プーと大人になった僕の紹介:2018年アメリカ映画。ディズニー作品で長く愛されてきた「くまのプーさん」の実写作品。大人になったクリストファー・ロビンは仕事に追われ慌ただしい毎日を過ごしています。会社ではかばんの部署に配属されているが、戦後の不況で売れ行きが悪く、経費削減やリストラの人員整理を任されています。週末は妻と娘の三人で実家に帰って過ごす約束をしていたが、会議で行けなくなってしまいます。クリストファー・ロビンは家でひたすら仕事に専念して会議の資料を作っていたところ、突然、幼いころの大親友であるプーさんが、仲間がいなくなったので探して欲しいとロンドンにやって来るのですが…。奇跡的な再会を果たしたクリストファー・ロビンとプー。プーのマイペースな思考が、現代の大人たちにメッセージをなげかけます。
監督:マーク・フォースター 出演:ユアン・マクレガー(クリストファー・ロビン)、ヘイリー・アトウェル(イヴリン・ロビン)、ブロンテ・カーマイケル(マデリン・ロビン)、マーク・ゲイティス(ジャイルズ・ウィンズロウ)、ジム・カミングス(プー/ティガー)、ニック・モハメッド(ピグレット)、ブラッド・ギャレット(イーヨー)、ソフィー・オコネドー(カンガ)、ピーター・キャパルディ(ラビット)、トビー・ジョーンズ(オウル)、ほか
映画「プーと大人になった僕」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「プーと大人になった僕」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
プーと大人になった僕の予告編 動画
映画「プーと大人になった僕」解説
この解説記事には映画「プーと大人になった僕」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
プーと大人になった僕のネタバレあらすじ:起
クリストファー・ロビンは幼少期の多くの時間を100エーカーの森でぬいぐるみの仲間たちと過ごしていました。
ピグレット、イーヨー、ティガー、カンガーやルー、ラビットもいて、探検ごっこやドングリを拾ったり、困ったときには助けてあげたり、川で遊んだり、時々なにもしない日もあったり、本当に楽しく過ごしました。
しかし、ロビンが寄宿学校に通うことになり、プーやピグレットなど仲間たちとお別れをすることになります。森の仲間たちはケーキを作ってくれました。大切なドングリや木の枝を見るたびに森の仲間たちを思い出してもらえるようにと、ロビンに渡しました。そして「決して忘れないで」と言い、ロビンも「決して忘れないよ」と言ってお別れをするのでした。
寄宿舎生活が始まってからは勉強が忙しくなり、森のことは少しずつ忘れていきました。その間にはお父さんが亡くなるなど、悲しい日もありました。
長い年月が経ち、ロビン(ユアン・マクレガー)は仕事を始め、イヴリン(ヘイリー・アトウェル)と出会い結婚します。二人の間には女の子が生まれます。名前はマデリン(ブロンテ・カーマイケル)。ロビンは順調に幸せな家庭を築いていると思っていました。
ロビンはマデリンに将来自分と同じようにいい仕事に就かせるために、勉学に励むように教育します。マデリンは父のことが大好きで、父のために勉強を頑張りました。
ロビンは仕事第一で働いており、家族との時間をなかなか持つことができていませんでした。イヴリンもマデリンも寂しい思いをしていましたが、仕方がないと我慢します。
ロビンは会社では鞄(カバン)部の部長でしたが、戦争の影響から鞄は売れなくなっていました。ロビンの部門は社長から経費削減やリストラの人員整理のリスト作りなど、人が嫌がる仕事を押し付けられていました。しかし真面目なロビンは会社のために一生懸命頑張っていました。
プーと大人になった僕のネタバレあらすじ:承
ある夏の週末、家族3人でロビンの実家に行き、ゆっくり家族の時間を過ごす計画をたてていました。なぜなら、この夏が終わるとマデリンは寄宿学校に行かなければなりません。家族でゆっくり過ごせる最後のチャンスです。
マデリンはそれを楽しみに宿題を全て終わらせました。しかし、ロビンは会社の社員のクビがかかっている会議の準備をしなければならなくなり、週末を家族と過ごすことができなくなってしまいました。
マデリンは悲しみます。ロビンはマデリンから無言の落胆を見せられ、イヴリンからは「あなた、最近は全然笑わなくなった。仕事が大変なのはわかるけど昔みたいに二人で音楽に合わせてあなたに抱かれながら一緒に踊りたい。でも、あなたの頭の中は仕事でいっぱい。でも、本当に大切なものは何かよく考えて欲しい。」と言われ、落ち込むのでした。
イヴリンとマデリンは、ロビンを残して彼の実家に行きました。マデリンには、イヴリンが「お父さんはお仕事で色々なことを抱えこんで大変なのよ」と言って納得させました。
ロビンは独り残って仕事をしていました。会社近くの公園にある大きな木陰を通っていると、突然プーさんが現れ「友達がみんないなくなったんだ。探すのを手伝って。」とロンドンにやってきました。ロビンはびっくりして人に見られないようにプーを自分のコートの中に隠して家に連れて帰ります。
