ミス・ポターの紹介:2006年イギリス,アメリカ映画。ピーターラビットのキャラクターの作家として世界的に有名な、児童文学作家・画家であるビアトリクス・ポターの伝記映画。何不自由ないロンドンの良家の子女であるポターは童話作家を目指し、服を着たウサギが主人公の作品を出版者に持ち込んでは断られていた。ある日、彼女の本が採用されて出版することになります。出版後は人気が高く、彼女の名声も高まります。両親の反対を押し切り童話作家として当時珍しかった職業婦人となります。そして、彼女も恋をしますが身分違いを反対され、交際に期間を開ける条件をつけられます。二人の愛は硬く結ばれていましたが悲劇が運命を変えます。
監督:クリス・ヌーナン 出演:レニー・ゼルウィガー(ビアトリクス・ポター)、ユアン・マクレガー(ノーマン・ウォーン)、エミリー・ワトソン(ミリー・ウォーン)、ビル・パターソン(ルパート・ポター)、バーバラ・フリン(ヘレン・ポター)、ほか
映画「ミス・ポター」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ミス・ポター」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ミス・ポター」解説
この解説記事には映画「ミス・ポター」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ミス・ポターのネタバレあらすじ:起
1902年のロンドン。ビアトリクス・ポターは、名家の子女で、父親は紡績業で財をなしました。自分の描いた絵に話しかける風変わりな女の子でした。大きくなっても変わらず、洋服を着たうさぎにピーターと名づけて物語を書いています。ピーターも反応して絵の中で動き回っています。家族以外にはミス・ポターと呼ばれています。いろいろな出版社に作品を持ち込みますが、断られる日々を繰り返していました。それでも諦めることはありませんでした。ある日ポターが本を持ち込むと採用してくれた会社がありました。ウォーン兄弟の経営する出版者で作品を褒められたポターは大喜びで帰宅します。しかし、本当は作品が認められた訳ではなかったのです。ウォーン兄弟には三人目の弟・ノーマンがいて、この仕事に参加したがっていました。そこで、売れそうもないポターの担当にさせたのです。ノーマンは彼女のピーターラビットの物語に惚れ込んでしまいます。ノーマンの協力もあり、絵本の出版が出来ます。そんな折、彼の姉・ミリーを紹介されて仲良しになります。ミリーは結婚が全てではないと豪語していました。絵本が出版されると、ピーターラビットの話はベストセラーになります。ポターは、これで、ノーマンとの関係は終わりになると元気がありません。ノーマンが他に作品はないのですか?と尋ねると、ポターは、あります、おばかなアヒルのジマイマですと嬉しそうに答えます。そのキャラクターの話の中で、自分に作家になるように勧めてくれた管理人の息子のウイリアムの話をします。湖の別荘で、子供だったポターに彼女の絵を褒め、バカなあひるの話を聞いて作家になるように勧め、ここの風景が開拓されていつか消える話を思い出します。連載も決まり、ポターは生き生きと仕事をします。ノーマンとのコンビネーションもよく、二人は信頼を深めます。
ミス・ポターのネタバレあらすじ:承
ポターはノーマンとミリーの二人をクリスマスパーティーに招待します。両親も有名になった娘を友人に紹介してご機嫌です。そんな中、彼女の部屋でダンスをします。その後ノーマンはポターにプロポーズします。ポターは驚き、戸惑ってしまい話を中断します。パーティーで、ポターは構想中の新作のストーリーを発表します。プロポーズされたことをミリーに話し、許可を求めます。反対されると思っていたのが、結婚を勧められ感激します。ポターは彼のことを両親に話しました。両親は、彼が商人だと蔑むようなことを言い反対します。ポターは激怒して、両親に自分たちは何様なの?元はおじいさまの木綿業から始まっているのよ、成り上がり者だわと、反論します。父が説得に来ますが、ポターは強烈に反論して、父親は去ります。ポターは、それから両親とは口をききませんでした。困り果てた両親は、秋までその思いが続いたなら結婚を許そうと提案します。しかし、この話は誰にも話してはいけない、そしてこの夏の間は、二人が会うことを禁じます。ポターは、その条件を受け入れました。10月になったら、ここで結婚式を挙げますと宣言します。
