映画「血のバレンタイン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
血のバレンタインの紹介：1981年カナダ映画。80年代のスラッシャー映画全盛時代に、出尽くした感のあったホラー映画に適した記念日をバレンタインデーに設定した作品。過去の殺人事件によりバレンタイン・パーティを中止していた炭鉱の町が、20年ぶりにパーティを復活したために殺人鬼が復活するという話です。現在見れるのは殺戮シーンが大幅にカットされた修正版で、ノーカット版と比べると雲泥の差がある普通のホラー映画です。
監督：ジョージ・ミハルカ 出演者：ポール・ケルマン（T.J.）、ロリー・ハリアー（サラ）、ニール・アフレック (アクセル) 、ドン・フランクス (ニュービー警察署長)、キース・ナイト (ホリス)、アルフ・ハンフリーズ (ハワード)、シンシア・デイル (パティ)、ヘレン・アディ（シルヴィア）ほか
この解説記事には映画「血のバレンタイン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
２０年前、アメリカ東部の小さな炭鉱の町ハニガーで炭鉱のガス爆発事故がありました。原因は二人の炭鉱夫がバレンタインパーティに早くいきたいため、ガス量のチェックと炭鉱内の残っている炭鉱夫のチェックをせずに行ったためでした。この事故により炭鉱内に５人が閉じ込められていましたが、６週間後、捜索隊が炭鉱内にやっと入ると、一人の生き残りの炭鉱夫がいました。彼はハリー・ウォーデンで、仲間の人肉を喰って生き延びていました。恐怖と狂気の中、気がくるっていたハリー・ウォーデンは１年後、原因を作った二人をツルハシで殺害し、心臓をハート型のバレンタインボックスに入れ『バレンタイン・パーティを開くな』というメッセージと共に送りつけました。この事件以来ハニガーではバレンタイン・パーティと取りやめていました。
２０年経った今、事件が風化したことによりバレンタイン・パーティが開かれることになりました。久しぶりという事もあって町は盛り上がっていました。その頃、市長宛てに２０年前と同じようにハート型ボックスに入れられた心臓が送り付けられました。警察署長に相談しハリー・ウォーデンの行方を調べましたが行方不明のままでした。その後コインランドリーで炭鉱夫スタイルの男にメイベル夫人がツルハシで殺害され心臓がえぐられました。翌日洗濯機の中で回転している死体を見つけた警察署長はバレンタイン・パーティの中止を決定しました。しかし納得のいかない若者たちは自分たちでパーティを開くことにしました。場所は炭鉱内でした。それを知った元炭鉱夫がやめさせようとしましたが、殺人鬼に殺害されました。そして２月１４日を迎えました。
若者たちは炭鉱内の一室でパーティを始めました。その中には署長の息子のＴ．Ｊ.がいました。そして親友のアクセルもいました。二人は彼女のサラの事でけんかになりました。サラはＴ.Ｊ.の元彼女で今はアクセルの彼女という複雑な関係でした。そしてサラ達４人が夜の炭鉱の探索に出ました。周囲では殺人鬼が若者を順番に殺害しています。周りで仲間が殺されていることを知ったＴ.Ｊ.はアクセルと共に炭鉱ヘサラを助けに行きました。一方、町に逃げ帰った若者は署長に事件の事を話しました。炭鉱内では殺人鬼による殺害が順番に行われていました。そしてアクセルも途中で深い水たまりに落ちてしまいました。
追い詰められたＴ.Ｊ.とサラは炭鉱内のトロッコで逃げます。そこに殺人鬼が現れ格闘となりました。サラが殺人鬼の防護マスクを叩き落としました。現れた顔はアクセルでした。アクセルはハリー・ウォーデンの殺害された炭鉱夫の息子で、幼少のころ父親が殺害される様子を目の当たりにしました。そのことがトラウマになりハリー・ウォーデンや町、そしてバレンタイン・パーティに恨みを持っていたのでした。ハリー・ウォーデンは５年前に死亡し、復讐の対象が町と住民になってしまっていたのでした。そしてアクセルは『また戻って来る』と言い残し炭鉱の奥へと消えて行きました。
80年代に多数制作されたスラッシャー・ムービーでバレンタインを題材とした映画。確かにバレンタインを扱ったホラーは私が知る限りこれ一つだけだし炭鉱が舞台となるのも唯一なのだが、このテの映画の見せ場である殺人シーンが大幅にカットされているらしく、愉しみが半減してしまっているようにも思える。とはいうものの前述した通り「バレンタイン」と「炭鉱」という部分にオリジナリティを見出すファンもいるのでは？