レインメーカーの紹介:1997年アメリカ映画。原作はジョン・グリシャムの『原告側弁護人』。苦学して弁護士になった若者ルディは、紆余曲折あり医療保険未払いを巡る民事裁判を引き受ける。初の裁判が依頼人は瀕死の白血病患者で世間を左右するような大仕事となる。危急存亡の秋に雨乞い師に頼み込むように、ルーディは依頼人に大金の雨を降らす弁護士、レインメーカーになれるだろうか。
監督:フランシス・フォード・コッポラ 出演者:マット・デイモン(ルーディ・ベイラー)、クレア・デインズ(ケリー・ライカー)、ジョン・ヴォイト(レオ・F・ドラモンド)、ダニー・デヴィート(デック・シフレット)、ほか
映画「レインメーカー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「レインメーカー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
レインメーカーの予告編 動画
映画「レインメーカー」解説
この解説記事には映画「レインメーカー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
レインメーカーのネタバレあらすじ:第1幕
青年ルーディは、公民権運動で戦った弁護士達に憧れ弁護士を目指します。弁護士が捨てる程居るメンフィスでコネもない彼は、悪徳弁護士ブルーザーの下で働く事になります。ルーディーは、ロースクールの実習で既に弁護の仕事を手に入れていました。一つは老未亡人バーディーの遺言書作成で、もう一つは大手保険業者相手に医療保険未払いを巡っての訴訟でした。ブルーザーは事務所の保険担当デックを相棒に付け、その仕事を進めさせます。デックはロースクールは卒業しましたが、司法試験に受かっていませんでした。ルーディはまず、保険関連の仕事から手をつけます。被害者のダニーは白血病でした。精神疾患を煩っている父親に代わり、母親が応対してくれました。保険会社は色々言い訳をつけてその手術に保険を適応させようとせず、挙句、払われる事がない旨、暴言を書き連ねて文書にし、彼は手術が受けられず死に体でした。ルーディは訴訟手続きの了承を得て、正式に代理人となります。次にバーディー夫人に会いに行き、遺言書作成の仕事を手に入れます。しかしバーディー夫人は、遺産を事もあろうか、テレビ伝道師に寄付すると言い出します。ルーディはその話に難色を示しましたが、夫人の意思は頑なでした。別れ際、夫人宅の離れが空いているのを見て、宿無しだった彼は格安でその部屋を借りる事にします。ルーディはデックと共に病院で依頼人を捜します。ブルーザーの仕事の取り方は強引そのもので、若く、理想に燃えるルーディは眉を潜めざる得ないものでした。そのブルーザーもFBI等から捜査を受けている事が新聞沙汰になっていました。そんな中、ルーディは病院で司法試験の勉強をしていると、一組の男女に目が向きます。女性は明らかにDVを受けていました。デックに調べてもらうと、男女はライカー夫婦で、妻のケリーは夫から暴力受け続けているが、夫が起訴された事はありませんでした。それを知って暫くしてルーディは、思い切ってケリーに話し掛け、自分が弁護士見習いである事を自己紹介しました。
レインメーカーのネタバレあらすじ:第2幕
ルーディは、暴行を受け続けるケリーに次第に親身になって行きます。彼は、彼女に入院中なら証拠も集め易いと離婚訴訟を勧めますが、ケリーは夫に怯え決断できませんでした。下宿に帰ると、バーディー夫人に来客が来ていました。それは息子夫婦で、夫人の遺言書に関して乱暴な態度を取ります。そこでルーティが、夫人が莫大な財産を持っていると嘘をつくと、掌を返して優しく接するようになりました。弁護士と依頼人は距離を置けとも言われますが、ルーディは、ダニーを草野球を見せに行ったり、自分の下宿に招いたりして親しくなっていきました。そして司法試験に合格し、本格的に彼の弁護士として活動し始めます。そんな矢先、ブルーザーがFBIに逮捕されました。デックはこれを機に、ルーディを誘って独立します。ルーディは、ダニーの裁判に弁護士として立ちますが、経験のない新人弁護士という事で、保険会社側の弁護団はもとより判事ですら冗談扱いします。判事は、自ら起訴を取り下げ示談での和解を勧めます。弁護団代表ドラモンドは、5万ドルから7万5千ドルの金額で応じると言ってきました。判事も会社側という四面楚歌の中、ルーディは裁判の続行を選択します。その直後、判事が急死し、代わりに元公民権活動家の判事が就任するという朗報が入りました。デックは、レインメーカーになれるぞと興奮します。新しい担当判事は公平で、企業不正に厳しい人物でした。その判事の下裁判が始まり、お互いの聴取が行われます。弁護団とドラモンドは、エリート意識が高く、司法システムを見下していました。ダニーの聴取は問題なく終了しましたが、会社側の聴取では、ルーディが重要な証人としてリストに上げていた女性が既に依願退職していたり、他の証人も人員削減で解雇されていたりと、明らかな証人隠しがされていました。ダニーの容態は日に日に悪くなって行きます。そんな時、ケリーから電話が入り、夫に命を脅かされます。ルーディは見過ごせず彼女を自分の下宿に匿いました。
