陰日向に咲く(かげひなたにさく)の紹介:2008年日本映画。パチンコ依存症で借金取りに追われるシンヤはストリップ劇場に入れられそうになっている寿子という女性を助けます。彼女は母の足跡を追っていました。一方アイドルオタクのゆうすけはみゃーこというアイドルを追いかけていますが、彼女のテレビでの扱いは良いものではありませんでした。また社会に疲れたサラリーマン・リュウタロウは自由なホームレス・モーゼに憧れます。この6人のそれぞれの話が交錯するオムニバス形式の映画で、原作は劇団ひとり。
監督:平川雄一朗 出演:岡田准一(シンヤ)、宮崎あおい(鳴子・寿子)、伊藤淳史(雷太)、平山あや(みゃーこ)、緒川たまき(ジュピター)、西田敏行(モーゼ)、塚本高史(ゆうすけ)、三浦友和(リュウタロウ)、ほか
映画「陰日向に咲く」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「陰日向に咲く」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「陰日向に咲く」解説
この解説記事には映画「陰日向に咲く」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
陰日向に咲くのネタバレあらすじ:起
バスの運転手として働くシンヤはパチンコ依存症で借金取りに追われていました。ある日の夜、浅草を歩いていたところ、ストリップ劇場に入れられそうになっている女性・寿子を助けます。彼女は自身の母親の足跡を追って浅草の劇場まで来たと話します。彼女の母・鳴子は若い頃、雷太という芸人とコンビを組み、浅草のストリップ劇場で働いていました。雷太のことを知り、消息を追っているとのことでした。シンヤは寿子の手伝いをすることにします。一方、社会・家庭生活に疲れたサラリーマン・リュウタロウは人混みをかき分け歩いていく自由なホームレス・モーゼに憧れ、社会も家庭も捨てる覚悟でホームレス生活を始めます。そしてアイドルオタクのゆうすけは武田みやこ(通称みゃーこ)というアイドルを追っていました。しかしみゃーこのイベントはゆうすけ含め、たった3人と悲惨な状況の中、なんとか人気者にしようと奮闘します。
陰日向に咲くのネタバレあらすじ:承
寿子とシンヤは浅草の映画館で昔ストリップ劇場の支配人をしていた人物と接触しますが、雷太の消息はわかりませんでした。しかし鳴子と雷太が芸人コンビを突如解散してしまった経緯としてストリッパーのジュピターが関わっていることがわかりました。シンヤは協力できたことをうれしく思いますが、一方でパチンコから抜けられず、会社から出た50万円も無くなってしまいました。借金取りからお金を作る方法としてとうとうオレオレ詐欺に手を出します。そこで出たおばあさんとの会話で健一という息子になりきり、花火大会で会う約束をします。一方、ホームレスの中で野球選手の川島が父親を探しているという情報が入ります。モーゼの暮らしていた場所から川島の切り抜きや小さい頃の写真があったことから父親はモーゼということになり、川島と暮らすためホームレス生活を抜けることになりました。モーゼの20年間の捨てた生活を聞き、リュウタロウはモーゼの暮らしていた場所を守ろうとします。そしてアイドルオタク・ゆうすけはみゃーこがゴールデン番組に出る情報を得ます。しかし確認したところ、健康番組で血がドロドロのドロ子に扮したみゃーこが汚れ役として出ていました。ゆうすけは状況を打開しようと番組にドロ子を応援するメールを書き込みます。
陰日向に咲くのネタバレあらすじ:転
シンヤはパチンコをしていたところを会社の所長にみつかり、同僚全員の前で謝るよう怒鳴られます。会社から出た50万円は会社からの支給ではなく、同僚全員のカンパのお金だったからです。同僚から弁護士への無料相談を進められたシンヤは相談に行きますが、担当弁護士として寿子がつくことになりました。寿子はシンヤに両親との相談を求めますが、シンヤは拒みます。シンヤの母親は病気で亡くなり、延命措置をとるか話し合う手前で相談なく、父親がその措置を外すよう医師にお願いしていたところを見て恨んでいたからです。シンヤのパチンコ依存症は親の期待に応えられない情けなさと母親の死から深刻になったのでした。花火大会当日、おばあさんが約束の時間にも来ないので、電話してみると体調を崩して入院するお金もないといわれます。シンヤは父親を頼り、電話をかけますが出ません。実家に帰りますが、家族写真が捨ててあることにショックを受けます。一方リュウタロウはかかってきた電話に出ることはありませんでした。ホームレスに家の事情を聞かれ、妻は亡くなり、借金をつくり、いつまでも帰ってこない息子を待つことに疲れたと話しました。リュウタロウはシンヤの父親だったのです。そしてゆうすけですが、みゃーこから自分宛にメールが入っていたことに気づきます。開けてみると応援メールはゆうすけではないか、そして自分は小学生のときゆうすけと同じ小学校にいたことが書かれていました。その時ゆうすけは転校していった初恋の相手がみゃーこであることに気づきます。
陰日向に咲くの結末
おばあさんが亡くなったことを知り、シンヤはおばあさんの家を訪ねます。するとそこにモーゼがいました。モーゼは川島の父親ではなく、鳴子とコンビを組んでいた雷太でした。雷太はジュピターに暴力をふるう米兵に挑み、その返り討ちにあったことで足を悪くしてしまいました。ジュピターへの想いもあり、芸人をやめ、鳴子の元を去ったといいますが、鳴子に対して非常に後悔しているとシンヤに話します。そこに寿子がやってきました。支配人にジュピターの消息を聞き、訪ねたのです。寿子は母は雷太さんと一緒に居たかっただけだと話し、母親・鳴子の想いを伝えます。そしてモーゼは浅草で待つ鳴子の元に走ります。シンヤはジュピターの息子健一が2歳で亡くなっていることを知り、残された手紙を読みます。そこにはシンヤの電話を健一に重ね、電話を楽しみにしていたこと、お金は用立てしたと書かれていました。そのお金は小銭や千円札で集めたもので、シンヤは泣き崩れます。一方ゆうすけは人気が出てきたみゃーこの握手会で自分は同級生としてではなく、自分のアイドルとしてみゃーこを応援していくと決めます。シンヤは実家に帰り、父親・リュウタロウに連絡しました。リュウタロウもモーゼの嘘に気づき、本当の川島の父親の話を聞いて、家に戻っていました。シンヤはリュウタロウに延命措置をしても母親は長くないことがわかっていた、ずっとごめんと言いたかっただけだと泣きながら言いました。リュウタロウは久しぶりに写真をとろうとシンヤに声をかけ、毎年のように桃の木の下で撮っていた写真を撮るのでした。
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