The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめの紹介:2017年アメリカ映画。1864年のバージニア州。南北戦争の砲弾から逃れるために隔離された女子寄宿学園に暮らす美しい7人の女性たち。ある日、女生徒の1人エミリーは森で敵軍の負傷兵ジョン・マクバニーを見つけ宿舎で手当し、回復するまでかくまうことになった。男子禁制の学園にワイルドでハンサムなジョンが現れたことによって、秩序ある学園内が一気に嫉妬と欲望に渦巻いていく。原作はトーマス・カリナンの小説「The Beguiled」。ソフィア・コッポラの長編6作目の作品として、カンヌ国際映画では監督賞を獲得するなど高い評価を得た。クリント・イーストウッド主演の『白い肌の異常な夜』のリメイク版。
監督:ソフィア・コッポラ 出演:コリン・ファレル(ジョン・マクバニー伍長)、ニコール・キッドマン(マーサ・ファーンズワース)、キルスティン・ダンスト(エドウィナ・ダブニー)、エル・ファニング(アリシア)、ウーナ・ローレンス(エイミー)、アンガーリー・ライス(ジェーン)、アディソン・リーケ(マリー)ほか
映画「ビガイルド 欲望のめざめ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ビガイルド 欲望のめざめ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめの予告編 動画
映画「ビガイルド 欲望のめざめ」解説
この解説記事には映画「ビガイルド 欲望のめざめ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめのネタバレあらすじ:起
南北戦争が3年目に突入した1864年のバージニア州。鳥の鳴き声や木々の揺れる音が聞こえる美しい景色の森の遠くでは、絶えず砲弾を放つ音が聞こえてきます。その中を鼻歌を歌いながらキノコを狩るエイミー(ウーナ・ローレンス)は傷を負って動けなくなった兵士を見つけます。男は敵である北軍兵士。ジョン・マクバニー伍長(コリン・ファレル)と名乗りました。エイミーはすぐにジョンの手当のために自分が通う女子寄宿学園へ連れて帰ります。このマーサ・ファーンズワース女子学園は園長のマーサ(ニコール・キッドマン)の他、教師のエドウィナ(キルスティン・ダンスト)、そしてそれぞれ事情があり家に帰ることのできないエイミーやアリシア(エル・ファニング)、ジェーン(アンガーリー・ライス)など5人の生徒が生活を共にしていました。突然の敵軍兵士の来訪にざわめき戸惑うものの、キリスト教の教えに従い、回復するまでの間面倒を見ることにしました。
The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめのネタバレあらすじ:承
ジョンの負傷は思った以上にひどく、園長のマーサは手際よく手当をします。男子禁制の学園に突如として現れたワイルドなジョンにエドウィナと生徒たちは興味深々。マーサは騒々しい彼女たちを部屋から締め出し、ジョンの身体を拭いてあげます。しかしマーサも自分の鼓動の高鳴りに気付き困惑します。一通りの手当が終わり、回復するまで看護を続けることにするのですが、学内では少しずつ彼女たちに変化が現れ始めます。早熟なアリシアは色気のある視線をジョンに投げかけ、エドウィナはブローチで密かに着飾るなど一瞬にして浮足立っていきました。手厚い対応にジョンは誠実に接し、信頼を勝ち取り好意的に受け入れられるまでになっていきました。
The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめのネタバレあらすじ:転
やがてジョンの足の傷が回復し、恩返しに庭の手入れをするなど馴染んでいきます。それまで彼に警戒をしていたマーサも心を許していき、ある日ジョンを囲み夕食会を開きます。7人は目一杯のおしゃれをしジェーンの伴奏に合わせて歌ったりダンスなどを楽しみ、戦時中とは思えないほど和やかな時間を過ごします。ところが少しずつジョンの存在が学園を大きく占めるようになっていきます。彼女たちはこぞって他を出し抜こうと会話に棘を刺したり、こっそりジョンの部屋を訪れるなど、それぞれが競うようにジョンを求めていきます。ジョン自身もまた女性たちが自分の虜になっていくことを楽しみ始めていきます。こうして秩序ある女たちの集団の歯車は次第に狂っていくのです。そしてある晩、部屋でジョンを待つエドウィナは、アリシアとジョンがベッドで求め合っている姿を目撃してしまいました。エドウィナに突き飛ばされたジョンは階段から落ち大怪我を追います。騒動に気づいたマーサが怪我を診ると、回復しかけていた足は複雑骨折。さらには壊死が始まっていました。マーサは余儀なく切断する決断をし、すぐさま大手術をします。
The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめの結末
手術から目を覚ましたジョンは失った足と激痛に怒り狂います。女たちに銃を突きつけ悪態をつきます。お互いの信頼はすっかり崩れ、怯える女生徒たち。エドウィナはたまらずジョンの部屋へ行き、自身の身体で慰めます。その間、マーサはある策を考えました。エミリーに”特殊なキノコ”を探しに行かせ、ジョンに振る舞うというものでした。エドウィナのお陰で落ち着きを取り戻したジョンを食事でもてなし、好物のキノコ料理を勧めます。ジョンはこうして食事の席で殺害され、事態を知らなかったエドウィナは深く傷つきました。ジョンの遺体を丁寧に布で包み、門の外へ横たえます。門には敵軍兵士の存在を知らせる青い布。たった1人エドウィナだけは遠くに目をやり呆然としています。そしてその他の女たちはエントランスからジョンを見つめていたのでした。
以上、The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめのあらすじと結末でした。
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