99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIEの紹介:2021年日本映画。2016年にシーズン1、2018年にシーズン2が放送されたテレビドラマ『99.9-刑事専門弁護士-』の劇場版作品です。99.9%逆転不可能と言われる事件で無実の真実だけを追い求めてきた斑目法律事務所の弁護士たちが15年前の難事件に挑んでいきます。本作はシーズン2および公開日前日に放映されたスペシャルドラマ『完全新作SP 新たな出会い篇~映画公開前夜祭~』の続編となり、松本潤や香川照之らテレビドラマ版のレギュラー陣が続投するほか、新ヒロインとして杉咲花が参戦しています。
監督:木村ひさし 出演者:松本潤(深山大翔)、香川照之(佐田篤弘)、杉咲花(河野穂乃果)、西島秀俊(南雲恭平)、片桐仁(明石達也)、マギー(藤野宏樹)、馬場園梓(中塚美麗)、馬場徹(落合陽平)、榮倉奈々(立花彩乃)、青木崇高(丸川貴久)、映美くらら(佐田由紀子)、蒔田彩珠(南雲エリ)、道枝駿佑(重盛守)、池田貴史(坂東健太)、岸井ゆきの(片岡加奈子)、池田貴史(坂東健太)、畑芽育(佐田かすみ)、R-指定(加賀郁夫)、木村文乃(尾崎舞子)、渋川清彦(山本貴信)、ベンガル(太田保)、高橋克実(重盛寿一)、石橋蓮司(若月昭三)、奥田瑛二(大友修一)、笑福亭鶴瓶(川上憲一郎)、岸部一徳(斑目春彦)ほか
映画「99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIEの予告編 動画
映画「99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE」解説
この解説記事には映画「99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIEのネタバレあらすじ:起
班目法律事務所・法務部刑事専門ルームに所属する弁護士の深山大翔(松本潤)は、常に事実のみを追い求め、これまで有罪率99.9%という逆転不可能の事件で逆転無罪を勝ち取ってきました。
班目法律事務所は前所長の斑目春彦(岸部一徳)に代わって佐田篤弘(香川照之)が新所長となり、新たに新米弁護士の河野穂乃果(杉咲花)も加わって日夜難事件に挑んでいました。
神奈川県・不里崖。深山と穂乃果、パラリーガルの明石達也(片桐仁)は、ある事件の再現VTRを撮っていました。穂乃果が被害者役、明石が加害者役、そして深山が撮影係です。この事件の依頼人である漁師の加賀郁夫(R-指定)は、被害者の東野颯太を崖から突き落として殺害した容疑がかけられており、加賀は自分は東野に呼び出されて襲われたのだと正当防衛を主張していました。
実証の結果、現場の砂利を踏むと音が鳴って相手に気付かれることから、深山は現場近くに東野が潜伏していた可能性を示唆しました。現場近くには煙草の吸殻が入っている空のコーヒー缶があり、鑑識の結果吸殻からは東野のDNAが検出されました。
程なくして、東野の事件に検察が新たな証人として三田仁という人物を出してきました。三田は現場が見える吊り橋から一部始終を目撃し、その後熊本に飛んで友人と待ち合わせしたとのことでした。
加賀は東野の遺族から損害賠償の民事訴訟も起こされており、東野の遺族の弁護人として近頃何やら怪しい行動ばかり取っている謎の弁護士・南雲恭平(西島秀俊)がついていました。深山はなぜ今頃になって新たな証人が出てきたのか怪しみ、これは南雲によるでっち上げなのかと考えました。
99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIEのネタバレあらすじ:承
深山は東京地方検察庁の検察官・丸川貴久(青木崇高)から東野の事件に関する資料を受け取りました。加賀と東野との間には揉め事があったようで、東野は被害届を出していたのですが、警察は全く動こうとはしなかったのです。
深山は警察側が今回の一件を隠蔽するために加賀を犯人に仕立てようとしているのではないかと考え、明石と穂乃果、パラリーガルの藤野宏樹(マギー)と中塚美麗(馬場園梓)は現地で再び事件の再現VTRを撮りました。今回は穂乃果が撮影係、明石が三田役、中塚が加賀役、藤野が東野役です。
