ぼんちの紹介:1960年日本映画。後に何度も映像化された現代版「好色一代男」ともいうべき山崎豊子の同名小説を、巨匠市川崑が艶やかに演出。雷蔵の愛人役となる女優のキャスティングの豪華さが話題となった。
監督:市川崑 出演:市川雷蔵(喜久治)、若尾文子(ぽん太)、越路吹雪(比佐子)、山田五十鈴(勢以)、草笛光子(幾子)、中村玉緒(弘子)
映画「ぼんち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ぼんち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ぼんち」解説
この解説記事には映画「ぼんち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ぼんちのネタバレあらすじ:起
船場の足袋問屋河内屋に生まれた喜久治は若い頃から女遊びが盛んで、身近に女性を欠かしたことがありません。父親の喜兵衛は婿養子で実直そのもの。そして母親の勢以は気が弱く、家を実質的に取り仕切っているのは喜久治の祖母・きのでした。きのから派手な女遊びをとがめられた末、喜久治は妻をもらうことになります。縁組の相手は弘子といって砂糖問屋の娘ですが、一代の成り上がり者で、きのとしては恩を売ってやる程度の気持ちしかありません。案の定、勢以も一緒になって何かにつけて嫁いびりを続けるため、弘子は泣いてばかりでした。結局彼女は男の子が出来ると無理矢理に離縁させられてしまいます。
ぼんちのネタバレあらすじ:承
数年経ち、夏の暑い盛りに喜兵衛が病床につきます。喜久治は幾子という芸妓から8年越しに喜兵衛の世話になっている女性がいることを知り、驚愕。野暮な父親もやはり精気盛んな男性で、勢以の目を盗んでちゃっかりと遊んでいたのです。喜久治はその女性を屋敷に呼ぶと、まもなく死を迎える喜兵衛の世話をさせてやります。やがて父親が他界し、喜久治は晴れて河内屋の主人に。アイデアマンの彼の企画は人気を呼び、河内屋はさらに繁盛します。それにつれて女遊びもますます盛んになり、女性との関係も派手になる一方。
ぼんちのネタバレあらすじ:転
まず、個性的で美しい芸妓のぽん太を落籍して妾に。さらに父親の愛人のことを知らせてくれた幾子ともなじみとなります。ぽん太との間に次男ができたあと、喜久治は目先を変えてカフェ通い。そこで無愛想な比佐子に惹かれて愛人関係になりますが、喜久治の子を宿した幾子は高齢出産が祟って死んでしまいます。しかしそれに入れ替わるようにお福という料亭の仲居と関係を結ぶのです。
ぼんちの結末
時代は移り変わり、大陸での事変に続いてアメリカとの戦争が勃発。大阪への空襲が激しくなり、河内屋もひとつの蔵を残してすべてが焼け落ちてしまいます。喜久治と手代が在庫を調べているところへ続々とやってきたのが、ぽん太、比佐子、お福の愛人3人。船場がすっかり焼け野原になり、頼るところは喜久治の蔵だけでした。しかも田舎へ疎開していたきのと勢以まで帰ってきます。女どもに囲まれて困惑した喜久治は手元の金をやって愛人たちとの関係を清算。祖母と母親も再び田舎へ返そうとします。しかし、船場の悲惨な有り様を見た祖母は半ば自殺の形で死んでしまいます。
戦後になって喜久治はすっかり落ちぶれ、子供たちの世話になっています。若い頃からの喜久治を知っているのは、今や同居している女中のお時だけ。実は彼女は喜久治のことが好きなのですが、その恋心を押し隠しています。そしてその気持を明かさないまま、彼に死ぬまで仕え続けるつもりでした……。
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