野獣死すべしの紹介:1980年日本映画。元戦場カメラマンの伊達邦彦は銀行強盗を計画する。相棒の真田と共に銀行強盗は成功するが、刑事・柏木が二人を執拗に追う。果たして二人は柏木から逃げ切る事ができるのか。
監督:村川透 出演:松田優作(伊達邦彦)、小林麻美(華田令子)、室田日出男(柏木秀行)、根岸季衣(原雪絵)、風間杜夫(乃木)、岩城滉一(結城)、泉谷しげる(小林)、ほか
映画「野獣死すべし(1980年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「野獣死すべし(1980年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「野獣死すべし(1980年)」解説
この解説記事には映画「野獣死すべし(1980年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
野獣死すべしのネタバレあらすじ:起
元戦場カメラマンの伊達邦彦はある日、警察官を襲い銃を奪い取り、裏カジノから現金を強奪する事に成功する。伊達は、更に銀行強盗の計画を練っていた。計画は順調に進んでいたが、銀行のセキュリティが思ったより厳重だったために、単独での犯行は不可能と悟った伊達は、街中で相棒を探し始める。そんな中、刑事の柏木は数日前に発生した警察官刺殺及び裏カジノの事件の犯人の特徴によく似た伊達を見つけ、疑いを持ちながら、執拗に付きまとうようになる。
野獣死すべしのネタバレあらすじ:承
相棒がなかなか見つからない中で、大学の同窓会に参加した伊達は、同窓会が行われていたレストランのボーイの真田にシンパシーを感じ、声をかける。最初は戸惑っていた真田だが、伊達にそそのかされ、やがて銀行強盗に参加する事になる。銀行強盗は何とか成功したものの客の中にクラシックのコンサートで知り合った華田令子がおり、銀行強盗の犯人が伊達だと気づいた玲子は、伊達に声をかけるが、伊達は令子を射殺する。
野獣死すべしのネタバレあらすじ:転
伊達と真田は伊豆方面に逃げる計画を立てていたが、逃走中に柏木に見つかった為、伊達と真田は計画変更を余儀なくされる。電車の中で、柏木が持っていたラジオから令子が死亡した事を告げられるニュースが流れると、柏木は伊達が銀行強盗の犯人だと確信し、銃を突きつける。しかし、同乗していた真田によって柏木は逆に銃を突き付けられ、銃を伊達に奪われる。伊達は「リップ・ヴァン・ウィンクル」の話をしながら、柏木を脅す。柏木は隙を見て逃げ出すが、伊達に撃たれて死んでしまう。
野獣死すべしの結末
伊達と真田は電車を飛び降り、レンガの廃墟に逃げ込む。しかし、伊達は戦場カメラマンの経験がフラッシュバックしてしまい、錯乱し始める。そして、相棒の真田まで撃ち殺してしまう。場面は変わり、伊達は一人だけコンサートホールに取り残される。ホールから出ると、伊達は何者かに銃撃されたような感覚に陥る。そして、死んだはずの柏木が亡霊のように伊達の前に現れ、伊達は倒れる。
「野獣死すべし(1980年)」感想・レビュー
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松田優作の鬼気迫る怪演。こんなに凄い俳優さんが早世してしまい本当に勿体ない。長生きしたら間違いなくハリウッド映画で日本出身の俳優として存在感を示してくれた筈。完全に狂気に取り憑かれた本作のシリアスな演技とTV探偵物語シリーズのコミカルな演技。話し方はどちらも間違いなく松田優作。でもこんなに違う。自分を消しきらず多種多様な役をカメレオンのように演じる稀有な俳優だと思う。
松田優作の代表作
この映画の最大の見どころは、伊達が柏木に銃を突き付けながら
リップ・ヴァン・ウィンクルのさわりを聞かせるシーンです。
ワンカットの長回しで伊達はその間一度も瞬きをしません!
(時間にして7、8分)
緊迫した空気が漂い居心地の悪さを感じました。
無表情に引き金を引くさま、電車の中で鈍く光る眼は
まるで死神のようでした。