スワンの恋の紹介:1983年フランス,西ドイツ映画。フランスの文豪マルセル・プルーストの長編小説『失われた時を求めて』の第1篇「スワン家のほうへ」の第2部「スワンの恋」を映画化したラブストーリーです。1890年代のパリを舞台に、社交界の花形的存在であるユダヤ人青年が魅惑的な高級娼婦に惹かれていく姿を描きます。
監督:フォルカー・シュレンドルフ 出演:ジェレミー・アイアンズ(チャールズ・スワン)、オルネラ・ムーティ(オデット・ド・クレシ)、アラン・ドロン(シャルリュス男爵)、ファニー・アルダン(ゲルマント公爵夫人)、マリー・クリスティーヌ・バロー(ヴェルデュラン夫人)、アンヌ・ベネント(クロエ)、ジャック・ブーデ(ゲルマント公爵)、ジュフロワ・トリー(フォルシュヴィル子爵)ほか
映画「スワンの恋」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スワンの恋」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「スワンの恋」解説
この解説記事には映画「スワンの恋」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スワンの恋のネタバレあらすじ:起
19世紀末のフランス・パリ。ユダヤ人株式仲買人の息子で美術品の収集家でもある青年チャールズ・スワン(ジェレミー・アイアンズ)は社交界の花形的存在として注目を集めていました。そんなある日、スワンは馬車に乗る妖艶な美女オデット(オルネラ・ムーティ)の胸元に挿されているカトレアの花を直したことがきっかけで彼女の虜になってしまい、この日を境にこれまでの日常だった音楽会や華やかなサロンの場もスワンにとっては何の意味も成さぬほどに惚れ込んでしまっていました。
かねてから付き合いのあるゲルマント公爵(ジャック・ブーデ)のもとを訪れたスワンは、昨日オデットと一緒だったという親友のシャルリュス男爵(アラン・ドロン)に彼女の様子を聞いてみました。シャルリュス男爵は同性愛者なので彼女に手を出す心配はありませんでした。
スワンの恋のネタバレあらすじ:承
オデットはこの頃、ヴェルデュラン夫人(マリー・クリスティーヌ・バロー)と親密な関係を持っており、スワンはオデットがヴェルデュラン夫人と肉体関係を持っているのではないかと気が気でなりませんでした。
ある日、オデットの素姓を知りたければ彼女と同郷の少女クロエ(アンヌ・ベネント)を訪ねなさいという内容の匿名の手紙を受け取ったスワンは早速クロエに話を聞くことにしました。クロエによると、オデットという名の高級娼婦がいたというのですが、スワンはこれ以上の深入りはせずに去っていきました。自宅に戻ったスワンは、オデットと出会った頃の夢を見ていました。
夢から覚めたスワンは、ヴェルデュラン夫人とオペラを観に行ったオデットを探すためにオペラ座へ向かいましたが、すでにオペラは終演しており、スワンは周辺を探し回ったところ、とあるサロンでオデットがヴェルデュラン夫人らと一緒にいるのを目撃しました。
スワンの恋のネタバレあらすじ:転
スワンもオデットらの中に交えてもらうことにしましたが、ヴェルデュラン夫人はオデットにフォルシュヴィル子爵(ジュフロワ・トリー)を紹介したことから、スワンは激しい嫉妬心を覚えました。
帰り際、ヴェルデュラン夫人はスワンの馬車に乗ろうとしたオデットを引き離し、無理に自分の馬車でフォルシュヴィル子爵と同乗させました。深く苦悩するスワンは帰る途中、若い男に捨てられたシャルリュス男爵と偶然にも遭遇、その後意を決してオデットの家へ向かいました。そして遂にスワンはオデットと結ばれますが、彼女は「あなたは私を捨てる。きっとそうなるわ・・・」とスワンに告げました。
翌朝、スワンは訪れてきたシャルリュス男爵に、もう自分の心はオデットから離れたことを語りますが、シャルリュス男爵はスワンが実はまだオデットへの想いが深く残っていることを悟っており、「いつ結婚するの?」と尋ねました。スワンは何も語らず、ただ笑みを浮かべるのみでした。
スワンの恋の結末
月日は流れ、スワンはオデットと結婚、二人の間には娘のジルベルドが誕生しました。しかし、もはや中年の域に差し掛かったスワンは高級娼婦だったオデットとの結婚と引き換えに社交界での地位も名声も失い、しかも不治の病に侵されていました。ある日、スワンはゲルマント公爵の屋敷を訪れ、公爵夫人(ファニー・アルダン)と語り合いました。公爵夫人はスワン個人に対してはかつての全盛期と同様に大切な友人としてもてなしてくれましたが、オデットやジルベルドに対しては冷淡なままでした。
スワンは公園でシャルリュス男爵と会い、自らの死期が近いことを告げつつ、ベンチに一緒に腰掛けながら過去を振り返りました。すると二人の目の前に華麗なドレスで着飾ったオデットが現れ、昔彼女の客だったという街の男たちの陰口をも気にすることなく、颯爽と通りを歩いていきました。
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