キラー・インサイド・ミーの紹介:2010年アメリカ,スウェーデン,イギリス,カナダ映画。温厚で評判の良い保安官助手がある出来事をきっかけにうちに秘めた凶暴性を目覚めさせ、次々と凶悪な犯罪に手を染めていくクライム・サスペンス。
監督:マイケル・ウィンターボトム キャスト:ケイシー・アフレック(ルー・フォード保安官助手)、ケイト・ハドソン(エイミー・スタントン)、ジェシカ・アルバ(ジョイス・レイクランド)、ネッド・ビーティ(チェスター・コンウェイ建築会社社長)、イライアス・コティーズ(ジョー・ロスマン建築業評議会会長)、ほか
映画「キラー・インサイド・ミー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「キラー・インサイド・ミー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
キラー・インサイド・ミーの予告編 動画
映画「キラー・インサイド・ミー」解説
この解説記事には映画「キラー・インサイド・ミー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
キラー・インサイド・ミーのネタバレあらすじ:起・目覚めた狂気
1950年代のテキサス。保安官助手のルーは上司ボブから町外れに住む売春婦ジョイスを町から追い出すよう命じられる。ジョイスのもとを訪れたルーが退去を命じると、反抗的なジョイスはルーに毒づき、平手打ちを食らわせる。それにカッとなったルーはジョイスを殴打、内なる凶暴性が目覚めてしまう。我に返りルーはジョイスに謝罪するが、暴力的な情事に2人ともが快感を覚え、その後もルーはエイミーという恋人がいながらもジョイスの元を訪れるようになる。
キラー・インサイド・ミーのネタバレあらすじ:承・もう1人の自分
ある日、ルーはかつて義兄が勤めていた建設会社社長チェスターから呼び出しを受ける。ジョイスはチェスターの息子エルマーとも関係を持っており、チェスターはエルマーとジョイスを別れさせてほしいとルーに依頼する。エルマーに会ったルーは金を持ってジョイスと駆け落ちするつもりだという彼に協力し、礼金をもらってジョイスの家で落ち合うことにする。約束の時間より早めにジョイスの家に向かったルーは途中で車をパンクさせて彼女の家へ着くと、情事のあとジョイスを息の根を止めるまで殴打し、あとからやってきたエルマーをジョイスの銃で撃ち殺す。エルマーとジョイスの殺し合いに見せかけ、そのまま車へ戻ったルーは、そこにやってきたチェスターと出くわし、彼と共に再びジョイスの家へ戻り、そこでチェスターは惨状を目にするが、ジョイスはかろうじて息があった。
キラー・インサイド・ミーのネタバレあらすじ:転・止まらない殺意
翌日、ルーはボブと郡検事ハワードとともに現場に向かう。途中ルーがパンクした車を止めた場所に着くと、ハワードはタイヤ痕からルーに疑いを持ち始める。一方でチェスターは真相を知るためジョイスを回復させようと転院を手配するが、移送後に死亡したと聞かされる。
その後、ルーはハワードから近所のガソリンスタンドで働くジョニーをジョイスとエルマー殺人の容疑で逮捕したと知らされる。エルマーが持っていた印のついた紙幣をジョニーが持っていたためだったが、その紙幣はルーがジョニーに渡したものだったことからルーは真相に感づいたジョニーを留置場で自殺に見せかけて殺す。そんな中、ルーのもとにホームレスの男が尋ねてくる。事件の日にジョイスの家でルーを目撃したことでゆすりに来た男に、金を渡す日を約束して帰す。そしてその約束の日、ルーはエイミーを殺し、濡れ衣を着せられたホームレスの男は逃走途中で射殺される。数日後にはボブの自殺が報じられる。
キラー・インサイド・ミーの結末:破滅への道
一連の事件をルーの犯行と確信したハワードはルーを連行するが弁護士によって釈放される。自殺を決意したルーが家にガソリンを撒いていると、警察に包囲された中から死んだとされていたジョイスが現れる。近づいてきたジョイスをルーが刺すと、包囲していた警官隊がルーを射殺、ガソリンに引火し、あたりは炎と煙に包まれる。
似たような映画サイトでいくつかの投稿がされていて、殆どが普通の人間が狂気となる過程がすごかったなどと記載されているが、私は全くそのようには感じなかった。
たしかに狂気のきっかけとなった幼い頃の母との事は理解できない訳では無いが、愛し合った女性を殴り殺すという狂気は、もはや異常さを超越している。
そして婚約者を撲殺する直前のシーンでは、いつ彼女を殺そうかということを絶えず考えていることが覗えることで、主人公のサイコパスは、殺す相手をどのようなタイミングで殺すか、常に思考しているのだ。
警察もかなりバカで、数金の事件とサイコパスの男がいつも同じ時間に登場していることや女が抵抗して銃を撃ったとい検証も、男の拳に殴った痕がない事等、わからにのかと不思議に思う。
そして決してやってはいけないことがラストシーンだ。
なぜ女性を再びサイコパスに合わせたのか?
警察も巻き込んだ放火爆発で、大多数が巻き込まれたはずだ。
主人公の動機は、母にまで遡るのだろうが、この設定に対する共感は得られなかった。
主人公が成した数々の殺人も、あまりにも身勝手極まり、そしてあのやるせないラストシーンには言葉も出ない。
これもある意味で人を描いているのかもしれないが、そこに多少の共感がなければどうしようもない。
どうしようもないとは、評価できないということだ。