妻よ薔薇のやうにの紹介:1935年日本映画。中野実の戯曲「二人妻」を監督自身が脚色したもので、戦前の成瀬巳喜男の代表作。優柔不断で頼りない男性を描いた点で、戦後の「浮雲」に似た内容となっている。キネ旬ベストテンで第1位に輝いた。
監督:成瀬巳喜男 出演:千葉早智子(山本君子)、丸山定夫(山本俊作)、英百合子(お雪)、伊藤智子(山本悦子)、藤原釜足(新吾)、ヘンリー大川(精二)、ほか
映画「妻よ薔薇のやうに」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「妻よ薔薇のやうに」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「妻よ薔薇のやうに」解説
この解説記事には映画「妻よ薔薇のやうに」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
妻よ薔薇のやうにのネタバレあらすじ:起
山本君子は都心の会社に勤めるオフィスガールです。今日も仕事が終わると会社の前でボーイフレンドの精二が待っていましたが、改めて明日会うことにして、一人で家に帰ります。君子は母親の悦子と二人暮らし。実は父親もいるのですが、ずっと不在です。君子は仕事の傍ら、短歌の先生をしている母親の身の回りの世話をしていました。
妻よ薔薇のやうにのネタバレあらすじ:承
翌日、君子は母親の兄である叔父の新吾の家に遊びに行きます。話題になるのはやはり父親と母親のことでした。実は君子の父親・俊作が不在なのは、妾を作ってそちらの家を生活の拠点にしているためです。俊作は妾との間に2人も子供を作り、もう10年以上も家に帰っていませんでした。一応為替で生活費は送ってくるのですが、君子と父親の絆はただそれだけとなっています。
妻よ薔薇のやうにのネタバレあらすじ:転
ある日、夫婦間の事情に疎い知人から婚礼の仲人をしてくれ、という依頼が来ます。それに加えて、君子は精二とのデートの途中で、東京の街を歩いている俊作を見かけます。慌てて君子はその跡を追ったものの、俊作は人混みに消え、そのまま家にも寄り付きません。あまりにも薄情な父親の態度に堪忍袋の緒が切れ、君子は俊作が妾と住む信州の小さな町に一人で出かけることにします。俊作はそこでカネにもならない金鉱探しをしていました。
妻よ薔薇のやうにの結末
最初は妾のお雪をなじってやろうと思っていた君子ですが、父親からのものだと思っていたお金が、実はお雪がこっそり送っていたものだと知り、気持ちをくじかれます。また、俊作はお雪と子供たちと一緒に円満な家庭を築いていて、自分のほうがむしろ闖入者でした。それでも君子は父親を説得して、一緒に東京へ変えることにします。しかし、俊作にとって悦子との暮らしは気詰まりなことばかり。しばらくは家にいたものの、やがてまた信州に帰るハメになります。両親の様子を見ていた君子も、父と母との相性の悪さを知って、一緒に暮らす方が不幸せだということを悟ります。悦子は俊作が信州に旅立つのを知って泣き出しますが、君子にはどうすることもできませんでした。
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