マッキントッシュの男の紹介:1972年アメリカ映画。1971年に発表されたデズモンド・バグリイの小説「The Freedom Trap」を映画化したスパイサスペンスです。ロンドンを舞台に、国家機密がかかったスパイ戦に利用され翻弄される、名優ポール・ニューマン演じる諜報部員の苦闘をどんでん返しの展開をもって描きます。
監督:ジョン・ヒューストン 出演者:ポール・ニューマン(ジョセフ・リアデン)、ドミニク・サンダ(スミス)、ジェームズ・メイソン(ジョージ・ウィーラー卿)、ハリー・アンドリュース(マッキントッシュ)、イアン・バネン(スレード)、マイケル・ホーダーン(ブラウン)、ナイジェル・パトリック(ソームズ・トラヴェリアン)、ピーター・ヴォーン(ブランスキル警部)ほか
映画「マッキントッシュの男」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マッキントッシュの男」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マッキントッシュの男の予告編 動画
映画「マッキントッシュの男」解説
この解説記事には映画「マッキントッシュの男」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マッキントッシュの男のネタバレあらすじ:起
イギリスの国会では機密保全政策が承認され、愛国者として知られる国会議員ジョージ・ウィーラー卿(ジェームズ・メイスン)は国家機密を握るソ連のスパイのスレード(イアン・バネン)が逮捕されたこともあって国家の財産を守る重要性を力説していました。その事、泥棒のジョセフ・リアデン(ポール・ニューマン)はアングロ・スコティッシュ社のマッキントッシュ(ハリー・アンドリュース)という謎の人物に呼ばれ、時価10万ポンドにも及ぶ宝石強盗の計画を提示してきました。
計画はマッキントッシュの有能な秘書スミス(ドミニク・サンダ)の協力によりすぐさま実行に移され、スミスとも親密な関係になったリアデンはまんまと強盗を成功させたかにみえました。ところが、スイスに高飛びしようとしたリアデンは警察のブランスキル警部(ピーター・ヴォーン)に逮捕され、裁判で禁固20年の刑を言い渡されてしまいました。
マッキントッシュの男のネタバレあらすじ:承
ある日、獄中のリアデンにソームズ・トラヴェリアン(ナイジェル・パトリック)という男が接触、脱獄を請け負う組織“スカーペラー”の存在を明かすと、リアデンを脱獄させてやると持ち掛けてきました。2万ポンドの報酬で話は成立しましたが、条件として同じ刑務所内に収監されているスレードも同時に脱獄させるというものでした。
脱獄計画決行の日、囚人たちが刑務所内で騒ぎを起こしている隙にリアデンはスレードと共に脱獄、二人は待ち構えていたスカーペラー一味に睡眠薬を盛られてアジトへと連れて行かれました。リアデンが目を覚ますと、いつの間にか偽名をつけられ、しかもアメリカの市民権まで与えられていました。
その頃、世間ではスレードの脱獄は大々的に報じられ、議会において事件を追及しようとしたウィーラーの前にマッキントッシュが現れ、スカーペラー一味を壊滅させるため諜報部員を潜入させたことを明かしました。
マッキントッシュの男のネタバレあらすじ:転
リアデンの正体は泥棒ではなく諜報部員であり、スカーペラーを叩きつつスレードを暗殺するという任務を背負っていたのです。リアデンの正体を怪しんだスカーラーのリーダー、ブラウン(マイケル・ホーダーン)は彼に拷問を加え、リアデンは隙を突いてブラウンらを倒すとアジトに火を放って逃走、スミスに連絡を取ろうとしました。ところが、ロンドンではマッキントッシュはスミスの目の前で何者かにひき逃げされて重傷を負ってしまっていたのです。
自分がアイルランドに連れてこられたことに気付いたリアデンは、小型飛行機で現れたスミスと合流しました。一方、港にはウィーラーのヨットが接岸、スレードを乗せてマルタ島へ出航していました。ウィーラーの正体がスパイであることに気付いたリアデンは彼の目的がスレードをソ連へ引き渡すことだと推測、スミスと共にマルタ島へと飛び、スミスはヨット内にスレードの姿を目撃したその直後、ウィーラーに睡眠薬を盛られて捕まってしまいます。
マッキントッシュの男の結末
リアデンは地元警察にウィーラーとスレードの情報を伝え、ウィーラーのヨットに潜入すると船員を脅し、彼らがいる教会へと向かいました。しかし、スミスを人質に取って待ち構えていたウィーラーとスレードは実はマッキントッシュが密かに遺言状を残していたこと、そしてその中身とはウィーラーを破滅させるには十分な内容であったことに気付いていました。
実はスミスはマッキントッシュの実の娘であり、スミスはリアデンに自分もろとも二人を撃つよう叫びましたが、リアデンは彼らを殺すことができませんでした。ウィーラーとスレードは武器を捨ててその場から逃げ去ろうとしましたが、二人はスミスの拳銃の前に倒れました。二人があたかも相打ちになったように見せかけたスミスは、リアデンをも見捨ててその場から立ち去っていくのでした。
以上、映画「マッキントッシュの男」のあらすじと結末でした。
この映画「マッキントッシュの男」は、淡いブルーと薄明の霧が一面に淡く立ち込めているような、美しい色調が印象に残る映画だ。
監督のジョン・ヒューストンも、主演のポール・ニューマンもアメリカ人だが、アメリカ映画とは 一味違った感じのスパイ・スリラーなのは、イギリスの風景の印象によるものかもしれない。
かつての、米ソの東西冷戦下の西側と東側のスパイ合戦を描いた、ありきたりのストーリーだが、いいムードで最後まで飽きさせない。
とぼけた演技で、東側に潜り込むポール・ニューマンのスパイ役は、彼が出演した「逆転」や「引き裂かれたカーテン」以来、お得意のものだ。
大柄で、がっしりとしていて、ちょっとイングリッド・バーグマンを思わせる雰囲気を持った、ドミニク・サンダが美しく、最後に報復の銃弾を撃ち込むところも鮮烈だ。