眉山 -びざん-の紹介:2007年日本映画。さだまさしのベストセラー小説を映画化した作品。徳島県を舞台に父を知らず寂しさを抱えながら生きてきた娘が余命僅かとなった母との絆を取り戻していく様を描いたヒューマンドラマです。
監督:犬童一心 出演者:松嶋菜々子(河野咲子)、大沢たかお(寺澤大介)、宮本信子(河野龍子)、円城寺あや(大谷啓子)、山田辰夫(松山賢一)、黒瀬真奈美(河野咲子 – 14歳)、永島敏行(島田修平)、中原丈雄(小畠剛)、金子賢(吉野三郎)、本田博太郎(綿貫秀雄)、夏八木勲(篠崎孝次郎)、ほか
映画「眉山 -びざん-」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「眉山 -びざん-」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
眉山 -びざん-の予告編 動画
映画「眉山 -びざん-」解説
この解説記事には映画「眉山 -びざん-」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
眉山 -びざん-のネタバレあらすじ:起
東京の広告代理店で働く河野咲子のもとに故郷で暮らす母が入院したという知らせが入ります。咲子は故郷の徳島に戻り、母に会いに行きます。入院中の母龍子は態度の悪い看護師を厳しく叱りつけるなど気丈な姿を見せ、咲子を辟易させます。しかし龍子の身体は末期の癌に侵されており、咲子は担当医から残された余命がいくばくもないことを知らされます。母と二人だけで生きてきた咲子には相談できる相手もおらず、一人苦悩します。ある日咲子は患者の愚痴をぶちまける看護師を目撃して激怒し、彼女をかばおうとする小児科医寺澤大介を厳しく叱りつけます。龍子からも叱られてしまった大介はその後咲子に謝罪、これが縁となり二人は少しずつ言葉を交わすようになります。
眉山 -びざん-のネタバレあらすじ:承
龍子は女手一つで咲子を育てながら小料理店を切り盛りしてきた苦労人です。龍子は礼儀をわきまえない客には本気でお説教してしまうようなまっすぐな女性で、誰とでも分け隔てなく接する姿は沢山の客に慕われてきました。しかし思春期となった咲子は父の存在を隠そうとする母へ反発するようになっていきます。龍子は父には家庭があったこと、父を愛していたからこそ未婚で咲子を産んだことを打ち明けますが、咲子は母の身勝手さが許せません。いつしか母娘の間には深い溝ができるようになってしまったのでした。咲子は大介から龍子が献体を望んでいると知らされ、母の気持ちを理解できずに苦しみます。大介はそんな咲子に寄り添い、二人は深く愛し合うようになっていきます。咲子は小料理店の板前を務める賢一から龍子が大事にしてきた小さな箱を託されます。中を開けると篠崎孝次郎という男性から龍子に宛てられた沢山の手紙と一枚の写真が出てきました。写真の中には眉山をバックに微笑む若かりし頃の母と孝次郎が収まっており、咲子は彼が父であることを確信します。仕事を片付けるため東京へ戻った咲子はその足で父の住む町を訪ねます。
眉山 -びざん-のネタバレあらすじ:転
本郷で町医者として働く父孝次郎は診察室に現れた咲子が自分の娘だとすぐに気づきました。咲子は孝次郎に尋ねられ、出身が徳島であることを話しますが、結局素性を明かすことはできませんでした。そしてしばらく阿波踊りを見ていないと語る孝次郎に今年はぜひ見に来て下さいと言い残して診療所を去りました。本格的な夏に向かい、龍子の病状は悪化の一途を辿っていきます。龍子は徳島が孝次郎の故郷であったこと、眉山を孝次郎だと思い、ここまで生きてきたと咲子に語りかけます。咲子は龍子にとって最後になるであろう今年の阿波踊りに何としても母娘で参加したいと思っていました。渋る担当医を説得し、なんとか外出の許可を得ます。そして阿波踊りの当日となる8月12日がやってきます。咲子と龍子、大介達は阿波踊りの会場となる演舞場にやってきます。会場に父がやってくることを信じている咲子は群衆の中に孝次郎の姿を探しはじめます。一方死期が迫りつつあることを悟っている龍子は大介に咲子のことを託します。
眉山 -びざん-の結末
いよいよクライマックスとなる総踊りが始まりました。咲子は反対側の観客席に孝次郎の姿を見つけ、必死に父の名を呼び続けます。やがて咲子の声に導かれるようにして孝次郎と龍子は互いを静かに見つめあうのでした。その後龍子は咲子に看取られ、静かに息を引き取りました。2年後、咲子と大介は献体慰霊祭に出席します。龍子が医学生達に向けて残したメッセージカードには娘が自分の命であったと綴られていました。咲子は母の深い愛に包まれて生きてきたことを知るのでした。
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