羊たちの沈黙の紹介:1990年アメリカ映画。連続猟奇殺人犯を追うFBIの実習生と、猟奇殺人犯の囚人でありながら高い知性を持つ元精神科医の交流を描いた作品。息詰まる展開は高く評価され、アカデミー賞で各種の賞を受賞した。事件は解決に向かうのか?クラリスはトラウマを解消できるのか?レクターは自分の望みを叶えられることができるのか?ハラハラしっぱなしの名作中の名作です。
監督 :ジョナサン・デミ 出演: ジョディ・フォスター(クラリス・スターリング)、アンソニー・ホプキンス(ハンニバル・レクター)、スコット・グレン(クロフォード主任捜査官)、テッド・レヴィン(バッファロー・ビル)、アンソニー・ヒールド(チルトン医師)、ケイシー・レモンズ(マップ)、ダイアン・ベイカー(マーティン上院議員)、ブルック・スミス(キャサリン・マーティン)、フランキー・R・フェイソン(バーニー)、ロジャー・コーマン(FBI長官)ほか
映画「羊たちの沈黙」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「羊たちの沈黙」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
羊たちの沈黙の予告編 動画
映画「羊たちの沈黙」解説
この解説記事には映画「羊たちの沈黙」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
羊たちの沈黙のネタバレあらすじ:起
アメリカ各地で若い女性ばかりを狙った連続殺人が発生しました。いずれも死後に遺体の皮を剥がされ、川に捨てられる事件です。
殺人犯は『バッファロー・ビル(テッド・レヴィン)』と呼ばれていましたが、手がかりが全く得られず、捜査は難航します。
FBIのクロフォード主任捜査官(スコット・グレン)は連続殺人犯の囚人たちにアンケートを取って、参考にしようと思いましたが、一人だけ協力を拒んだ者がいました。
それは元天才精神科医のハンニバル・レクター博士(アンソニー・ホプキンス)で、クロフォードはFBIの訓練生・クラリス(ジョディ・フォスター)を派遣して探ろうとします。
羊たちの沈黙のネタバレあらすじ:承
レクターはクラリスが礼儀正しく接するのを見て、気に入りました。隣の房のミグズがクラリスに無礼なことをした詫びも兼ねて、捜査のヒントをクラリスに与えます。レクターが借りた倉庫には、バッファロー・ビルの犯した殺人事件の証拠が残っていました。
その折、新たな犯行が起きました。被害者は上院議員の娘・キャサリンです。犯人は被害者を3日生かした後、殺していました。
新たな犠牲者を出すまいとあせるクラリスは、クロフォードの許可を得て刑務所移送の好条件を出してレクターの協力を得ようとします。
羊たちの沈黙のネタバレあらすじ:転
ところがレクターを収監している精神病院の院長・チルトン医師(アンソニー・ヒールド)がその企みに気づきました。出世の足がかりにしたいチルトン医師はレクターに、クラリスたちの条件は嘘だと教え、代わりに自分が手配してやったと手柄を横取りします。
移送の手続きを取って上院議員にレクターを会わせ、犯人の名前を言わせますが、それは全くの偽名でした。すぐに気づいたクラリスはレクターに会いにいきます。
レクターはクラリスの過去と交換条件でヒントを教えると言いました。クラリスは幼い頃に父を亡くし、その後に身を寄せた親戚宅で子羊が屠殺される現場を見て、トラウマになっていました。
羊たちの沈黙の結末
クラリスのトラウマを聞いて満足したレクターは、犯人が性倒錯者であることと「切実な欲求が犯行の引き金になっている」と告げます。
その後、レクターは警備員3人を殺して脱獄しました。クロフォード捜査官は精神病院で性倒錯者と診断された者のところへ突入しますが、空振りでした。
同じ頃、第1の犠牲者の周辺に犯人が潜んでいると考えたクラリスは、家を突き止めて犯人を射殺し、キャサリンを助けます。クラリスの卒業式にレクターからお祝いの電話がかかってきました。
レクターは「これから古い友人と食事する」(暗にその友人・チルトン医師を殺害する)と告げて電話を切りました。
以上、映画 羊たちの沈黙のネタバレあらすじと結末でした。
ハンニバルシリーズのネタバレあらすじ(時系列順)
1.ハンニバル ライジング(2007年)のネタバレあらすじ
2.レッド・ドラゴン(2002年)のネタバレあらすじ
3.羊たちの沈黙(1990年)のネタバレあらすじ
4.ハンニバル(2001年)のネタバレあらすじ
「羊たちの沈黙」感想・レビュー
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この作品で特に印象に残ったのは刑務所からの脱走シーンです。
固唾を飲んで見入ってしまい、「そうきたか!」と感心しました。
羊たちの沈黙の続編ハンニバルも見ましたが、
2作品を通して思ったのはレクターにはクラリスが
どう映っていたのかということです。
ただ、2作品の中では羊たちの沈黙の方が
ストーリーや展開が面白く感じました。 -
この映画を観た後は、レクター博士のお気に入りの「ゴールドベルグ変奏曲」を聴きたくなります。
この映画の最大の魅力は、ハンニバル・レクター博士のキャラクターだと思います。
映画を観終えたら、同名の原作の小説(トマス・ハリス著)も読むと「一粒で2度楽しめる」感じです。小説の方が、レクター博士の描写が詳しいので、小説を読んでから、再度、映画を観れば3度楽しめるのではないかと思います。 -
ずっと好きで、何度も見ている作品ですが、カメラワークや心理戦、ストーリーの進め方、臨場感があって大変凝っていて面白い作品です。クラリスとレクター博士のやり取りの中で、映画の題名はここから来たのか!!と唸らせてくれる部分があったり。ラストシーンもいい終わり方です。猟奇的殺人事件の王道作品としてこの作品の右に出るものはまだ出ていないと思います。
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週に2本ずつ見ているほどの映画好きですが、羊たちの沈黙に勝てる映画はまだ見たことがありません。シリーズを通して好きですが、やはりジョディフォスターのクラリスと、アンソニーホプキンスのレクター博士が一番ロマンティックです。殺人鬼なのになぜかセクシーささえ感じられるレクター博士と、まだ若く危うい面を持っている二人のラブストーリーだと脳内で解釈しています。
ハンニバル・ザ・レクターに扮している、アンソニー・ホプキンズの怪演技が迫力満点でした。単なる冷酷非道な犯罪者にとどまることなく、高い知性と独特な美学を兼ね備えていて怪しげな魅力さえ伝わってきました。いつしか檻の中の囚人に、外の世界にいるはずの新米のFBI捜査官クラリスが踊らされていく展開が面白かったです。