トラック野郎 故郷(ふるさと)特急便の紹介:1979年日本映画。一番星の桃次郎とやもめのジョナサンのトラック野郎コンビを描いたシリーズも第10弾にして遂に完結。シリーズ初のダブルマドンナ役として石川さゆりと森下愛子、ライバル役に原田大二郎を迎え、四国などを舞台に駆け回ります。
監督:鈴木則文 出演者:菅原文太(星桃次郎)、愛川欽也(松下金造(ジョナサン))、石川さゆり(小野川結花)、森下愛子(西尾風美子)、原田大二郎(垣内竜次)ほか
映画「トラック野郎 故郷特急便」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「トラック野郎 故郷特急便」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「トラック野郎 故郷特急便」解説
この解説記事には映画「トラック野郎 故郷特急便」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
トラック野郎 故郷特急便のネタバレあらすじ:起
「一番星号」を走らせる桃次郎(菅原文太)は「龍馬号」の運転手で土佐犬を連れた竜次(原田大二郎)の挑戦を受け、ワッパ競争に興じます。その後、桃次郎とジョナサン(愛川欽也)は、千葉県の銚子市場で荷物を積み、高知行きのカーフェリー「さんふらわあ号」に乗り込みます。そこで桃次郎は、船内で営業をしているドサ回りの歌手・結花 (石川さゆり)と出会い、一目惚れしてしまいます。一方、ジョナサンは目の不調を訴えはじめていました。高知に着くもジョナサンの症状は変わらず、病院で検査を受けると脳血栓の疑いがあると診断され、悲観したジョナサンは足摺岬で自殺を図ろうとしたところを偶然通りがかった風美子(森下愛子)という女性に助けられます。桃次郎はまたしても風美子に一目惚れしてしまいます。
トラック野郎 故郷特急便のネタバレあらすじ:承
桃次郎は、ジョナサンを救ってくれたお礼にと風美子にバラの花束をプレゼントします。風美子は病気の母・サワ(小畠絹子)を抱えており、隣人の老人・清馬(大坂志郎)は風美子を6年前に失踪した息子の嫁にと考えていました。サワの楽しみは「南国土佐を後にして」のレコードを聴くことでしたが、そのレコードは桃次郎の不注意により割ってしまっていました。責任を感じた桃次郎は、キャバレーで歌っていた結花を無理やり連れ出し、危篤に陥っていたサワの前で歌わせます。サワは結花の歌を聴きながら静かに息を引き取ります。結花はこのまま歌手を続けようかどうか悩んでいました。
トラック野郎 故郷特急便のネタバレあらすじ:転
ジョナサンの病状は一過性の脳痙攣だったことがわかり、回復したジョナサンは川崎の自宅へ戻っていきました。後日、以前桃次郎が勝負をした竜次が風美子の前に現れます。竜次は清馬の行方不明の息子だったのです。清馬は竜次の龍馬号を見て驚き、親子は喧嘩してしまいます。一方、桃次郎は結花への扱いを巡ってキャバレーの経営者・岩瀬(安部徹)に詰め寄り、岩瀬への復讐を誓っていた竜次も巻き込んで大乱闘となります。
トラック野郎 故郷特急便の結末
竜次と岩瀬の決着は高知での闘犬大会でつけることになり、見事に竜次の犬が優勝します。竜次と風美子は想いを確かめ合い、それを見た桃次郎は落胆します。その時、桃次郎がかつて一番星号に乗せたことのある外国人ヒッチハッカーのバーナード(大月ウルフ)とタミー(テリー・ジョーンズ)がやってきます。桃次郎は彼らを四国八十八か所の札所に案内し、結花の歌を聴かせてあげます。実はバーナードとタミーはアメリカの大手レコード会社のディレクターであり、結花をぜひとも大阪・梅田コマ劇場で歌わせたいとオファーします。まさかのチャンスに結花は喜びますが、勘違いした桃次郎は結花がプロポーズを受けてくれたと思い込んでしまい、結花は列車に乗り遅れてしまいます。歌手仲間から事情を聞いた桃次郎は結花を一番星号に乗せ、ジョナサンのサポートを受けながら無事に高松港に送り届けます。梅田コマ劇場の舞台に立った結花は、桃次郎への感謝の気持ちを込めて「南国土佐を後にして」を絶唱しました。
この10作目はヒロインが、2人いるという新しい設定なのも面白いです。「森下愛子」と「石川さゆり」です。どちらも可愛いです。ジョナサンが脳痙攣で倒れてしまうのですが、ジョナサンの代わりにトラックに乗る「春川ますみ」さんもイカしております。「原田大二郎」が乗車するトレーラーの「龍馬号」もこれまたカッコイイです!冒頭で登場するシーンで煙突マフラーから煙を吹く姿なんか生唾ものです。最初は桃次郎と喧嘩する土佐犬ですが、桃次郎が最後に「石川さゆり」を港まで(船付き場)送り届ける時には、バッチリとジョナサンと警察から援護しております。カッコイイぞ!男同士の友情!「喧嘩してから仲良くなる」という事もあるのですよね。そういう事があってもいいですよね。今の時代。この作品から現代人に何か問いかけている様な感じがしました。