レインメーカーのネタバレあらすじ:第3幕
ダニーの病状が進行し、とうとう亡くなってしまいます。葬儀の席でダニーの父は何時に無く放心しており、そんな彼にルーディは、家にあったダニーのポートレートを手渡し慰めます。事務所に行くと、デックが声を出すなとジェスチャーしてきます。何事かと思うと彼は馴染みの業者を呼び、盗聴器を捜していました。それはすぐに見付かり、警察等の支給品ではない事から、おそらくドラモンドの事務所が仕掛けたものでした。デックはそれを逆手に取り罠をかけます。陪審員候補に一人がルーディーに電話して事前に話し合っているように装います。陪審員選出の時、ドラモンドはルーディーが裏取引をしていると訴え、根拠もない言い掛かりだと陪審員と判事の心象を悪くしました。ダニーの裁判が続く間もルーディはケリーに寄り添い、彼女の離婚手続きを手伝い、成立させました。ダニーの母親が証言台に立ちます。ルーディの質問は、経験不足から推測だと意義が申し立てられ却下され続けます。それでも保険請求の却下文書に書いてあった暴言は読み上げる事が出来、夫人は賠償金は全て協会に寄付すると言います。ドラモンドはダニーの手術は成功率が低い為保険は却下されたと主張します。その証拠も提出しますが、これも経験不足で排除できませんでした。夫人は息子に最高の治療を受けさせたかったと切々と語ります。ルーディはケリーと彼女の家に荷物を取りに忍び込みます。そこに元夫が帰ってきて彼は大暴れします。二人は何とか元夫をバットで殴り倒して静かにさせます。その時ケリーは、ルーディに来なかった事にしてと家を追い出しました。暫くして、警察がやってきました。そしてケリーを逮捕します。ケリーの罪状は元夫への殺人容疑でした。ルーディは彼女が妙に冷静だった事を思い出し、残してきた事を後悔します。彼は早速警察署に行き、彼女の弁護士となります。
レインメーカーの結末:第4幕
ダニーの裁判が続き、その鍵は依願退職したという査定係の女性でした。その女性をデックが遂に見付けて来ます。そして彼女はの口から、会社に請求された保険の殆どが正当な理由も無く却下され、それが利益になっていた事が語られます。彼女はそれを法廷で証言する事を約束してくれました。ルーディはその女性を早速証言させようとします。それにドラモンドは事前通知が無かったと異議を申したますが、デックが抜け穴を指南しすり抜けます。彼女は、自分は証人隠しの不当解雇で、会社が不当に保険を支払っていなかった事を証言します。そして、その証拠であるマニュアルも提出されましたが、それに関してドラモンドが査定係が盗み出した盗品だと異議を申し立てたので、証拠として採用されませんでした。ドラモンドは、査定係の女性に対して、彼女がアルコール中毒で自主入院していた事、そして、会社重役と肉体関係にあった事を暴露し、彼女の証人としての質を惜しめました。そこでデックは、慌てて南国に逃亡中のブルーザーに連絡を取り、盗品を証拠にする方法を聞き出します。その頃ルーディは、ケリーの担当検事から電話を受けます。そして、釈放される彼女に起訴が見送られて、正当防衛で無罪になった事を告げます。ダニーの公判は続き、遂に社長を証人喚問することになりました。ルーディは、デックのアドバイスによって、マニュアルの証拠採用を判事に認めさせます。ルーディは社長に、会社の方針で請求を却下させる事がマニュアルに書かれている部分を読み上げさせます。そして、会社の文書から、保険の支払いが9割近くも行われていない事を証明、更に白血病の治療法に関して投資をしている事を説明させます。社長は、会社に不利な証拠を抑え切れなかったドラモンドに不満を顕します。ドラモンドが最終弁論を行い、続いてルーディが行います。ルーディは、ダニーを救えなかった無念を語り、ダニーの聴取時に取った映像を陪審員に見せます。ダニーの父親は、息子のポートレートを社長に見せ抗議しました。陪審員の票決が出ます。落ち着かないデックの横で、ルーディはダニーの名とその生誕、没年をメモに書き込みます。票決は、ダニーへの保険満額支払いと、高額な懲罰的賠償金支払いを命じました。この票決をテレビが大々的に報道します。ルーディーは、ケリーとバーディ夫人と共に視聴します。夫人はそれを見て、遺言書に彼の名前を入れると言い出しました。その後、保険会社は社長が海外逃亡を図り、会社自体は破産手続きを申請しました。ルーディにドラモンドから、お互い金を取り損ねたと嫌味の電話が掛かってきました。和解しておけば良かったとデックは悔しがります。ルーディは、ダニーの母親に保険会社が倒産した事を報告します。母親は、大会社を破産させたと自慢げでした。ルーディーは廃業を決めました。法律を教える側に回るためにケリーと遠くへ行く事を決めた彼は、弁護士事務所を閉めます。初仕事が大勝利だったという事で、これから来る顧客達もルーディにそれを望むでしょう。それを叶える為にドラモンドのように手段を選ばなくなる弁護士になるのが嫌だったのです。ルーディは別れを惜しみ、去っていくデックに司法試験に浮かれよと声を掛けて、見送りしました。
以上、映画「レインメーカー」のあらすじと結末でした。
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