東京湾炎上の紹介:1975年日本映画。田中光二の小説『爆発の臨界』を映画化したパニック・サスペンス巨編です。巨大タンカーがテロリスト集団にシージャックされ、立ち向かう乗組員たちとテロリストを欺くための奇策ともいえる情報操作に乗り出した政府の駆け引きを描いています。
監督:石田勝心 出演者:丹波哲郎(宗方船長)、藤岡弘(館次郎)、金沢碧(未知子)、宍戸錠(小佐井機関長)、水谷豊(ムンク)ほか
映画「東京湾炎上」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「東京湾炎上」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「東京湾炎上」解説
この解説記事には映画「東京湾炎上」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
東京湾炎上のネタバレあらすじ:起
原油を満載して日本に向かっていた巨大タンカー“アラビアンライト号”。乗組員は船長の宗方(丹波哲郎)を始め28名、その中には石油掘削エンジニアの館次郎(藤岡弘)も含まれていました。アラビアンライト号が浦賀水道に差し掛かったところ、乗組員は付近を漂流していた6人乗りのゴムボートを保護しますが、6人の正体は石油メジャーの排除と資源ナショナリズムを主張するテロリスト集団であり、船はあえなくシージャックされてしまいます。テロリストは船の3ヶ所に時限爆弾を仕掛け、唯一の日本人メンバーであるムンク(水谷豊)を通じて日本政府に対して要求を突き付けてきました。シージャックの翌日正午までに鹿児島県にある石油備蓄基地“喜山CTS”をテレビ中継しながら自衛隊機に爆破せよ。さもなくば我々はアラビアンライト号と共に自爆する…と。
東京湾炎上のネタバレあらすじ:承
日本政府は急遽対策本部を立ち上げ、科学者の分析によると、もし東京湾上に停泊しているアラビアンライト号が爆破された場合、満載された原油が気化して沿岸部のコンビナートを誘爆させ、首都圏は発生した有毒ガスと酸欠により壊滅状態に陥ること、要求通りに喜山CTSを爆破した場合も原油の気化により鹿児島湾が死の海になるという衝撃的な予測が立てられました。テロリストは脱出を図った乗組員の一人を射殺、要求が事実である証拠としてもう1隻の石油タンカーにも爆弾を仕掛けたことを公表しました。一方、船内では、寺田司厨長(下川辰平)が調理用の油を燃やしてテロリストに反撃、寺田は射殺されるも乗組員はテロリスト3人を取り押さえ、テロリストのリーダーと交渉するも決裂、宗方はやむを得ず拘束したテロリストたちを解放しました。そして深夜0時、予告通りに清水港に停泊していたタンカー“さうじ丸”が爆破されました。
東京湾炎上のネタバレあらすじ:転
その頃、政府の対策本部では、葛城対策本部長(鈴木瑞穂)が奇策を編み出していました。ちょうど制作中だったコンビナート爆破の映画の特撮スタッフを招集し、現地からの映像に映画の爆破映像を合成して全世界に放映し、テロリストの目を欺こうというものです。対策本部は時間を稼ぐためにテロリストと交渉して8時間の猶予をもらうと、喜山CTS付近を立入禁止にしてマスコミも中継局以外は完全にシャットアウトし、喜山周辺から人々を脱出させ、着々と映像の準備を進めていきました。そしてテロリストの要求通りに喜山CTS爆破の中継放送が衛星中継で全世界に発信され、基地を飛び立つ自衛隊機、爆破されていく石油タンクなどが映し出されていきます。しかし、現地で突然雨が降り出してしまい、中継放送は偽造であることがテロリストらに知られてしまいました。
東京湾炎上の結末
激怒したテロリストはタンカーの時限爆弾を爆発させることを決意、乗組員たちの退船を許可しますが、日本人に両親を殺されたというメンバーが反発したことからテロリストは仲間割れを起こして銃撃戦となり、混乱に乗じた乗組員たちの反撃もあってテロリスト集団は全員死亡しますが、宗方をはじめ乗組員にも犠牲者が出てしまいました。テロリストが遺した図面を元に館や潜入してきた海上自衛隊の特殊部隊は3ヶ所のうち2ヶ所の時限爆弾の撤去に成功しましたが、最後の1個だけは外れて原油タンク内に落ちてしまっていました。館は自衛隊が持ってきた特殊潜水服を着てタンク内に潜り込み、時間ギリギリで最後の1個を発見、爆弾はヘリコプターで海中に投棄され爆発しました。事件解決後、マスコミから問い詰められた葛城は「全世界に流された映像が全てだ。テレビに流れたこと、それが真実だ」と答えるのみでした。
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