マラドーナの紹介:2008年スペイン,フランス映画。『アンダーグラウンド』等のエミール・クストリッツァ監督がディエゴ・マラドーナに密着取材しインタビューを試みた。ゴールシーンやマラドーナ教信者の儀礼の映像、クストリッツァの作品の抜粋もまじえ、「サッカーの手品師」の人となりに迫るドキュメンタリー映画。
監督:エミール・クストリッツァ 出演者:ディエゴ・マラドーナ、エミール・クストリッツァ、ほか
映画「マラドーナ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マラドーナ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マラドーナの予告編 動画
映画「マラドーナ」解説
この解説記事には映画「マラドーナ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マラドーナのネタバレあらすじ:撮影開始
ブエノスアイレスでのクストリッツァのロック・バンドのコンサート。ギターのクストリッツァは「映画界のディエゴ・マラドーナ」と紹介される。クストリッツァはマラドーナを自分の映画に登場してもおかしくない人物と考えている。2005年4月1日。ブエノスアイレスにクストリッツァが到着する。ディエゴ・マラドーナとその家族に温かく迎えられる。1986年ワールドカップの対イングランド戦はフォークランド(マルビナス)諸島の領有を争った戦争で死んだ若者たちの敵討ちだったとマラドーナは言う。セルジオ・レオーネやサム・ペキンパーの映画に似合う人物。サッカー選手でなければ革命家だったはずの男。彼の左足にはキューバ議長フィデル・カストロの、右腕にはチェ・ゲバラのタトゥーが彫ってあった。
マラドーナのネタバレあらすじ:故郷を訪れる
クストリッツァはマラドーナの生涯をたどり始める。15年ぶりに故郷に来たマラドーナ。村の貧しい家に生まれたが、家族は助け合い、クストリッツァの言うところの貴族精神が養なわれた。貴族精神ゆえに移籍金の安いボカ・ジュニアーズにマラドーナは入った。少年はかつて父親にボカ・ジュニアーズに入ると約束したからだ。政治家たちへの軽蔑を隠さないマラドーナ。だが1987年以来のつきあいのカストロには敬意をもっている。彼だけは国民から泥棒をしない政治家である。
マラドーナのネタバレあらすじ:ヨーロッパの旅
2005年6月9日、ナポリ市民の熱狂的な歓迎の声に、ホテルの窓から顔を出してマラドーナが応える。彼の乗る自動車も市民に囲まれて立ち往生してしまう。マラドーナはSSCナポリの救世主だった。当時はイタリア南部のチームがイタリア北部のチームに勝てるとは思われていなかったが、その評価をSSCナポリは覆した。2005年6月15日、マラドーナはクストリッツァをともなって戦争による破壊の跡が生々しいベオグラードを訪れる。FCバルセロナ時代にプレーしたスタジアムで試合を回想し、ボールを蹴って遊ぶ。暗くなるまでボールを蹴っていた子供時代を回想する。翌日クストリッツァの母が死ぬ。最後に母が話したクストリッツァの友人はマラドーナだった。
マラドーナのネタバレあらすじ:コカイン中毒
コカイン中毒で何度も死の淵に立ったことのあるマラドーナ。彼は非凡さゆえに崇拝の対象となるが、そのプレッシャーから麻薬にはまってしまう。マラドーナの健康問題により、2006年3月、撮影は暗礁に乗り上げていた。クストリッツァは一人ブエノスアイレスでタンゴの歴史を考える。そしてマラドーナ教信者の経営するナイトクラブ、クロコダイルを訪問する。 家でマラドーナの両親に紹介されるクストリッツァ。マラドーナはコカイン中毒のせいで娘たちとスキンシップが取れなかったことを悔いる。マラドーナが生き延びることができたのは妻のクラウディアの力による。
マラドーナの結末:神からエンターティナーへ
自分の好きなように生きていたいというマラドーナ。引退した今は自分を、与えられた台本の台詞を読むのでなくその役の人生を生きる俳優と考える。好きな俳優は『レイジング・ブル』のロバート・デ・二―ロだと言う。2005年、米州首脳会議の行われるマル・デル・プラタで行われる反ブッシュ集会へ列車で向かうマラドーナにクストリッツァは同行していた。核兵器でも金でもなく民衆の力が世界を変えられるという高揚感。集会でベネズエラのチャベス大統領に紹介されて演壇に立ったマラドーナは「アルゼンチンからブッシュを追い出そう」と呼びかける。グローバリズムに反対するデモは暴動に発展した。 映画の最後にマラドーナはコカインをやらなければもっとサッカーをやれたという後悔を口にする。彼の内面の戦いはまだ続いている。
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