家で仕事をしているロビンの横では、プーがはちみつをこぼして歩きだしたり、台所の棚やレコードプレーヤーを壊したりします。腹が立ちながらも片付けをしていると、いつの間にかプーは可愛い顔で眠っていました。ロビンはプーの寝顔を見て、布団をかけてあげます。
次の日の朝、ロビンはプーを100エーカーの森に連れて帰ることにします。ロンドンの街を歩いていると路上で風船を見かけ、プーがとても風船を欲しがるので買いました。プーは「風船は僕を幸せな気持ちにしてくれる。」と言ってとても喜びます。
電車に乗ると、ロビンは鞄の中から書類を出して仕事を始めます。それを見たプーは「その鞄はとても大切なものなの?」と聞きます。ロビンは「大切だよ。なにもしないと何も変わらない。もう、ハチミツと風船だけではダメなんだよ。」と答えます。
イライラしながら仕事をしているロビンの横では、プーが独り言のように窓から見えるものを一つずつつぶやいていくゲームをしています。ロビンは「うるさいので静かに」と注意します。
プーと大人になった僕のネタバレあらすじ:転
なんとか実家に戻ったロビンとプーでしたが、現在里帰り中のイヴリンとマデリンに出会わないように、こっそりと100エーカーの森へと向かいます。
そして、やっと100エーカーの森に着くと、もうお別れしようとロビンは会社に帰ろうとします。しかしプーが「友達見つけるの手伝って。」と森に誘います。
友達を探して歩いていると、だんだんと霧が深くなって道に迷います。ロビンは戦争の時に使った方位磁石で道を探そうとすると、プーが見たいと言うので渡します。しかしプーは方角を見ておらず、同じところを何度もグルグルとまわっていました。プーは「森の中には怖いゾウやズオーがいて食べられる」と言います。ロビンはそんなのはいないと言います。そんなのはおとぎ話だと。
そして、イライラしたロビンの怒りが爆発したとたん、プーはいなくなり森の底に落ちていました。誰もいなくなり、雨が降り始め、気がつくと水かさが増してきていましたが、なんとか抜け出すことができました。そしてプーや森の仲間たちが出てきて、みんなに会うことができました。
ロビンが帰ろうと家の前を通ると、イヴリンに見つかりびっくりさせてしまいます。イヴリンは「しばらくここにいるわと」話ます。マデリンは「もう少ししたら寄宿学校が始まる。そしたらもう一緒にいる時間がなくなってしまうのに」と話します。
そんなマデリンを見てイヴリンは「思いきって外で遊んでおいで。」と言います。マデリンは外に出て公園で遊んでいました。ロビンがロンドンに帰ろうとするときにはびしょ濡れになっていた書類も「カンガとルーが乾かしたよ」、と言ってくれていました。
安心したロビンはロンドンへと帰って行きました。電車の中ではプーがしていた見えるものを一つずつ言うゲームをしながら。
プーと大人になった僕の結末
ところが鞄の中には森のドングリや木の枝、イーヨーのしっぽしか入っていませんでした。会議で使う大切な資料をティガーがロビンのかばんから抜き出してしまっていたのです。
これは大変だと思ったプーは、「今度は僕がロビンを助ける番だ。」と言ってピグレットとティガーとイーヨーと共に、ロビンのためにロンドンへ向かう決意をします。
その途中、プーたちはマデリンと出会います。マデリンはぬいぐるみたちがしゃべることに驚きましたが、父のためにと、自分も一緒にロンドンへ行く決意をします。
やっと会社に戻ってきたロビンは、なんとか11時の会議に間に合いました。そして、いよいよ発表するために作っていた書類を出そうと鞄を開けると、そこからは木の枝やドングリが出てきます。イーヨーのしっぽもありました。周りからは「とうとうおかしくなった」と言われ、慌てて取りに戻ろうとします。
するとそこに、イヴリンからマデリンがいなくなったという知らせを受けます。ロビンは会議を抜け出し、イヴリンと一緒にマデリンを探します。
その頃、マデリンやプー達は会社の近くまで来ていました。しかし、ロビンに会う直前に大切な書類は風に飛ばされ、二枚しか残っていませんでした。
ロビンは無事にマデリンと再会しましたが、書類が風で飛ばされてしまったことにマデリンはひどく落ち込んでいました。そんな姿を見たロビンは、「お父さんが間違っていた。もう寄宿学校にはいかなくていい。書類よりもマデリンが無事で良かった。これからもずっと一緒に暮らそう。」と、家族のことを省みず仕事中心になっていた生活を反省しました。そしてこれからは、家族を第一に考えて生きていくと約束します。
そしてロビンは残っていた二枚の書類を見ます。ピラミッドの図形を逆さまにして見ると、あることがひらめきました。会社再建の解決策についてです。それは、プーが教えてくれた「何もしないこと」からヒントを得ました。
会議に戻ったロビンは「今までは金持ちの人だけをターゲットにした鞄でしたが、これからは数多い普通の一般の人達にも使ってもらえるように価格を安くして、有給をとって長期休暇を楽しんでもらえるようにしよう。そしてたくさん顧客が増えればリストラもしなくて済みます。」と提案します。
その考えは会長にも認められました。しかし、会長の息子である社長は怠惰でみんなに仕事を押し付けて自分は遊んでいることがばれてしまいました。
