ウイスキーと2人の花嫁の紹介:2016年イギリス映画。1949年に製作された映画「WHISKY GALORE!」(※日本未公開)を待望のリメイク。スコットランドの小さな島で起きた実話を基にしたコメディ作品。第二次世界下のトディー島では、ウイスキーの配給を絶たれ島民達が絶望に沈んでいた。島の郵便局長ジョセフの娘2人は、祝いのウイスキーが無いため結婚式も挙げられない。そんな折、大量のウイスキーを積んだ船が島近くで座礁した。島民達は神の恵みと、船からウイスキーを盗み出すのだが…。
監督:ギリーズ・マッキノン 出演者:グレゴール・フィッシャー(ジョセフ・マクルーン)、エディ・イザード(ワゲット大尉)、ショーン・ビガースタッフ(オッド軍曹)、ナオミ・バトリック(ペギー・マクルーン)、ケヴィン・ガスリー(ジョージ・キャンベル)ほか
映画「ウイスキーと2人の花嫁」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ウイスキーと2人の花嫁」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ウイスキーと2人の花嫁」解説
この解説記事には映画「ウイスキーと2人の花嫁」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ウイスキーと2人の花嫁のネタバレあらすじ:ウイスキー枯渇問題
舞台は第二次世界下のスコットランド、トディー島。島の郵便局長を務めるジョセフ・マクルーンは、頭痛の種をいくつも抱えていました。年頃になる2人の娘ペギーとカトリーナが、それぞれ結婚を希望しているのです。ジョセフは既に妻を亡くしているため、娘達が結婚して1人きりになるのを嫌がっていました。更に戦況の悪化からウイスキーの配給が絶たれ、島には動揺が広がっています。ウイスキーは島で「命の水」と呼ばれるほど愛されており、島民達には欠かせないもの。
そんなある日、カトリーナの恋人で教師のジョージ・キャンベルが郵便局にやって来ます。彼は母親から結婚を猛反対されたことを気まずそうに報告しました。ジョージの母キャンベル夫人は厳格過ぎるほどに厳格なクリスチャンで、息子の恋も厳しく管理しています。失望したカトリーナは「どうせウイスキーなしじゃ結婚式も無理よ」と肩を落とすのでした。
一方、島民から慕われるオッド軍曹が2年ぶりに島へ帰って来ました。彼は島の民兵を実質1人で鍛えた英雄です。しかし島では、傲慢で間抜けなワゲット大尉が幅をきかせていました。ワゲット大尉は島を守るため、銃に合った弾薬が必要だと騒いでいます。居合わせたオッド軍曹は、弾薬を郵便局で保管してはどうかと提案。ジョセフも受け入れたため、本土に送り返されるまで弾薬は郵便局で預かることになりました。そこにペギーが現れ、オッド軍曹と抱き合います。2人は結婚を誓った恋人同士でした。
ウイスキーと2人の花嫁のネタバレあらすじ:奇跡の事故
ウイスキーが切れて2週間。島民は皆無気力になり、体調を崩す者まで現れました。そんなある日、思わぬ出来事が起こります。それは濃い霧に覆われた夜のことでした。積荷を詰んだ船ミニスター号が、島近くで座礁してしまったのです。島民が救助した船員の話によると、船にはニューヨーク行きのウイスキー5万ケースが積まれていました。ウイスキーに飢えていた島民達は、降って湧いたような話に目を輝かせます。船員を宿屋に寝かせた島民達は我先にとボートに乗り込み、ミニスター号へ向かおうとしました。
ところがその時、0時を告げる鐘が鳴り響きます。牧師のマカリスターは「今日は安息日だ!」と叫びました。この島では、安息日は教会で祈る以外のことを禁止されています。島民達は仕方なく家に戻りました。積荷のことを知ったワゲット大尉は、島民がウイスキーを盗むのではないかと警戒します。妻のドリーは、この島で安息日に盗みを働く者はいないと呆れました。ジョセフ達は沈没寸前のミニスター号を、指をくわえて見ています。そこへ、ミニスター号に乗っていた男性ブラウンがやってきました。何か企みがあるらしい彼の態度に、ジョセフは不信感を抱きます。
ウイスキーと2人の花嫁のネタバレあらすじ:ウイスキーを目指して
