Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのちの紹介:2011年ドイツ,フランス,イギリス映画。2009年に急逝した舞踏家で振付師のピナ・バウシュ。ヴッパタール舞踏団のダンサーたちが語る彼女のダンスにおける教えとは。ピナ・バウシュの前衛的で類稀な才能を感じるとともに、ダンサーの細かな息遣いまで伝わるような臨場感溢れるダンスシーンに注目。
監督:ヴィム・ヴェンダース 出演:ピナ・バウシュ、ヴッパタール舞踊団のダンサーたち、ほか
映画「Pina/ピナバウシュ 踊り続けるいのち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「Pina/ピナバウシュ 踊り続けるいのち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」の予告編 動画
映画「Pina/ピナバウシュ 踊り続けるいのち」解説
この解説記事には映画「Pina/ピナバウシュ 踊り続けるいのち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」のネタバレあらすじ:起・春の祭典
故ピナ・バウシュへの献辞と共に始まる。
春夏秋冬のポーズに合わせて踊る団員達。
そして、合図と共に舞台に土が広げられ、「春の祭典」が始まり、土にまみれ名が踊る。
ピナにとって言葉にできないものを想像してもらって言葉にならない特別な何かを感じ取ってもらう、それがダンスの出発点。
とある団員はピナから身体言語を学び、それまで恥ずかしがりだったが、話せるようになり、練習を重ねると、ピナからもっとクレイジーにと初めて言われたと語る。また、団員に問いかけることで、ダンサーはそれを全身で表現して見せることもある。
「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」のネタバレあらすじ:承・カフェ・ミュラー
「カフェ・ミュラー」に参加した初演で、ピナは目を閉じて踊っていた。再演で同じに感情にならなくて、舞台の初演を観たら目をつぶっており、目をつぶると初演の時の感情で踊れた。舞台の上に物を置くカフェ・ミュラーでは舞台の上に思いついて椅子を並べた。
ピナに小手先の踊りは通用しない。彼女は、はかなさと強さがあり、際限なく聞き、見極める力を持ち、それは限界を知らない。
ピナは出ない予定だったけど急遽出た。お客の期待に応えるため?ふりを覚えられなくて不安だったから?
カフェミュラーでピナの役を継ぐのは無理だと、後継者の女性は言う。彼女は永遠で、カフェ・ミュラーを見て内面を感じ取ろうと、うつろな様子で踊るピナを見ていると、彼女は死の国にいるみたいで、その痛みや孤独に思いを馳せる。
目を瞑って踊っていたにも関わらず、カフェ・ミュラーでピナは団員達の全てを感じ取っていた。
ヴッパタール舞踏団は年長者デモ楽しく踊れた若い頃は楽しかったけれど、40を過ぎたら余裕も出てきたし、ピナが美を引き出してくれ、円熟左と若さの融合が行われた。
ピナの一言は三時間の話し合いよりも踊り手をその気にさせる。
「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」のネタバレあらすじ:転・コンタクトホーフ
指導中のピナは美しかった、よく見とれた毎日座って見守り、時を共にした。いつも同じテーブルで22年も団員を見守った。
コンタクトホーフでは男女がそれぞれに椅子を用いたり一人他の団員が見守る中踊ることもある。
若手にとって、説明もなく戸惑いも多いが、途方に暮れた後、髪を引っ張る案が浮かんだりする。また、誠実であるという事はどういうことかダンサーの責任とは何か、若いダンサーはピナの教えに従い、ふりとステップと動きのひとつひとつを大切にしたいと語った。
入団した時はわからなかった説明もなくて途方に暮れたお網を上に引っ張る案が浮かんだの。
また、個性を見極め、ダンサーの力を引き出すのが得意で、そうして繊細が強みだと言われたダンサーもいた。
「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」の結末:フルムーン
「フルムーン」では喜びを動きで表してとの指導に、そこから全体を作った。
指導中ずっと誰かの後ろに隠れていた女性にとって、ピナは恐れ多い存在だったけれど、なぜ怖がるのと問われそのうち彼女は物怖じしなくなり、舞台上で自由に踊る。
ピナの突然の死を悼む団員もいた。まだ夢を見ていない、夢に出てくるのを待っているけれど、本当は本人に会いたいと零す団員や、突然の死に、ピナは自由になったのだと信じたいと言う団員は無重力の感覚を踊りで表現した。
ピナのテーマは愛と痛み、美、悲しみ、孤独。こだわる物は、砂や土、石、水、氷山や岩が舞台に乗ったこともあり、それらを乗り越えて踊らなければならない。彼女の手にかかれば、悲しみや怒り、泣いたり笑ったり何でもできた。自分たちの中にピナが宿ったのか、ピナの一部に自分たちがなったのかは定かではない。
ピナはまるで探究者のようで、魂の奥底を見て、何に焦がれているのか、こうした思いはどこから来るのか。探し続けなさいと言う子渡場に、団員たちは、模索を続けなければならない。
採掘場の稜線で、再び春夏秋冬のふりをする団員たちの列。スクリーンにモノクロのピナの踊る映像が映り、それが手を振り去って行くと、「踊りなさい、自らを失わないように。」という言葉で終わる。
以上、映画「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」のあらすじと結末でした。
「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」のレビュー・考察:ピナの痕跡
インタヴューを受けた団員たちはそれぞれソロであったり、ペアを組んだりなどしてそれぞれヴッパタールの町の道や工場、モノレールで踊る。それは、さながら、まだピナ・バウシュ師事したダンサーたちによって彼女の教えが受け継がれ、踊りとして町のそこかしこに生きているようだ。
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