撮り終えた穂乃果と明石は一足先に熊本に向かった深山の指示を受けて新幹線で熊本に向かい、穂乃果は熊本駅からタクシーで三田が友人と待ち合わせていたという料理店「鉄喜刺寿(てきさす)」に向かいました。明石はタクシーに乗り遅れ、走って穂乃果の後を追いました。
「鉄喜刺寿」には既に深山が来ており、店主は三田が来たのは18時だったと証言しました。穂乃果が到着したのは17時50分、明石が到着したのは18時15分でした。店には「熊本城まつり」のポスターが貼られていました。
いよいよ公判が始まりました。深山は三田に、事件当日は駅からどうやって「鉄喜刺寿」に行ったのか質問したところ、三田はタクシーで移動したと証言しました。深山は三田に駅から「鉄喜刺寿」までのルートを書かせたうえで、事件当日の5月3日は熊本城まつりの日であり、「鉄喜刺寿」の周辺は交通規制が敷かれていたためタクシーで行くことは不可能だったと指摘しました。
三田はその後もころころと証言を変え、その度に指摘した深山は事件を目撃していたのならば18時に「鉄喜刺寿」へ行くのは絶対不可能だと看破しました。
東野の事件の黒幕は三田でした。かねてから漁業権で加賀と揉めていた三田は自分から金を借りていた東野に加賀を襲撃させたのです。深山は、南雲の狙いは主犯が三田であることを明らかにするためだったのではないかと考えました。
99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIEのネタバレあらすじ:転
南雲の娘で天才少女ピアニストのエリ(蒔田彩珠)がウィーン国際コンクールで最優秀賞を受賞しました。エリは空港でマスコミから取材を受けましたが、週刊誌記者のひとりが南雲にエリの実の父は殺人犯の山本貴信(渋川清彦)なのではないかと質問してきました。
南雲は激昂して記者の胸ぐらを掴みましたが、山本の件はそのまま週刊誌に掲載されてしまいました。エリは南雲にこのことを問い質そうとしましたが、南雲は答えようとしませんでした。
エリは(スペシャルドラマ『完全新作SP 新たな出会い篇~映画公開前夜祭~』で名刺をもらった)佐田に連絡を取り、山本が起こしたとされる15年前の事件を調べ直してほしいと依頼しました。
今から15年前、山本は天華村でワイナリーを営んでいましたが、村のワイン祭りでワインに毒物を混入し、4人を殺害した容疑で逮捕されたのです。山本の親友だった南雲が弁護人を務め、南雲も山本も無罪を主張したのですが敵わず、山本は死刑判決を受けてしまったのです。
その後、山本は刑務所で獄中死し、山本の妻(エリの実母)も程なくして亡くなりました。南雲はエリを引き取り、我が子として育てたのです。
佐田は再審請求に備えてエリを自宅で預かることにし、南雲にも協力を求めました。南雲が佐田に渡した15年前の資料によると、当時の裁判長は深山との因縁がある現・東京地方裁判所所長の川上憲一郎(笑福亭鶴瓶)でした。
山本が有罪になった要因は2つ、毒物は山本がブドウの消毒用に購入していた消毒剤であること、そしてワインに毒物を入れる機会があったのは参加者で唯一山本だけだったということでした。しかし、被害者の遺体から検出された毒薬は微量で、山本の薬品であったかは謎のままでした。
当時の祭りの一部始終は村人のひとりである太田保(ベンガル)により撮影され、インターネットにアップされていました。脱サラしてこの村でワイナリーを開いた山本は当時は村人から歓迎されていましたが、ワインで金賞を獲ったあたりから村人たちから疎まれるようになっていました。
深山は南雲から山本の自宅の鍵を借り、穂乃果や明石と共に天華村へと向かいました。薬品が保管されていた山本の家の車庫はシャッターの音が大きく、こっそり盗み出すことは不可能でした。現場検証の写真によると薬品棚の前にあったコンテナが出されており、車庫には山本の妻の車があったはずではないかと思われました。
深山は明石に車の大きさを調べるよう命じ、山本が遺していたワイン製造法のノートを借りました。太田やこの村でワイナリーを営む重盛寿一(高橋克実)ら村人たちは事件は解決済みだとして深山たちを追い返そうとしましたが、重森の息子・守(道枝駿佑)が話をしたいと言ってきました。
