時計じかけのオレンジの紹介:1971年イギリス映画。近未来のロンドンを舞台に、個人の暴力と管理社会のせめぎ合いを描き、その中に近代国家への痛烈な皮肉を込めた、キューブリックの傑作SF。
監督・スタンリー・キューブリック 出演・マルコム・マクダウェル/パトリック・マギー/マイケル・ベイツほか
映画「時計じかけのオレンジ(1971)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「時計じかけのオレンジ(1971)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「時計じかけのオレンジ(1971)」解説
この解説記事には映画「時計じかけのオレンジ(1971)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
時計じかけのオレンジのネタバレあらすじ1
舞台は全体主義的な管理社会を目指す、近未来のロンドン。15歳の不良少年アレックスは、仲間たちとともに暴力行為に明け暮れていた。ホームレスを襲撃し、対立する不良グループと乱闘し、裕福な家庭に押し入って強姦する。本能の赴くままに、理由なき暴力を繰り返していた。そんなアレックスの、唯一の安らぎがベートーヴェンの第九だった。
時計じかけのオレンジのネタバレあらすじ2
ある日、アレックスたちはいつものように金持ちの家を襲撃するが、その家の婦人に通報されてしまう。パトカーのサイレンが響く中、アレックスは婦人を殺害して逃走を図るが、仲間の裏切りによって一人取り残されてしまい、逮捕された。
刑務所に収監されたアレックスは、刑期短縮のために模範囚を装った。彼は聖書を愛読するふりをするが、神話の暴力的世界にいる自分を夢想し、相変わらず暴力への憧れを捨てていなかった。
時計じかけのオレンジのネタバレあらすじ3
政府が、囚人から暴力性を取り除き治癒させる「ルドヴィコ療法」を計画していることを知ったアレックスは、最初の治験者となることを志願する。成功すれば大幅に刑期が短縮され、すぐにでも出所できるのだ。刑務所を訪れた内務大臣にアピールすることに成功したアレックスは、治療施設に移された。椅子に拘束されて、暴力的な映像を見せられながら、吐き気を催す薬を投与され続けた彼の中に、暴力に対する嫌悪感が芽生えていく。副作用として、映像に使われいた音楽、ベートーヴェンの第九に対する拒絶反応までもが引き起こされた。
時計じかけのオレンジのネタバレあらすじ4
実験の成功を確信した内務大臣は、計画の宣伝にアレックスを利用する。関係者を集め、舞台の上でアレックスを痛めつけ、暴力に対して完全に無抵抗になった彼を見せつけた。画期的な実験を皆が賞賛する中、一人の牧師が批判する。これは逃避であり、自ら選択した善行ではないと「ルドヴィコ療法」の不道徳性を訴えた。人間性を奪われたアレックスは、まるで「時計じかけのオレンジ」のようだった。
時計じかけのオレンジのネタバレあらすじ5
出所したアレックスに、かつて自分が暴力を振るった社会からの報復が待っていた。家を追い出され、ホームレスたちに追われ、助けを求めた警官は裏切った仲間たちだった。そして、行き場を失って逃げ込んだ先は、かつて襲撃した作家の家であった。
反政府勢力の一員である作家は、アレックスに対する憎悪を覚えつつも、政府に対する攻撃材料として彼を利用する。全てを打ち明けたアレックスを部屋に閉じ込め、大音量でベートーヴェンの第九を聴かせた。アレックスは苦痛から逃れるために、窓から飛び降りて自殺を図った。
時計じかけのオレンジの結末
アレックスは一命を取り留めるが、政府の評判を落としたい作家の思惑は成功する。彼は、自殺のショックで「ルドヴィコ療法」の暗示が完全に解けていた。支持率を回復したい政府は、アレックスのいる病院に内務大臣を派遣する。元どおりの不良少年に戻ったアレックスと内務大臣は、笑顔で握手をした。
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