機動戦士ガンダムの紹介:1981年日本映画。1979年にテレビ放映されたロボットアニメの金字塔を劇場向けに再編集したもので、三部作の第1弾です。人類が宇宙に進出した時代、ごく普通の少年アムロが人型兵器(モビルスーツ)の「ガンダム」と出会い、宿命のライバルとなるシャアとの対峙を経て、地球圏を揺るがす大戦に巻き込まれていきます。
監督:富野由悠季 声の出演者:古谷徹(アムロ・レイ)、池田秀一(シャア・アズナブル)、鈴置洋孝(ブライト・ノア)、井上瑤(セイラ・マス)、古川登志夫(カイ・シデン)ほか
映画「機動戦士ガンダム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「機動戦士ガンダム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「機動戦士ガンダム」解説
この解説記事には映画「機動戦士ガンダム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
機動戦士ガンダムのネタバレあらすじ:起
宇宙世紀0079。人類が宇宙に本格進出した時代。地球圏を統括する地球連邦政府は増えすぎた人口を宇宙空間に建造されたスペースコロニーに移民させていましたが、コロニー群のひとつが突如「ジオン公国」を建国し連邦からの独立を宣言、後に「一年戦争」と呼ばれることになる地球圏を巻き込んだ大戦が勃発します。ジオン軍は最新鋭の人型ロボット兵器「モビルスーツ」を投入、当初は戦局を有利に進めますが、連邦も対抗して新型モビルスーツの開発に乗り出し、戦争は膠着状態のまま数ヶ月が経ったある日。コロニー群「サイド7」にジオン軍が侵攻、住民が避難する最中、民間人の少年アムロ・レイ(古谷徹)は偶然にも連邦軍の最新鋭試作型モビルスーツ「ガンダム」の説明書を発見します。アムロは宇宙港に搬入されていたガンダムを見つけ、とっさにコクピットに乗り込むとジオン軍のモビルスーツ「ザクII」数機を初めての操縦にも関わらず撃退します。それから間もなくジオン軍の戦艦がサイド7に奇襲をかけ、仮面を付けた指揮官のシャア・アズナブル少佐(池田秀一)が自らコロニーに潜入し連邦軍の新型兵器を調査しようとしましたが、偶然サイド7の住民のひとりセイラ・マス(井上搖)と出くわします。セイラはこの仮面の男は生き別れた兄だと確信しますがシャアはその場を立ち去ります。ジオン軍の奇襲は連邦軍・民間人ともに多大の死傷者を出し、宇宙港に入港していた連邦軍の戦艦「ホワイトベース」の艦長も重傷を負い、代わりに急遽若き士官候補生ブライト・ノア(鈴置洋孝)が陣頭指揮を執り、民間人の収容とガンダムなどの兵器の搬入に当たります。少年たちを指揮し、住人たちをホワイトベースに避難させていきます。その中にはフラウの姿もありました。ブライトはガンダムに乗ったままのアムロにも指示し、資材をホワイトベースに搬入させると、正規兵の数が足りないのでやむを得ず民間人のミライ・ヤシマ(白石冬美)にホワイトベースの舵取りを任せると、宇宙空間へ出航します。
機動戦士ガンダムのネタバレあらすじ:承
すぐさまシャアはザク部隊を率いてホワイトベースを追撃、自らも専用の赤いザクを駆り出撃します。シャアは「赤い彗星」の異名をとるエースパイロットとして恐れられている存在でした。やむなくガンダムで迎撃したアムロはシャアのザクの動きに翻弄されますが、ガンダムの性能と武器を生かし辛うじてシャアを退けます。人手が圧倒的に足りず、戦闘経験のない民間人の力を借りざるを得ないホワイトベースは難民を乗せて地球に向かいます。シャアの部隊の追撃をかわして何とか地球に降り立ったホワイトベースですが、その航路はシャアは策略により予定のルートを大きく逸れ、ジオン軍の勢力下に誘導されていたのです。地球に降り立ったシャアは、士官学校時代の同級生であるジオン軍地球部隊指揮官ガルマ・ザビ(森功至)と対面し協力を要請します。ガルマはジオン公国を支配するザビ家の末弟というエリート中のエリートです。ガルマは自分に手柄を譲ってくれるシャアに感謝すると、部隊をホワイトベースに差し向け、自らも戦闘機で出撃します。