夕方になり、郵便局にオッド軍曹がやって来ました。ペギーと結婚させて欲しいとジョセフに頼みに来たのです。そこに現れたワゲット大尉は、積荷が盗まれないようミニスター号を監視しろと命令して去っていきました。ジョセフはこの地での婚約について、オッド軍曹に説明します。島では古くから婚約パーティーをする習慣があり、花婿は花嫁の父親からパーティーの許しを得なければなりません。それには父親が好きなウイスキーを用意しなければならないのです。オッド軍曹はペギーと結婚するため、盗みを見逃すことにしました。
夜。ブラウンはワゲット大尉の家に電話をして、ドリーに伝言を頼みます。それはミニスター号に残された赤い革のケースについてでした。ケースには大事件をもたらしかねない秘密が隠されているようです。交換手をしていたペギーと一緒にその会話を聞いていたジョセフは、急いでミニスター号へ向かいました。
日付が変わり、待ち構えていた島民達は一斉にボートに乗り込みます。ミニスター号の船内にはウイスキーの木箱が山のように積まれており、島民達は歓喜しました。せっせとウイスキーを回収し、砂浜でトラックに積み込む島民達。ジョセフは例の赤い革のケースも持ち出しました。ついに沈没したミニスター号に祈りを捧げ、必要な分以外は入江の洞窟に隠します。
ウイスキーと2人の花嫁のネタバレあらすじ:喜びに沸く島
夜明けに起きたワゲット大尉は、どうやらウイスキーが盗まれたようだといきり立ちます。島民はベインが店主を務める酒場で久しぶりのウイスキーを堪能していました。ジョセフがこっそり赤い革のケースを開けてみると、そこには前国王がアメリカ人女性に向けて綴った恋文や、ナチスの友人について言及した書類が入っています。確かに世に知られれば大スキャンダルで、ジョセフは驚きを隠せませんでした。ウイスキーが手に入ったことで、ペギーとオッド軍曹、カトリーナとジョージの婚約パーティーが同時に行われます。未だ結婚を認めないキャンベル夫人は欠席しました。マカリスター牧師が結婚式は夏至の日に行うと宣言すると、歓声が起こります。酔っ払ったジョージは母親と対峙し、結婚を許さないなら家から出て行くよう告げました。
翌日、ワゲット大尉はあちこち探し回り、入江のウイスキーを発見してしまいます。そうとは知らないジョセフはブラウンにケースを返し、本土に戻った際はワゲット大尉の職を解かせて代わりを就任させるよう言いました。交渉は成立しましたが、ワゲット大尉の行動でこの企みは失敗してしまいます。
ウイスキーと2人の花嫁の結末:ウイスキーを隠し通せ
翌早朝、関税消費税庁の船が島にやって来ました。ワゲット大尉が情報を提供したのです。それを知った島民達はウイスキー隠しに奔走しました。鍋に入れたり、マットレスの下に挟んだり、砂浜や墓地に埋めたり。税吏のファーカーソン達は、入江に行くより先に家探しをすべくマクルーン家にやって来ます。家中を探しますが、巧妙に隠されているため見つけられません。苛立つワゲット大尉は弾薬の箱を見つけ、本部に戻すため今日の船に乗せろと指示しました。
結局どの家からもウイスキーを見つけられなかったファーカーソンは、入江に向かうことにします。その動きに島民達が驚いていると、ワゲット大尉に告げ口をしたのは自分だとベインが名乗り出ました。彼はミニスター号のウイスキーが入ってから商売上がったりで、不満に思っていたのです。ジョセフ達は裏切り者のベインを残し、急いで入江に向かいました。ウイスキーを回収する時間を稼ぐため、他の島民はあらゆる手を使ってワゲット大尉達を妨害します。
結局逃げ切られたファーカーソンは、ワゲット大尉を関税消費税庁に連行し尋問すると言い出しました。ワゲット大尉がジョセフに送らせた弾薬の箱に、ミニスター号のウイスキーが入っていたと知らせが来たのです。実は弾薬の箱にもウイスキーが隠されていたのでした。ショックを受けるワゲット大尉に、ドリーはウイスキーで乾杯し、軽いお仕置きだと笑って送り出します。
そして待ちに待ったペギー達の結婚式が始まりました。遅れて現れたキャンベル夫人は、渡されたウイスキーを思い切って飲み下します。カトリーナとジョージはその様子を笑顔で見つめていました。夜になってもお祭り騒ぎは終わりません。キャンベル夫人はすっかり陽気になって、皆の輪の中で踊っていました。寂しさをようやく吹っ切ったジョセフも意気揚々とダンスに加わります。賑やかな夜は更けていき、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画「ウイスキーと2人の花嫁」のあらすじと結末でした。
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