未来世紀ブラジルの紹介:1985年イギリス,アメリカ映画。テリー・ギリアムのSF映画作品。レトロな雰囲気でダクトむき出しの部屋やラリーの母たち富裕層の整形依存とファッションへのこだわりはおもしろくもあり強烈な印象も与えます。『死ぬまでに観たい映画1001本』でも紹介されている作品です。
監督:テリー・ギリアム 出演者:ジョナサン・プライス(サム・ラウリー)、ロバート・デ・ニーロ(タトル)、キム・グライスト(ジル・レイトン)、イアン・ホルム(カーツマン氏)、ピーター・ヴォーガン(ヘルプマン次官)
映画「未来世紀ブラジル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「未来世紀ブラジル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「未来世紀ブラジル」解説
この解説記事には映画「未来世紀ブラジル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
未来世紀ブラジルのネタバレあらすじ:起
20世紀のどこかの国。ダクトだらけの家でクリスマスを祝う家族のところへ大勢の情報省の人間が押し入り、この家の主のA・バトル氏を逮捕しにやってきます。この国はすべての情報管理をコンピュータで管理されており、たまたまタイプライターに一匹のハエが入ってしまったことが原因でA・タトルを逮捕するはずだったのにA・バトルを誤認逮捕してしまったのでした。このシステムに反発するテロも多発していました。サム・ラウリーは記録局に勤務していました。彼の母は整形が趣味でサムが出世できるように自分の力を使い、彼を出世できるように根回ししていました。
未来世紀ブラジルのネタバレあらすじ:承
サムの自宅の暖房装置がおかしくなり“セントラス・サービス”へ連絡しますが、なかなか修理にきてくれない業者にいらだつサムのところへもぐりの修理屋のタトルが表れ、あっという間に修理を終えてしまいます。書類の手続きが嫌いなタトルは闇で修理屋をすることを選び作業していました。しかしこの国はフリーの修理屋は認められずタトルには逮捕状が出ていたのでした。誤認逮捕されたバトルへの払戻金を返すためにサムは彼の家族の元へ向かいました。そこで彼がいつも夢の中でみていた女性にそっくりな人を見かけ、慌てて追いかけますが追いつきませんでした。近所の子どもがその女性は“ジル・レイトン”だと教えてくれました。
未来世紀ブラジルのネタバレあらすじ:転
彼女のことが知りたいサムは職場に戻り彼女のデータを検索しますが、彼女も犯罪者のため名前以外を知ることができず、彼女の情報を知るには情報剝奪局へ昇進しなければなりませんでした。どうしても剥奪局へ入りたいサムはヘルプマン次官へ直談判し、職に就くことができ、先に出世していたジャックを頼り彼女の情報を手に入れ、彼女を助けようと必死で行動します。そしてサムは彼女を助ける手段として彼女のデータにアクセスし『死亡』したことに改ざんしたのでした。
未来世紀ブラジルの結末
サムの想いが彼女にも届き、幸せいっぱいのはずでしたが、2人と元へ情報省が押し掛けます。そこでサムは捕まり、ジャックの拷問(表向きは尋問)を受けるところへタトルと彼の仲間たちが助けに来てくれます。サムは外へ出ることはできたが爆破テロにあい、タトルと離れてしまいます。サムは逃げ切り、最後はジルのトラックで2人でこの国を脱出するのでした…。というのは、サムのイマジネーションであり、実際はジャックの拷問を受けた彼は廃人と化し、ジルは情報省が押し掛けてきたときにすでに射殺されていたのが現実でした。
この映画「未来世紀ブラジル」は、テリー・ギリアム監督が、悪夢的イマジネーションで、現代社会を鋭く風刺した作品だ。
近未来の管理社会を舞台に、空を飛ぶことを夢見る小役人は、誤認逮捕事件の目撃者が、夢に現れる女性にそっくりだったことから、彼女を助けようとして、混乱の悲劇に巻き込まれていく。
ジョージ・オーウェルの「1984年」のような悪夢の管理社会を、奇才集団「モンティ・パイソン」のアニメーターだったテリー・ギリアムが、ダクトだらけのセット、顔をこねくりまわす美容術、鳥人となった主人公に襲いかかるサムライ戦士などの、独自のイマジネーション溢れる映像で描いていて、実に素晴らしい。