1917 命をかけた伝令の紹介:2019年アメリカ映画。1917年、第一次世界大戦の真っ只中、西部戦線にいたドイツ軍は後退していた。しかしそれは戦略的な後退で、連合国軍をヒンデンブルク線まで誘引する罠だった。イギリス軍はその事実を航空偵察によって把握したが、進撃中のD連帯へ伝えたくても電話線は切れてしまっているため、2人の若い上等兵トムとウィルに現地へ行って伝えるよう命じた。1600名のD連隊にはトムの兄ジョセフもいた。味方を救うため、命をかけて2人は無人地帯へ飛び込んだ。本作はゴールデングローブ賞で作品賞と監督賞の2冠を獲得。サム・メンデス監督が祖父から聞いた話を元に作られた。全編ワンカットで撮られたように見える長回し撮影と、生々しいほどのリアリティあふれる映像も見どころ。
監督:サム・メンデス 出演:ジョージ・マッケイ(スコフィールド上等兵)、ディーン=チャールズ・チャップマン(ブレイク上等兵)、マーク・ストロング(スミス大尉)、アンドリュー・スコット(レスリー中尉)、リチャード・マッデン(ブレイク中尉)、クレア・デュバーク(ラウリ)、コリン・ファース(エリンモア将軍)、ベネディクト・カンバーバッチ(マッケンジー大佐)他
映画「1917 命をかけた伝令」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「1917 命をかけた伝令」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
1917 命をかけた伝令の予告編 動画
映画「1917 命をかけた伝令」解説
この解説記事には映画「1917 命をかけた伝令」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
1917 命をかけた伝令のネタバレあらすじ:起
1917年。サラエボ事件に端を発する第一次世界大戦がはじまって3年。西部戦線では広大な塹壕線を挟みドイツ軍とイギリス・フランスからなる連合国軍が対峙し、互いに多大な犠牲を伴う悲惨な消耗戦を繰り返していました。
4月6日金曜日。第8連隊に所属するウィルことウィリアム・スコフィールド(ジョージ・マッケイ)とトム・ブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)は、エリンモア将軍(コリン・ファース)に呼び出され、ある重要な事実を知らされます。
ドイツ軍が退却に見せかけ、マッケンジー大佐(ベネディクト・カンバーバッチ)率いるデヴォンシャー連隊、通称「D連隊」を要塞で待ち構えているとのこと。このままでは1600名のD連隊は全員皆殺し。その中にはトムの兄、ジョセフもいました。
全ての通信手段を絶たれてしまった今、なんとしてもこの事実をマッケンジー大佐に伝え、翌朝に予定されている戦線突破を止めなくてはなりません。ウィルとトムはこの重要なメッセージをマッケンジー大佐のもとへ届ける任務を命じられました。
1917 命をかけた伝令のネタバレあらすじ:承
D連隊の第2大隊はクロワジルの森に向かって前進しているところでした。クロワジルの森はエクスートという町の南東2kmにありました。たどりつくためにはあまりにも危険なノーマンズ・ランドと呼ばれる無人地帯を通らなくてはなりません。一刻の猶予も許されない2人は泥にまみれた塹壕を這い出て、張りめぐらされた鉄条網をかいくぐりドイツ軍が占領する土地を目指したのでした。
目の前に広がるドイツ軍が陣取っていた塹壕へ到着した2人。銃を構えて慎重に進みましたが、情報通りもぬけの殻だと分かり、ホッと胸をなでおろします。内部は広く、ベッドまで運ばれていました。わずかな缶詰などの食料を見つけ手を伸ばした瞬間、突如爆弾が爆発。ドイツ軍は退陣する際にブービートラップを仕掛けていたのでした。この爆破により生き埋めになりかけたウィルでしたが、トムによって助けられました。
平原に出た2人は次に民家を見つけました。偵察してみると人の姿はなく、1頭の牛とまだ飲むことができそうなバケツいっぱいのミルクがありました。ウィルは水筒にミルクを入れていると、上空では連合国軍とドイツ軍の戦闘機の交戦が勃発。連合国軍に攻撃されたドイツ軍戦闘機は煙を吐きながらウィルとトムがいる民家へと突っ込んできました。
急いで逃げ、なんとか助かりましたが、操縦席ではドイツ兵が瀕死状態でした。とどめを刺そうとするウィルを制止して、トムはドイツ兵を救助しようとします。しかし逆にドイツ兵にナイフで刺されてしまい、ウィルに任務を遂行することと兄を探し出すことを約束させ、静かに息を引き取りました。
1917 命をかけた伝令のネタバレあらすじ:転
トムを失った悲しみに打ちひしがれていたウィル。そこへスミス大尉率いる部隊が通りかかりました。事情を聞いた大尉はウィルをトラックに乗せ、途中まで送ることにしました。
途中、橋が破壊されていたためウィルはトラックを降り、ひとり川を渡って先を急ぐことにしました。ところがそこへ、スナイパーからの狙撃が始まりました。決死の応戦で建物の中へ入り、スナイパーを仕留めることができましたが、跳弾を受けたウィルはそのまま気絶してしまいました。
気付くと日は暮れていました。急いで建物を出たウィルの目の前には、照明弾と戦火に照らされた町が浮かび上がっていました。残存する数人のドイツ兵から追われて地下へ逃げ込むと、そこにフランス人女性と赤ん坊が隠れていました。ウィルはミルクの入った水筒と食料全てを渡すと、彼女の制止を振り切り、再び戦火の中へ。
ドイツ兵に狙われながら壁を越え大きくジャンプすると、そこは大きな川でした。ウィルは早い流れに飲まれながらも、もがいて必死に泳ぎました。滝つぼへ落下すると、やっと川の流れは緩やかになりました。しかし、おびただしい数の死体が川を埋め尽くしていました。浮かぶ死体を乗り越え、岸辺に這い上がったウィルは、これまでの感情が一気に吹き出て涙があふれました。
1917 命をかけた伝令の結末
そこはクロワジルの森でした。綺麗な歌声に誘われて進むと、円陣を組む兵士による美しい歌を聴きながら攻撃開始直前の気持ちを整えていた英国軍の部隊に遭遇しました。ウィルが探していたD連隊でした。塹壕で隊列を整え、いよいよ攻撃に向けて進軍させようとしていました。
ウィルはマッケンジー大佐に伝令書を渡すために、兵士たちを押しのけ前線へと急ぎます。途中、遭遇する何人かの上官にも「作戦は中止です!」と伝えますが、上官の耳には届きません。焦るウィルは、たくさんの兵士で埋め尽くされた塹壕から出て、敵の前に姿をさらしてさらに進みます。
そのタイミングで最初の突撃兵が塹壕から出て敵へ攻撃をしかけます。しかしそれを待っていたかのようにドイツ軍の激しい砲弾が放たれ、辺りは爆発に包まれました。
ついにマッケンジー大佐のもとへたどり着きました。「お前は何者だ!」と恫喝する大佐でしたが、伝令書を読むと顔色が変わります。すぐに攻撃中止の命令が下されました。
ウィルは設営された医療所へ向かいました。
ジョセフはそこにいました。ウィルはトムの訃報を知らせ、自分はトムに命を助けてもらったと告げました。「弟が君と一緒でよかった」とジョセフはこぼれそうになる涙を必死にこらえながら握手をしました。
木にもたれかかり、ポケットから出した母親の写真を見つめ、そっと目を閉じたウィルでした。
以上、映画「1917 命をかけた伝令」のあらすじと結末でした。
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