機動戦士ガンダムのネタバレあらすじ:転
ホワイトベースは度重なる戦闘にさらされ、アムロは心身ともに疲弊し切っていました。アムロの友人ハヤト・コバヤシ(鈴木清信)は士官候補生のリュウ・ホセイ(飯塚昭三)と組んで戦車型モビルスーツ「ガンタンク」に乗り、同じく民間人のカイ・シデン(古川登志夫)もまたモビルスーツ「ガンキャノン」を駆り出撃する中、アムロは出撃を拒否しブライトの怒りを買います。ブライトに殴られたアムロはふてくされて「親父にも打たれたことないのに」と愚痴りますが、実はアムロのパイロットとしての腕を買っていたブライトは「殴られもせず一人前になったやつがどこにいるのか。それだけの才能があれば、シャアを越えられるかもしれなかったのに」と返します。ようやく戦意を取り戻したアムロはガンダムで出撃、ガンダムの持つポテンシャルを生かしてガルマの部隊を翻弄します。ガルマは辛くも脱出、後を追おうとしたアムロでしたが、駆け付けた連邦軍の援軍に深追いするなと命じられました。援軍を率いる女性将校のマチルダ中尉(戸田恵子)はアムロの戦いぶりを高く評価し、アムロはマチルダに生まれて初めての恋愛感情を抱くようになっていきました。一方、ガルマは恋人のイセリナ(上田みゆき)と束の間の逢瀬を重ねていました。反ジオン派であるイセリナの父から交際を反対されていたガルマは、恋を成就させるべくホワイトベースを落として武功を挙げようと目論み、再度攻撃を仕掛けます。廃墟の街に追い込まれたホワイトベースは、艦を物陰に隠し背後からガルマ隊を狙い撃ちする作戦に出ます。ホワイトベースの作戦を見抜いたシャアはこの事をひた隠し、あえてガルマを戦場に向かわせます。ホワイトベースの作戦は成功し、ガルマ隊は次々と撃ち落とされていきます。シャアは高みの見物とばかりにガルマに「君の生まれの不幸を呪うがいい」と伝えます。ガルマは初めて自分がハメられたことに気付きましたが時すでに遅し、最後は自ら空母を操縦してホワイトベースに特攻を仕掛けるも撃墜され、ガルマはイセリナとの愛の日々が走馬灯のように駆け巡るなか「ジオン公国に栄光あれ!」と叫んで壮絶な最期を遂げます。ガルマの死はジオン公国に伝えられ、シャアは責任をとって左遷されます。ガルマの父デギン・ザビ公王(藤本譲)はガルマの冥福を静かに祈りますが、長兄のギレン・ザビ総帥(銀河万丈)はガルマの死を戦意高揚に利用しようと目論みます。
機動戦士ガンダムの結末
ガルマ隊を攻略したホワイトベースは束の間の休息に入りました。そこはアムロの故郷の近くで、母(倍賞千恵子)はそこで一人暮らしをしています。そこでアムロは母親に会うことにしました。しかし、故郷でアムロが見たものは、酒に酔った連邦軍兵士たちが民間人の女性に乱暴する様でした。アムロは難民キャンプで働く母親と再会を果たしますが、ジオン軍兵士に見つかるや銃を取り出し発砲してしまいます。母はアムロの変わりように衝撃を受け「人様に鉄砲を向けるなんて」と嘆くと、我が子がホワイトベースに乗って飛び立つ姿ををただ見つめて涙するのみでした。マチルダは、アムロらホワイトベースクルーの勇敢な戦いぶりを見て、彼らは宇宙の過酷な環境で進化を遂げた「ニュータイプ」なのではと感づき始めていました。ジオン軍は新たに地球に赴任したランバ・ラル大尉(広瀬正志)にホワイトベース追撃を命じます。鞭型の武器ヒートロッドを操るランバ・ラルの新型モビルスーツ「グフ」はザクよりも高性能でアムロを圧倒しますが、ランバ・ラルは深追いせず離脱します。アムロがホワイトベースに戻ると、ガルマの国葬が全世界で中継されており、ギレンが大々的な演説を行っていました。とあるバーで放送を見ていたシャアは、ギレンがガルマはなぜ死んだかを国民に問いかけるのを見て「坊やだからさ」と呟きます。ブライトはこう言いました。「何を言うか。ザビ家の独裁を目論む男が何を言うのか」と。
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