シェルブールの雨傘の紹介:1964年フランス映画。第17回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。自動車修理工の工員とパリの街に店を構えるおしゃれな傘やの娘のふたりの恋が、戦争によって引き裂かれそれぞれの人生を歩む悲恋物語を描くミュージカル映画。
監督:ジャック・ドゥミ 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ニーノ・カステルヌオーヴォ、マルク・ミシェル 、エレン・ファルナー、アンヌ・ヴェルノンほか
映画「シェルブールの雨傘」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シェルブールの雨傘」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「シェルブールの雨傘」解説
この解説記事には映画「シェルブールの雨傘」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シェルブールの雨傘のネタバレあらすじ1
自動車修理工の工員が傘屋の娘と恋する。娘は工員を愛しているけれども、娘の母はまり乗り気でない。母は店の経営に行き詰まり宝石を売ろうと宝石店に出向くのだが売れない。そこにいた宝石商の金持ちの男に母親は目を付け娘と結婚させようと企む。あるその宝石店で出会った宝石商の男が店にくるというので娘と軽く見合いさせようと試みる母であったが、娘は雨の中店を飛び出し工員の彼に会いにいくのだ。
シェルブールの雨傘のネタバレあらすじ2
娘は工員と結婚がしたくてしょうがない。母は工員との結婚をもちろん快く思っていないし、娘の若気の至りだと散々たしなめようとする。そして、工員の彼に召集令状が着た。生きて帰って来れるか分からない彼は傘屋の娘と最後になるかもしれない別れの時間を迎える。ふたりで美しい調べを歌い、工員の彼を見送りに駅へ来る。そして、彼はいってしまった。その間に傘屋の娘と工員は手紙のやりとりを続ける。そして娘は工員の彼の子どもをみごもった。
シェルブールの雨傘のネタバレあらすじ3
母は相変わらず宝石商の男を娘の婚約者にしようと必死であるから、娘が身ごもったことにげんなりする。しかし、娘は宝石商の男がもし他の男の子を妊った彼女を愛するのならば結婚してもいいという。宝石商の男と娘はとうとう結婚してします。その後戦争が終わり工員が帰国して傘屋の娘のいた傘屋にいくと、その店はすでにつぶれており新しい店構えをしていた。手紙の返事もだんだん無愛想になっていることから彼女がもはや彼に気がないのではにかと彼自身も気づいていた。
シェルブールの雨傘の結末
そんな日、彼が看病していたおばさんが死んだ。おばさんを看病していた身寄りのない娘と工員は互いにさみしさを埋め合わせるように結婚し子どもを設けた。そして、ある片田舎でガソリンスタンドをはじめる。冬の寒い雪の降る版に一台の黒塗りの車がそのガソリンスタンドにやってきた。そこには、あの傘屋の娘とその子が乗っていた。ふたりは久しぶりに再会したのだ。女はさみしそうな顔をしている。申し訳なさそうでもある。そして、男にこう訪ねる「貴方は幸せ?」
「シェルブールの雨傘」感想・レビュー
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全編を通して流れるなミシェル・ルグランの楽曲と主人公カトリーヌ・ドヌーヴの憂いた美しさ、そして雨の多いシェルブールという港町の風景がハリウッドのミュージカル映画の明るさとは対照的なフランス映画のロマンチックでアンニュイな世界観を作りあげています。テクニカラーの色彩もきれいで、観ていると食べた後悲しくなるようなマカロンを口にしているような気持ちになりました。
本編を視聴すれば分かると思いますが、まず主人公の母親が宝石商と出会い、その後もたびたび傘屋に訪れるので、母親は宝石商が自分に気があるものとばかり思い込んでいたように感じられました。「娘さんとの結婚を考えている」と宝石商の男が母親に告げたとき、母親が「私目当てじゃなかったの?」と言わんばかりの表情をしていたのが印象的でした。(考察は視聴者によって異なると思います。)
戦争ではなく正しくは兵役ですが、あのとき懐妊してしまったことで、主人公の家庭の経済事情も重なって、恋人の2年間の兵役を終えるのを待つことができずにやむなく嫁いでいったことには無常観がありました。
数年後に二人はガソリンスタンドで再会を果たしますが、かつて深い愛を誓い合った二人の美しい調べを、作品の終盤においてBGMとして採用したことで、アイロニーや強い哀愁が感じられました。