ヒトラーへの285枚の葉書の紹介:2016年ドイツ,フランス,イギリス映画。ヒトラー政府に反対する葉書を2年余りにわたって建物の階段に置き続けた職工夫婦の実話に基づくハンス・ファラダの小説『ベルリンに一人死す』の映画化。監督は『王妃マルゴ』等の俳優であるヴァンサン・ペレーズ。英語作品。
監督:ヴァンサン・ペレーズ 出演者:エマ・トンプソン(アンナ・クヴァンゲル)、ブレンダン・グリーソン(オットー・クヴァンゲル)、ダニエル・ブリュール(エッシャリヒ警部)、ミカエル・パーシュブラント(親衛隊大佐プラル)、カトリン・ポリット(エーファ・クルーゲ)
映画「ヒトラーへの285枚の葉書」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヒトラーへの285枚の葉書」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ヒトラーへの285枚の葉書の予告編 動画
映画「ヒトラーへの285枚の葉書」解説
この解説記事には映画「ヒトラーへの285枚の葉書」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヒトラーへの285枚の葉書のネタバレあらすじ:息子の戦死
1940年、フランスとの戦争に勝ち、戦勝ムードに沸くベルリンの朝、女性の郵便配達員エーファは軍事郵便をアパートに暮らすオットーとアンナのクヴァンゲル夫妻の元に届けた。それは二人のひとり息子ハンスが6月11日に戦死したという通知だった。アンナはあなたと総統のせいで息子が死んだと夫をなじる。夫は無言で仕事へ出かける。彼は工場の職工長を務めていた。
ヒトラーへの285枚の葉書のネタバレあらすじ:抑圧的な社会
オットーの工場では増産の指示が出される。しかしオットーはそのためには機械を増やすことが必要なことを主張し、政治にかまけて仕事を怠けるナチ党員の工員を批判した。一方、彼らのアパートには、ユダヤ人のローゼンタール夫人が隠れ住んでいた。エーファが彼女に食べ物を運んでいた。しかし、エーファの夫を含む二人の男が夜中にローゼンタール夫人の部屋に忍び込み、彼女の持ち物を奪おうとする。その夜オットーとアンナはローゼンタール夫人をかくまうが、朝には夫人は二人の部屋を出ていた。アパートの住人の元判事も彼女をかくまおうとするが、夫が帰ってくるという望みを捨てない夫人は自室にいることに固執し、そのためにその日、ゲシュタポのエッシャリヒ警部たちに見つけられてしまう。しかし、すきを見て飛び降り自殺したために、彼女を支援した人たちに累が及ぶことはなかった。
ヒトラーへの285枚の葉書のネタバレあらすじ:最初の葉書
オットーはやがて決意を固めてペンを取り、「総統は私の息子を殺した。あなたの息子も殺されるだろう」というメッセージを葉書に記す。その葉書をビルの階段にそっと置くのだった。夫の隠す葉書を発見したアンナもそれに付き添った。国家社会主義者女性同盟のメンバーであるアンナは、仲間たちが煙たがって避けていた、ナチ幹部を夫にもつ裕福な女性の家へあえて行き、女性同盟の活動への協力を申し出る。忙しいと言って協力を断る彼女を非難したことにより、案の定アンナは女性同盟の活動からはずされる。彼女は夫の抵抗活動への協力を深める時間をもてるようになる。オットーは路面電車を乗り継いで置き場所を変え、次々と反政府メッセージをつづった絵葉書を階段に置いていく。
ヒトラーへの285枚の葉書のネタバレあらすじ:ゲシュタポとナチ親衛隊
エッシャリヒ警部は市民から届け出のあった絵葉書を集め、置き場所を壁に貼った地図に記録している。ナチ親衛隊のプラル大佐からも事件の早期解決を促されるが、彼らが「ホブゴブリン」(小さな悪魔)と名付ける犯人は頭がよく、わざとへたくそな字をかき、指紋も残さない。犯人のおおよその住処と、息子を戦争で失った男であることは推測できたが、捜査はそれ以上には進まなかった。オットーが葉書を置いてすぐに葉書を拾った男がオットーを追いかけ、アンナの助けでオットーは追跡を逃れる。ホブゴブリンの人相書きが作られ、エッシャリヒ警部の部下が郵便配達のエーファの元夫で賭博好きの男を逮捕するが、犯人像と合致しないので警部は男を釈放する。ところがプラル大佐はそれを咎め、警部を鼻血がでるほど殴り男を再逮捕するように指示する。男を発見した警部は、親衛隊に拷問されるより警部にそこで殺される方が幸せだという理由で男を射殺し、自殺として処理する。
ヒトラーへの285枚の葉書の結末:街路に散る葉書
ベルリンへの空襲が始まり、路面電車からがれきが見えるようになる。ある日オットーは他の職工長の代理で工場に出勤するが、ポケットにあるはずの葉書がないことに気づく。一人の工員が落ちていた葉書を拾って青ざめた顔をしている。オットーは落ち着いてナチ党員の工員に葉書を渡し当局に通報するよう命じる。しかし、エッシャリヒ警部は当日勤務している人の中で犯人像に合致するオットーを逮捕する。オットーはアンナをかばおうとするが、彼女は夫への協力を自白していた。裁判が始まる。久しぶりにオットーとアンナは会うことができた。裁判の開始時に二人だけは立ち上がって「ハイル・ヒトラー」と叫ぶ必要はなかった。二人の処刑が近づく。アンナは面会に来た元判事をオットーの代わりに抱きしめる。オットーにはエッシャリヒ警部が会いに行った。二人が斬首された後、エッシャリヒ警部は彼が集めた267枚の葉書(回収されなかった葉書は18枚だけだった)を高い階にあるオフィスから街路にまいて、自分はピストルで自殺する。エッシャリヒ警部がオットーの葉書の最大の読者だった。
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