男はつらいよ 寅次郎心の旅路の紹介:1989年日本映画。シリーズ第41作となる今作は、寅さんこと車寅次郎が遂に日本を飛び出して人生初の海外旅行へ。人生に疲れた中年男、現地で出会ったツアーガイドの女性とともにオーストリア・ウィーンで珍道中を繰り広げます。
監督:山田洋次 出演者:渥美清(車寅次郎)、倍賞千恵子(諏訪さくら)、柄本明(坂口)、竹下景子(久美子)、淡路恵子(マダム)ほか
映画「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
男はつらいよ 寅次郎心の旅路の予告編 動画
映画「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」解説
この解説記事には映画「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
男はつらいよ 寅次郎心の旅路のネタバレあらすじ:起
寅さん(渥美清)の甥・満男(吉岡秀隆)は予備校通いの浪人の身。日常にうんざりしている満男は母さくら(倍賞千恵子)に寅さんの人生は羨ましいと愚痴をこぼしたところ、伯父さんは世の中を否定しているんじゃない、否定されているんだと諭します。一方、東北地方を旅していた寅さんは、自殺未遂をしていた坂口という中年男(柄本明)を助けます。仕事のプレッシャーに悩まされていた坂口に、寅さんは肩の力を抜いてリラックスすることを勧めます。寅さんの風来坊的な生き方に共感した坂口は、寅さんをオーストリアはウィーン旅行に誘います。寅さんはなんとウィーンと湯布院を勘違いしてしまい、この話を受けることにしたのです。
男はつらいよ 寅次郎心の旅路のネタバレあらすじ:承
柴又に戻った寅さんは、事の成り行きを「とらや」の面々に話しますが、一同から寅さんにウィーンは似合わないと言われてウィーン行きを断念しかけます。ところが「とらや」を訪れた坂口は寅さんからウィーン行きを断られると突然発作を起こしはじめたので、やむを得ず寅さんはウィーンに行くことになりました。
かくしてウィーンに降り立った寅さんと坂口。モーツァルト像など音楽の都ならではの文化財には全く興味を示さない寅さんに坂口は呆れて「この人を連れてくるんじゃなかった」と後悔します。
男はつらいよ 寅次郎心の旅路のネタバレあらすじ:転
ウィーンの街で自分を取り戻し生き生きとしている坂口とは対照的に、寅さんは全くウィーンには馴染めず退屈な時間を過ごしていました。ところが、偶然現地のツアーガイドをしている久美子(竹下景子)と知り合い、ついて行くことに。寅さんは久美子の紹介でマダム(淡路恵子)と出会い日本食をご馳走になります。久美子は以前生活が苦しかった時期に偶然出会ったマダムに助けてもらっていたのです。日本人3人はすっかり打ち解けあっていました。そして、寅さんはいつものように久美子に想いを寄せるようになっていました。
男はつらいよ 寅次郎心の旅路の結末
寅さんと久美子はドナウ川のほとりに行き、それぞれの身の上話をしながら互いの故郷の風景とドナウ川を重ね合っていました。常に柴又という原点がある寅さんを、久美子は故郷の固まりみたいな人と評し、やがて望郷の念に駆られて涙します。久美子には現地で出会ったヘルマンという恋人がおり、久美子は彼に日本に帰ると告げます。ヘルマンは哀しみをこらえつつも久美子の気持ちを尊重します。久美子はマダムに相談するも本心を見抜かれ苦悩します。久美子は寅さんと共に帰国することになりました。ウィーンにとうとう馴染めなかった寅さんは、久美子と一緒に帰れると思うと喜びがこみ上げてくるのでした。翌日、寅さんと久美子、坂口はマダムの見送りを受けて空港に入りました。そこへ急遽ヘルマンが駆け付けたのです。ヘルマンは久美子にここに居てほしいと告げ、揺れ動いていた久美子も帰国をやめて彼とともに生きる決断をします。寅さんは抱き合いキスをする二人の姿に呆然とするも、ヘルマンに久美子を幸せにするように言うと、傷心のまま帰国の途につきました。
柴又・帝釈天。さくらは御前様(笠智衆)に寅さんから預かった土産物を持って行き、兄はウィーンに行ったというのは嘘で実は夢を見ていたんじゃないかと、帰国後まるで魂が抜けた状態の寅さんについて話しました。御前様はこう返しました。寅の人生そのものが夢みたいなものだ、と。
以上、映画「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」のあらすじと結末でした。
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