ロビンはその後、改めて家族を100エーカーの森へと招待し、そこでプーとその仲間たちと楽しい時間をすごすのでした。
以上、映画「プーと大人になった僕」のあらすじと結末でした。
「プーと大人になった僕」感想・レビュー
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ユアンマクレガー出演ということと、パディントンやTEDなどに続く、クマ映画とのことで、観に行きました。イギリスが舞台ということもあり、ロンドン市内や、郊外のハートフィールドのロケ地が気になりました。吹き替え版のプーさんの声が、あまりにも個性的すぎて、字幕版もそのような話し方なのか、気になりました。
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Disney映画のファンなので、以前から期待していました。プーさん自体は元々好きではなかったのですが、これは本当にいい裏切りで、良作でした。プーさんはじめ、キャラクター達はとても可愛らしく実写で再現されていて、ぬいぐるみの質感も感じられてとても好感をもてました。また、ユアンマクレガーは薬物中毒からオビワンまで幅広い演技ができる方でもともと大好きな役者さんですが、年齢不詳な雰囲気で劇中では少年のような瞳を魅せながらも仕事につかれた中年にもみえ、とても魅力的な演技でした。
クリストファーロビンが奥さん(ヘイリーアトウェル)と向かい合って話をしているシーンでは、いつ奥さんが彼を殴り倒して、ユアンマクレガーがライトセーバーを取り出すのかと、無粋な妄想をしていましたが。。。(笑) -
CGでリアルに再現された、古ぼけたぬいぐるみのプーが、とにかく愛らしい。プーをはじめとした100エーカーの森の仲間たちも全て登場し、彼らを見ているだけでも癒されます。
吹き替え版で観ましたが、イーヨーの声が英語版の役者さんとそっくりな声で、びっくりしました。吹き替え版のクリストファー・ロビン役の堺雅人さんの演技は、好き嫌いが分かれるかと思いますが、ズオウを退治する(ふりをする)辺りの演技がはっちゃけていて、私は好きです。 -
予告を見てからすごく気になっていた作品。大人になったクリストファー・ロビンに焦点を当てたお話。自分も日常のいろいろなことに追われている身なのですごく共感できました。自分の中では、クリストファー・ロビンとプーさんが仲直りする場面から、娘の冒険のシーンがとても好きなところですね。見終わった後になんともない日々が大切なんだろうなと感じさせられる作品でした。
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プーさんと仲間たちがとてもリアルに動いており、アニメの世界が実写になるとこのような感じなのかと衝撃を受けました。大人になったクリストファーロビンがに感じる気持ちが共感できました。自分は子育て経験があるので、どこか子育てにも似た感覚があり、映画を見たあとに子供にやさしく接したいという気持ちにさせられました。
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この映画は題名から子供のころの自分を取り戻すとうイメージでしたがそれだけではなくもっと深いものがありました。プーさんに対してクリスファーが怒りを爆発させた時はドッキとしました。「”何もしない”を毎日している。」とプーさんが言った言葉とともにこれからの自分の生き方を見つめ直す良い機会になりました。今もプーさんのぬいぐるみを見る度に愛おしくジワジワときます。
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くまのプーさんが実写になり観るのを楽しみにしていました。アニメを裏切らない可愛さとキャラクターたちのクオリティでした。イーヨーのネガティブさに思わずクスリとしてしまいました。
ストーリーはアニメ版で見ていたものとは全く違っていて想像よりシビアで、クリストファーとプーさんのやり取りに少しドキドキしましたが内容はとても濃く、見終わった後今の自分について考えさせられるものでした。
吹き替えで見たので、DVDが発売になったらぜひ字幕で生の役者さんたちの声を聴いてみたいと思っています。 -
勿論Disneyの実写化というだけあり再現率は高かったですが、より一層内容に私は感銘を受けました。家族と向き合うと言うテーマでもあり、また子供の頃の想像力、無心に帰るという意味も込められておりとても見応えがあり心温まるストーリーでした。トイストーリーと違ってまた大人になるにつれて無心に帰ること話忘れてしまい1番大切な事を思いださせてくれる話です。何もしない事は人生においてとても重要です。
大人向けの映画だと思います。全体的に映像が暗めのトーンで作られているように感じました。大人になって直面する社会の厳しさや、それに対するプーさんの呑気さ、純真さのギャップは大人にならないとわからない感覚だと思います。ストーリー展開を楽しむというよりは大人になってしまったことで失ってしまう心情がどういったものかに向き合う映画なのかなと思いました。