機動警察パトレイバー2 the Movieの紹介:1993年日本映画。近未来東京、多足歩行作業機レイバーによる犯罪の為設立された特車二課、その第2小隊の発足メンバーは、今は方々へ散り各々の人生を送っていた。そんなある日、横浜ベイブリッジが爆破される。しかもそれは只の爆破ではなく、軍用機による空爆だった。そしてそれは、東京を戦場に変える陰謀の始まりでもあった。ミリタリーサスペンス的要素の高い、大人気メディアミックス作品の映画版第2弾。
監督:押井守 声優:富永みーな(泉野明)、古川登志夫(篠原遊馬)、大林隆介(後藤喜一)、榊原良子(南雲しのぶ)、池田通洋(太田功)、二又一成(進士幹泰)、郷里大輔(山崎ひろみ)、千葉繁(シバシゲオ)、阪脩(榊清太郎)、西村知道(松井刑事)、竹中直人(荒川茂樹)、根津甚八(柘植行人)
映画「機動警察パトレイバー2 the Movie」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「機動警察パトレイバー2 the Movie」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
機動警察パトレイバー2 the Movieの予告編 動画
映画「機動警察パトレイバー2 the Movie」解説
この解説記事には映画「機動警察パトレイバー2 the Movie」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
機動警察パトレイバー2 the Movieのネタバレあらすじ:起
東南アジアの密林で、国連の平和維持部隊として参加していた自衛隊レイバー部隊は、ゲリラ部隊に包囲されいました。隊長は本部に交戦許可を求めますが下りず、ゲリラの餌食になり次から次へ部下を失って行きます。隊長は命令を無視して発砲を行いますが、乗機にロケット弾攻撃を受け大破、彼を残し全滅します。それを古の神像が見下ろしていました。
時は流れ特車2課第2小隊は様変わりしていました。泉野明と篠原遊馬はテストパイロットとして篠原重工へ、大田は訓練教官として現場を離れ、進士は総務課長に昇進と方々に散り、98式が引退し新型レイバーで任務を続けているのは山崎と隊長の後藤だけでした。第1小隊隊長と課長代理を兼任する南雲は会議に出席します。その会議が終わった彼女は昔の友人達と再会します。彼等は柘植学校の仲間で、南雲を飲み会に引っ張り出す為にやって来ました。友人の一人は東南アジアから帰国し姿を消した、南雲とは何かしらの縁がある柘植なる人物の事を話題にします。彼女は気まずそうに誘いを断りました。
帰路に着いた南雲ですが、ベイブリッジ近くで渋滞に掴まります。道路情報を見て警察による封鎖が行われているのを確認した南雲は、現場の警官から車爆弾が仕掛けられているという情報を聞き出します。そのベイブリッジに風切り音が近付きます。それは対地ミサイルが発する音で、ミサイルは橋に止まっていた車に着弾、橋を爆破しました。しかもそれは、偶然撮影された映像から、自衛隊機による攻撃だと報道されます。刑事の松井は、別に撮影行っていた会社に連絡を取ります。すると担当者は、そのビデオは警察に提出済みだと言って来ました。松井は後藤に連絡を取ります。そのやり取りを南雲は剣呑な表情で見詰め、隠し事はなしだと釘を刺します。そこに隊長を尋ねて来た人物が居ると山崎が呼びに来ました。その人物は陸幕調査部の荒川を名乗り、隊長二人にあるビデオを見せます。そのビデオには、爆撃は自衛隊ではなくアメリカ軍が行ったという証拠が映し出されていました。荒川は、最悪の事態を想定してあらゆる所にパイプを繋いで置きたいと、特車2課にやって来た理由をいいます。
機動警察パトレイバー2 the Movieのネタバレあらすじ:承
二人をドライブに連れ出した荒川は、あるタカ派グループがクーデター紛いを計画している事を話し始めます。そのグループは政治と自衛隊の分裂を狙っていて、それは着々と進行していました。そして荒川は、その第1容疑者に柘植行人という人物を上げました。その時荒川の電話が鳴り、爆装した攻撃機が東京を目指していると連絡が入ります。
空自の管制室は件の攻撃機を追跡、迎撃機を出撃させます。しかし迎撃機は攻撃機を発見できず、突然連絡が途絶えその識別が消えます。撃墜されたと判断した指揮官は別な迎撃機に撃墜命令を出しましたが、その途端先行の迎撃機と通信が回復、攻撃機はレーダーから消えてしまいました。
後藤は荒川から、先日の一件がハッキングによる電子戦をだった事、またも事実は公表されない事を聞かされます。後藤は話を変え柘植に関して聞きます。柘植はレイバーの軍事利用等を考える研究会の発足者で、人はそれを柘植学校と呼びました。その柘植は持論を確かめるように東南アジアに行き部隊を全滅させます。そして柘植学校には南雲も居ましたが、不義密通が基で記録は抹消されていました。後藤は荒川に、柘植の目的は戦争を始める事かと聞きます。荒川は戦争は既に始まっている、どう終わらせるかが問題だと答えます。荒川は、前の戦争と今の平和について憂いてみせます。
2課に戻った後藤は、電話で南雲が部長と口論している所に遭遇します。警察と自衛隊の間で問題が発生、ある駐屯地で篭城が起こり、そこへ特車2課の出動命令が下ったのです。後藤も南雲もその命令に対しては不満を隠しません。それに加えて南雲は無断で荒川に会いに行った後藤を責めます。後藤は命令を無視しようと南雲に言いますが、それは出来ないと口論になり、結局後藤が折れる事になりました。