事件当時4歳だった守は全く記憶になかったことでしたが、2年前にアメリカに渡ったきり音信不通になった幼馴染の圭太が「犯人は山本ではないかもしれない」と言っていたのが気になっていました。
深山たちは当時の映像をもとに、(穂乃果がスペシャルドラマで知り合った人物の知り合いの)劇団員たちの協力を得て再現VTRを撮りました。当時、山本は屋台で唐揚げを揚げており、深山はこれから人殺しをする人間がわざわざ唐揚げを二度揚げする必要があるのかと考えました。
事件当時、会場にはワインの樽が2つ用意されました。それぞれ神輿に載せられた樽は会場の表と「ワイン神社」の前に運ばれ、村人たちは神社側のワインで鏡割りをしてワインが参加者たちに振る舞われました。
そして唐揚げを揚げていた山本が会場に移動するまで「空白の7分間」が生じていたこと、毒が混入されたのは会場の表の樽だったことが明らかになりました。深山はカメラがしばらくの間固定されていたことに気付き、撮影していた太田も動けたのではないかと考えました。
会場には救急車が到着するまで時間がかかったため、山本が倒れた人を運ぶと申し出ていました。山本の妻はエリがまだ幼かったため自宅にいたのですが、山本と共に2台の車で村人たちを助けていました。
ワイン樽に混入されたと思わしき消毒液の空の瓶は近所の畑から発見されました。そして山本が入手した消毒液の本数は95本でしたが、実際に薬品会社に注文したのは96本でした。深山らは何者かが余分に1本購入したものだと考えました。そして事件当日、何者かが山本の家のガレージのコンテナを動かした形跡までもが判明しました。南雲からエリを助けてほしいと懇願された佐田は深山らの集めた証拠などから再審請求は可能だと判断しました。
99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIEの結末
太田はヤメ検弁護士の大友修一(奥田瑛二)を伴って記者会見を開き、自分は犯人扱いされたとして班目法律事務所を非難しました。深山らは村人たちが再審を妨害すべく班目法律事務所に罠を仕掛けたのではないかと考えました。
やがて被害者の体内の毒物の分析結果が判明しました。サンプルが古すぎたために結果は結局わからずじまいで、山本の消毒液と被害者の毒物が一致する可能性は49.999%とされました。その時、穂乃果はグラスのワインの量が違うことに気付きました。事件当時よりも現場検証時の方がワインの量が入多くなっていたのでした。
深山らは劇団員や守らの協力を受け、再度事件を再現することにしました。焦点は事件当時、グラスにワインを継ぎ足したのは何者かということでした。深山は山本以外でワインを継ぎ足すことができたのは村の子供たちしかいなかったと結論づけました。
真犯人は何と当時子供だった圭太と守でした。重盛は事件の真相について語り始めました。当時、圭太と守は重盛から消毒液はワインが美味しくなる薬だと聞かされており、善かれと思ってワインに混ぜたのです。そして村人たちは山本に罪を擦り付けることにしたのです。
真相を知った南雲は「無実の罪で苦しんだ者がいる」と守を責め、佐田は全てを明らかにするために再審請求をしました。しかし、請求は通ったものの当時の子供たちを罪に問うことはできず、村人たちの隠蔽工作についても時効が成立していました・・・。
・・・この日はエリのコンサートの日。深山や穂乃果、家族を伴った佐田は会場に行きましたが、南雲は自分はエリに会う資格はないとエリのステージを観ようとはしませんでした。それでも佐田と穂乃果は南雲を説得し、南雲は深山らと共にエリのステージを見届けました。
その後、エリは実父・山本の墓参りをしていました。そこに深山に連れられて守も現れました。エリは無言でその前を通りすぎ、守はエリに頭を下げました。深山は山本の墓前に「15年経ったけど、事実を見つけることができました」と報告しました。
後日。深山は元斑目法律事務所で裁判官の尾崎舞子(木村文乃)から、川上が所長を辞職したことを知らされました。そして班目法律事務所は新たな訴訟に挑もうとしていました。
以上、映画「99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE」のあらすじと結末でした。
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