ミス・ポターのネタバレあらすじ:転
ポターたちは、避暑地の湖畔の別荘に移ります。列車が出る時に、ノーマンが見送りに来て、婚約指輪を手渡します。そして、再会を約束して見送ります。夏の間は、手紙のやり取りだけでしたが、それでもポターは幸せでした。別荘で子供の頃に会ったウイリアムと再会します。ウイリアムは弁護士になっていました。この近くの農場が売りに出されることを知り、見せてもらいます。ポターは手紙にノーマンとその農場で暮らす話をします。二人は手紙の中で夢を語ります。しかし、突然、ノーマンからの手紙が途絶えます。母親は、手紙はないわ、希望を持ってもいいのかしらと嬉しそうに言います。ポターは、彼は旅行に出かけていて手紙が遅れているだけだと言い返します。そこに、ミリーからの手紙が届きました。手紙の中には、ノーマンが病気だと書かれていました。ポターは馬車に乗り、ノーマンの元に急ぎます。
ミス・ポターの結末
ノーマンのもとへ到着すると、ミリーが喪服を着ていました。ノーマンの死に間に合わなかったのです。ミリーはノーマンが喜んでいたことと、咳が強くなり気がついたら亡くなっていたと話します。兄たちは、ポターとノーマンの結婚の話は知らないので仕事の話をします。自宅に戻ったポターは、部屋で呆然とします。ノーマンからもらった婚約指輪をじっと見つめています。ポターは突然、憑りつかれたように絵を描き始めます。何日も部屋に閉じこもり絵を描いているポターを、ミリーが心配して訪ねてきます。ミリーが外に連れ出そうとしましたがだめでした。愛する者を失う悲しみを与えてしまったと、ミリーが結婚を勧めたことを詫びます。ポターは家を出ることを決意して、湖水地方で売りに出ていた農場、ヒルトップをポターは購入しました。引っ越すポターを不安そうに両親が見ています。母親が、どこに農場を買うお金があったの?と言うと、父親が、われわれの娘が有名人だと知らないのはおまえだけだと言います。父親は、自分は何を改めればいい?と、訪ねるとポターは両親のせいではないと答えます。ポターは、自立する時がきただけと言うと、父親の表情は和み、自立か、そうだねと優しくポターの頬をなでます。ポターはヒルトップ農場の家の中でトランクの絵を出します。絵に、旅の行き先はわからないと言ったでしょ、ここが終着点よと今日からここに暮らすのと言います。彼女は泣いちゃだめと言いながら涙を流します。しばらくして、ミリーが訪ねてきます。ポターがクリスマスの時にノーマンに送った絵を持ってきました。二人は農場を歩きながら話します。ポターが少し落ち着いたことと、また絵を描いているのだと話します。ポターは農場を再開させます。隣接する二つの農場が売りに出されます。開発業者に買われたくないとウイリアムに頼みます。ウイリアムがポターに農場見学をさせます。ポターは農場購入のオークションに出ます。開発業者と一騎打ちになり、ポターが3000ポンドで勝ち取ります。ウイリアムに他の農場の手配を頼みます。ポターの家にウイリアムが招待されます。部屋に飾られた多くの絵を見てウイリアムは感激します。ウイリアムが壁の絵に話しかけているのを台所からポターが見ています。二人は、ファーストネームで呼び合うことにし、打ち解けあいます。それから8年後、1913年に二人は結婚します。母親は今回も結婚に反対したそうです。ポターは保護団体を通して、4000エーカーの土地を国家に寄付します。彼女の作品ピーターラビットは、児童文学の世界で空前のベストセラーになりました。
世界中で愛されている、キャラクター、ピーターラビットの産みの親、ビアトリクス・ポターの伝記映画です。あのハッピーだけど、どこかブラックなところのあるピーターのお話を書いた作者にこんなに波乱に満ちた人生があったなんて・・・と全然知らなくて驚きました。長閑な田舎でずっと幸せに育った方が書いたのかなと思っていました。いろいろな経験をしたからこそ、あの素晴らしい物語が生まれたのですね。