メトロポリス (1926)の紹介:1926年ドイツ映画。権力者が労働者を支配する未来都市メトロポリスを舞台に、支配者と労働者の歩み寄りを描いた物語。現存するフィルムを可能な限りの編集技術で再現したSF映画の原点とも称されるモノクロサイレント映画。日本での初公開は1929年ですが、一般的に知られるようになったのは作曲家ジョルジオ・モロダーが再編集し1984年に公開されたジョルジオ・モロダー版と思われます。
監督:フリッツ・ラング 出演:ブリギッテ・ヘルム、アルフレート・アーベル、グスタフ・フレーリヒ、テオドア・ロースほか
映画「メトロポリス (1926)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「メトロポリス (1926)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
メトロポリスの予告編 動画
映画「メトロポリス (1926)」解説
この解説記事には映画「メトロポリス (1926)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
メトロポリス (1926)のネタバレあらすじ:地上と地下
未来都市メトロポリスでは富裕層は地上で豊かな生活を送り、労働者たちは地下深くで過酷な労働に明け暮れる毎日だった。
ある日、メトロポリスの支配者フレーダーセンの息子フレーダーは、労働者階級の娘マリアに出会う。一目でマリアに惹かれたフレーダーは地下深く彼女を追って行くが、そこで過酷な労働を強いられている人々を目の当たりにし衝撃を受ける。
同じ頃、フレーダーセンは労働者の不穏な動きを察知し、発明家ロートヴァングの元を訪れる。労働者の様子を探りに2人は地下へ降りていくと、そこでは労働者たちが集まり、「いつか救世主が現れる」というマリアの言葉に聞き入っていた。
メトロポリス (1926)のネタバレあらすじ:偽のマリア
そうした集会にクーデターの危機を感じたフレーダーセンはロートヴァングに、彼が造ったロボットにマリアの顔を与え、労働者たちの団結を乱すよう命じる。こうしてマリアはロートヴァングに拉致され、マリアそっくりのロボットが誕生する。
ところがロートヴァングは偽のマリアを使って、地下ばかりでなく地上にも争いの種をまき、都市全体に混乱を引き起こす。偽マリアにそそのかされてて機械を破壊したことで地下の町が水没し、自分たちの子どもが犠牲になったと思った労働者たちは怒り、偽のマリアを捕らえて火あぶりにする。
メトロポリス (1926)のネタバレあらすじ:媒介する心
一方、ロートヴァングから逃れ、フレーダーと共に町から子どもたちを救い出した本物のマリアは、錯乱したロートヴァングに再び捕らえられるが、フレーダーによってマリアを救い出され、格闘の末ロートヴァングは死ぬ。
労働者たちは子どもを救ってくれたフレーダーに感謝し、またフレーダーセンも子を思う親の心は皆同じであることを実感していた。フレーダーは支配者である父と労働者の手を取り、両者の手をつないだ。
こうして支配者(頭脳)と労働者(手)は心を媒介者にして結ばれたのだった。
以上、映画メトロポリス (1926)のあらすじと結末でした。
「メトロポリス (1926)」感想・レビュー
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本物のマリアと偽マリアの二役が面白かった。
暴徒の怖さや、後先考えない行動の恐ろしさも描かれていて、知識や技術だけの文明は崩壊するというメッセージが込められていた。
IC人工頭脳が、最近やたらにもてはやされているけど、このメトロポリスでは驚くことに既に予見していたと思う。
天使のマドンナみたいな演説シーンも、まるでタリバンの銃撃をうけたのが切っ掛けでノーベル賞受賞者になったマララ・ユスフザイ出現と同じに思える。
今のあらゆるものを既に予見していたがメトロポリス映画の核心だと思う。