翌日、駐屯地の目の前を警視庁警備部が警護します。それと向かい合うように自衛隊の警護部隊が厳重警備を行っていました。戦前のクーデター事件を髣髴とさせる状態の中、荒川が後藤に電話を掛けてきした。彼は、政府は警察が自衛隊を追い込んだとして、首都圏の警備を自衛隊に委ねる事を決定したと言ってきます。
機動警察パトレイバー2 the Movieのネタバレあらすじ:転
自衛隊がその装備を持って首都圏に配備されて行きます。その物々しさはさながら戒厳令が敷かれたかのようでした。元第2小隊の面々はその報道を聞いて顔色を変えます。特車2課では、整備班が非常時に備え物資の貯蓄を始めました。
雪が降りしきる中、戦闘車両や戦闘ヘリが東京を警備します。松井は後藤に連絡を取ります。彼はある航空会社に張り込みを行っていました。そこは柘植が関係する航空会社で、爆破事件前から異様に飛行船を飛ばしていました。彼は、その会社がアメリカ軍経由で何か巨額の買い物をしていて居る事を調べ上げます。そしてその会社の警備は、明らかに軍隊化されていました。松井はその会社に忍び込みます。彼は何がしらの光ディスクを盗み更に内部を探ろうしますが捕えられてしまいました。
実家に帰った南雲は、母親から伝言を受け取ります。それは柘植からの呼び出しでした。彼女は拳銃を携え呼び出しに応じます。南雲は、柘植の部下が操舵する船で東京に張り巡らされた水路を進み、遂に柘植と再会します。しかしそこに荒川が部下を率いて現れます。柘植は即座に逃走、南雲は銃を向けますが引き金は絞れませんでした。暗闇に消えて行った柘植に発砲しようとした部下を抑え、荒川は南雲を謗ります。荒川は、母親から連絡を受けた後藤から通報受け、この場所までやって来ていました。
朝になり、3機の攻撃ヘリが離陸を開始します。松井の目の前では3隻の飛行船が離陸して行きました。警備中の偵察ヘリは攻撃ヘリと連絡を取ろうとしますが、それは柘植が出した状況開始と言う言葉に遮られました。南雲と後藤は幹部会議に出席を強いられていました。南雲が他部署のレイバー隊に出動要請を独断で出し問題になったのです。そこに松井から後藤に連絡が入り、柘植が動き出した報告を受けます。後藤は特車2課に連絡を取ろうとしますが繋がりませんでした。特車2課はヘリの攻撃に遭い、その装備を破壊尽くされていたのでした。南雲は幹部と警察官の職責に対して言い合い、そして罷免されます。後藤は柘植が帰った時から戦争は始まっていたと、南雲と運命を共にすると宣言します。その時、会議室に攻撃ヘリによる東京空爆が報告されます。後藤は遅すぎたと怒鳴り声を上げました。主要となる橋、そして通信設備などが次々爆破される中、後藤は南雲を連れて警視庁本部を脱出、2課が壊滅したという予測を告げます。そして、自分達に残された戦力で事態を解決する事を宣言しました。
機動警察パトレイバー2 the Movieの結末
飛行船が東京に通信妨害を掛け東京は孤立します。更にその上空を、アメリカ軍の哨戒機が飛びます。シゲと山崎は、後藤との手筈通り整備班を連れ移動を開始しました。後藤と南雲は、榊の家に匿われていました。後藤はこの状況をクーデターではなく思想を武力で達成する為のテロだと断じ、出掛けて行きます。それと入れ替わりにシゲの率いる整備班が到着します。榊は彼等に激を打ち、元第2小隊の面々を掻き集め始めました。
自衛隊は通信の回復を狙って飛行船のECMポットを破壊します。しかし、それに反応し飛行船は墜落、ガスが散布されました。地上の隊員達は素早く対ガス防御を行いますが、ガスは偽装でした。
荒川はその一件を密会している後藤に話し、飛行船には本物のガスも装備されていたと付け加えます。荒川は後藤に、柘植の本部を撮影した航空写真を見せます。そこを抑え、飛行船にECMの解除コードを送れば事件は解決すると彼は言います。そしてその写真は、アメリカ軍の撮影でした。アメリカは、独力による状況の解決がなされなければ軍事介入を行うという話も聞かされます。
再集結した第2小隊は、98式の再装備を始めます。柘植の本部へは、彼が陣取る埋立地に繋がる地下通路を使うと南雲は説明します。その地下通路までは後藤が手配すると言う事でした。松井は装備の一部を運び、第2小隊と合流します。そして彼が手に入れたディスクを解析すると、それは何かのコード表だと判りました。
装備が終わり、第2小隊は地下鉄の連絡線を使い移動します。後藤は建築されたが廃棄された駅で第2小隊と再会、南雲に指揮を託し彼等に出動命令を下します。出動して行く彼等を見送った後、何処からともなく現れた松井が荒川を逮捕します。後藤は荒川が柘植の仲間で、柘植に裏切られた男だと気付いていました。水路での発砲を止め、正規の部隊を使わず2課を頼った所が確信だと後藤は語ります。
地下通路に入った第2小隊は、待ち伏せのロボットと戦闘に入ります。南雲は2小隊の援護を受け敵の防衛線を突破、柘植の所に辿り着きました。柘植は都心を見て南雲に、幻のようだと言い、それを気付かせる必要があったと言います。南雲はその中で生きる者も居ると返し、信号弾を上げました。後藤は松井が手に入れた停止信号を送信させます。南雲は柘植を逮捕、彼に手錠を掛けその片方を自分に掛けました。後藤の乗ったヘリが二人を回収に来ます。後藤は南雲と入れ替わりに埋立地に残り、第2小隊を出迎えました。ヘリに同乗していた松井は、柘植に仲間を全て逮捕した事を告げ、何故自決しなかったかを聞きます。柘植はもう少しこの街の未来を見ていたかったのかも知れないと呟きました。
この映画の感想を投稿する