屈で寂しい気持ちを媼は気づき、姫の気持ちに寄り添います。やがて姫は、光り輝くという意味の言葉を添えた「かぐや姫」と名付けられ盛大なお祝いが催されます。しかし姫は山里が恋しく、家を飛び出しますが、山里へ帰ってもそこには慣れ親しんだ捨丸や子供たち、そして村もなくなっていました。その出来事をきっかけにかぐや姫は大人しく一人で過ごすようになってしまいます。やがてかぐや姫はますます美しい姫へと成長して、評判となりました。やがて多くの立派な身分の男たちがかぐや姫に求婚するようになります。
「かぐや姫の物語」ネタバレあらすじ 3:無理難題
求婚する男たちを前に、かぐや姫は誰にも嫁ぐつもりはないと取り合いません。しかし断り切れなくなった翁は姫を説得し応じるように頼みます。かぐや姫は仕方なく、男たちに無理難題を提示し、課題をクリアしたものと一緒になることを誓いますが、その無理難題はとても叶うものではなく、男たちはズルをしたり、危険にさらされて、かぐや姫のもとを去っていきました。亡くなってしまうものも居たことでかぐや姫はひどく落ち込みます。かぐや姫の評判は御門(みかど)の耳にも届きます。御門はかぐや姫を妻として宮中に招こうとします。断るかぐや姫に、御門は忍びで屋敷を訪れ、かぐや姫を抱いて連れて行こうとしますが、その瞬間、かぐや姫の姿はかき消えます。驚いた御門が姫を探し謝ると、かぐや姫はすっと姿を現しました。御門は必ず迎えに来ると去って行きます。
「かぐや姫の物語」ネタバレあらすじ 4:天人
この出来事以来、かぐや姫は月夜には一人で月を仰ぎ見るようになりました。翁と媼が理由を聞くと、かぐや姫は自分が月の出身だと明かし、御門に抱かれて連れていかれそうになった時に、もうここにはいたくない!と月に助けを求めてしまったため、今月の15日には月から迎えが来るのだと言います。かぐや姫はこのまま月には帰りたくないと泣き伏します。
「かぐや姫の物語」ネタバレあらすじ 5:罪と罰
かぐや姫は媼に、月の都にいたころに地上から戻ってきた天人が、「本当に待っているのならすぐにでも帰ってくる」という意味の歌を口ずさみながら涙するのを見た経験を語り、「今ならその天人の気持ちがわかる、自分ももう一度帰りたい」と話します。媼は、かぐや姫が一番活き活きとしていた竹藪のある故郷の山に向かわせます。山には成長した捨丸をはじめとする木地師たちが戻ってきたところでした。捨丸と再会したかぐや姫は、二人で不思議な力で空中を舞い、手をつなぎ、抱きしめ合います。しかし月が現れたとき二人は離ればなれとなり、その逢瀬は捨丸には夢として認識されます。捨丸は自らの妻子のいる木地師たちのもとに戻ってしまいます。
「かぐや姫の物語」結末:満月の夜
8月15日の満月の夜、武士たちが警備する翁の屋敷に、かぐや姫を迎える天人たちの一行が雲に乗って訪れます。天人は守りを固めていた者たちを未知の力で眠らせ、かぐや姫の正気を失わせ、その体を雲の上に招き寄せます。天人に勧められるまま地上の記憶を失う天の羽衣を着ようとしたとき、女童と子どもたちが歌う童歌を聞いてかぐや姫は正気を取り戻します。その間に翁と媼はかぐや姫のいる雲へと招かれます。かぐや姫は天人に羽衣をまとうことに今少しの猶予を請い、かぐや姫は翁と媼に泣きながら別れを告げます。羽衣を着せられたかぐや姫は、一行とともに去っていきます。去りながら、突然気づいたように、地球を振り向いたかぐや姫は、地球での生活の記憶を失ったはずであるにもかかわらず、目に涙を浮かべていました。
以上、かぐや姫の物語のあらすじと結末でした。
「かぐや姫の物語」感想・レビュー
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かぐや姫がこの地球に降ろされたのは罰だったということ。いったい何の罪を犯した罰だったのか。それはかぐや姫が地球の魅力を知ってしまったこと。竹取物語は仏教の教えに関わっていて、輪廻という考えのもとでは、人が生きるということは苦しむということ、つまり地球に降ろされたのは罰を受けるため。そして月というのは輪廻から解き放たれて穏やかで自由な境地に達する場所として描かれているということ。このあたりの考えから、かぐや姫の罪と罰が描かれているらしいです。
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途中までは普通に竹取物語をアニメーションで見てるという感覚だけでしたが、月に帰る際のラストシーンが近づくにつれ、テーマが自分なりにぼんやりと見えてきて、なんとも深い映画だと思いました。本当の幸せってなんなんでしょうね?地位や名誉があるおが幸せなのか。それともなんの争いも心のざわつきもなく平穏なことが幸せなのか?人間が生きるということが何なのか?そんなことを深く考えさせられます。子どもたちはヘンテコに描かれた登場人物たちを見てゲラゲラ笑っていましたが、きっと10年後に見直すと、また感じ方が変わるでしょうね。きっとこの先も残り続ける映画だと思います。
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歌とかも心に残ったしとてもいい作品だと思いました。
かぐや姫にはそんな苦しさや悲しさがあったのかと驚きました。
最後のラストシーンの別れのシーンですごく涙が溢れてきて最終的に歌で泣いてしまいました。絵もとっても美しく、見ていてなにか不思議な感覚に襲われました。一番いいと思った映画です。
とても良い作品でした。
鉛筆の線を生かした作品で
あえて塗り残してあるところを作ってあり
それが逆に想像を掻き立てる。
また色使いもとても綺麗で
なんだか懐かしさを感じることができました。
帝の顎は凶器です。